ホラーに現代ドラマや恋愛の要素があってもいいじゃないか!

このお話のジャンルはホラーですが、見る人によって現代ドラマにも恋愛モノにもなると思います。

もちろん怪奇現象は起きます。だけど読んでいて思ったのが、怖いのは生きている人間だと言う事。この物語の中には、人間の悪い部分が多数描かれています。
特別支援学級の担任の先生の事を、蔑む目で見る同僚の先生。モンスターペアレントな保護者。そして子供を蔑ろにして、まともな生活をさせない親。
中学校教諭の主人公、行橋先生は人間関係で苦しみながらも、悩みを抱えた生徒にぶつかっていくわけです。ストレスで身体を壊したり、ちょっと頼りない所もある先生ですけど、生徒を思う気持ちは本物。真っ直ぐな態度で生徒にぶつかっていきます。

え、ここまでレビューを読んでて、怖い要素はあるかもしれないけど、全然恋愛モノっぽくは無いと思ったって?いえいえ、ちゃんとあるのでご安心を。
芯が強くて、家庭に問題がある生徒に体当たりでぶつかって行く、ボランティアコーディネータ―の女性、香川さん。彼女の存在が、この物語にラブを運んできてくれます。
虐待や不登校など、話のテーマは重たいですけど、恋愛要素を加える事で暗い話にはならずに、むしろドキドキでラブラブな雰囲気すら漂わせるのです。

ホラーが読みたいけど、恋愛モノも読みたい、現代ドラマにも興味があると言う方。このお話なら一作品で多数のジャンルを網羅できます。ぜひ読んでみてください。

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