屋根へ走る

大地と空の間に雨が降っている

傘を忘れてしまったせいで

ぽつ、ぽつ、と髪に頬に

服に染みを作ってしまう

ぽつり、ぽつり

シャワーより弱く

本当の雨より弱く

小雨

五月雨にならなければいいな

小走りで屋根の下に向かう心は

心拍を上昇させて楽しいだなんて

時間制限のある遊びのようで

上を見ることなく

そう雲の割れまを知ることもなく

もうすぐ止んでしまうことを知るすべを逃しつつ

屋根へ走る

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