シャンデリアはシャングリラの入り口

 シャンデリア


 辞書的に言うなら

 装飾を施した豪華な集合灯。天井からつるして用いる。発生はヨーロッパ中世に用いられたろうそく立てで,宮廷文化の発達などに伴い,次第に美術的な意匠が施されるようになった。後世にはろうそくに代って電灯が用いられ,木,金属,ガラスなどを用いて趣向を凝らした装飾が施されている。広間などの照明には必須とされているほか,一般用にも簡易なものが用いられている……だそうだ。


 シャングリラ


 辞書的に言うなら

 理想郷。桃源郷。英国の作家ヒルトンの小説「失われた地平線」(1933年刊)に描かれた理想郷の名による……だそうだ。


 そしてその天井にあるシャンデリアは、あと少しでシャングリラの入り口となる。私がそうなるよう工作した。


 あと少しで、あと少しで、私はシャングリラに行ける!! あのシャンデリアから!


 あと5秒でその門は開かれる!!


 待ってろよ、シャングリラ!


 * *


 その瞬間、シャンデリアは天井から切れて、下へ落ちていった。そしてその真下にいたという1人の男が死んだ。即死だったという……


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