ホラー×お仕事×恋愛

ジャンルはホラーな本作。ですがその前に、この話は叔父事小説としても素晴らしいものだと思います。

主人公は特別支援学級の担任である行橋先生。特別支援学級と言うとあまり馴染みの無い方も多いと思います。自分もそうでした。
ですがそんな方にこそ読んでほしい。そこに通う子供たちがどんな子なのか。そして何を悩んで、どうやってそれに向き合っていけばいいかが丁寧に描かれていて、興味を持つきっかけになるのではないかと思いました。

他にも、不登校になった生徒の家に尋ねたり、学校に来ない彼にどうやって勉強を教えていくか考えたり、あまり知らない先生と言う仕事の一面を見ることが出来ました。


この話のもう一つの大きな特徴が、恋愛要素です。
行橋先生と、ボランティアコーディネーターの女性、香川さんとの恋愛模様が時に甘く、時にじれったく展開されます。

えっ、この話のジャンルはホラーじゃないのかって?
もちろんホラーな展開もちゃんとあります。先に上げた不登校の生徒。彼の家にはある怪異が潜んでいるのです。

何だか話が飛び飛びになってしまいましたが、それはこのお話にそれだけいろいろな要素が詰まっているという事です。ホラー、お仕事、恋愛、どれも作品を語る上で取りこぼすことのできない大切な要素で、それらが見事にマッチして、一つの素晴らしい物語を作り上げていくのです。
決して一つのジャンルにとらわれない新しい物語の形です。

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