社会問題、恋愛、人情、家族愛、ホラーありの、熱いヒューマンドラマ

 ジャンルは、ホラーなのですが、読み始めてみると、まったくホラー要素はありません。

 主人公は、不登校の生徒と向き合う、中学教師の行橋先生。しかし彼は、心労からきた病気を抱えており、彼自身が不登校になりそうな状態です。
 そんな彼が、転校以来の不登校で、顔も知らない生徒、田部くんのために、ボランティア・コーディネーターの香川さんと共に、動き出します。

 初めは、病気のこともあり自信を失い、覇気もなかった行橋先生ですが、だんだんと、本来の熱血教師に戻っていきます。
 田部くんとは別の、もうひとりの担当の生徒と、彼の属するサッカー部の顧問の先生のエピソードは感涙ものです。

 不登校の田部くんの信頼を徐々に得て、そして、彼から「助けて」の電話が香川さんに入ります。そこから一気に、田部くんの不登校問題は解決していきます。
 が……。

 行橋先生、香川さん、そして田部くんのコミカルなやり取りは、くすりと笑わせてくれます。
 けれど、行橋先生は、決めるところでは決める男です。

 読みながら、泣いて、悩んで、笑って、怖がって……。

 ジャンルが、ホラーなので、読み終わってみると、しっかりホラー要素満載でした。

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