怖い話を読んで、”シアワセ”と”カゾク”について本気出して考えてみた

 このお話は、本当に胸が掻きむしられるような、息の詰まるホラーでありながら、本当に温かな、でもちょっと普通じゃない”家族の絆”を描いたお話です。(そして、タグに『(念押し)恋愛要素あり』とあるとおり、微笑ましい”オトナ”の恋愛模様(?)もアリのお話でもあります。兎角、この作者さまはサービス精神に満ち溢れており、どのくらい満ち溢れているかは応援コメントの盛り上がりからお察しくださいませ)

 本当に、とても怖いホラーなのですが、作者さまのお人柄にじみでた、優しさに満ちたお話ですので、ホラーが苦手な方にも安心してお読みいただけます。
 でもなによりこのお話、いえ、福祉の最前線で戦っておられる作者さまのお話すべてが私に強く印象づけるのは、”社会的に不利な立場におかれている人”の心の悲鳴を代弁されているような、多分に風刺的な物語です。そして、そのような重いテーマを扱っていながらも、巧みな構成と丁寧に描かれた人物描写により、少しも押し付けがましくならず、むしろすっと心に染み込み逆にこちらが励まされているという筆力の高さと作者さまの芯の強さなのです。

 このお話に限らず、こちらの作者さまのお話はホラーや難しい題材を扱ったお話なのですが、ぜひ、「今、しんどいな。辛いな」と思っているときにこそ読んでみてください。
 きっと、心を軽くしてくれますよ。

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