ペトリコール
玄関の扉を開け、鼻先で湿気の匂いを感じ取った
霧を吸い込めたら、こんな感じだろうか、とか
昔、病院にて吸引器をつけた時とか
とにかく詰まるような、そう経ち込めた空気を凝縮した感じだ
それは決まって雨のあと
夜半に降って朝焼けに終わり、地面を濡らして太陽で乾かす
一年の中で度々あることであるので反論はなくとも反感はある
これを良いという人も居れば、気が滅入るという人も居る
どちらかというと「やれやれ」である
朝のスタートには、やや遅れた感じがするけれども
いつだって雨は自由気ままに降って滲んで消えていく
きっと一日の終わりには地面は乾いているだろう
その頃の空気はどうだろうか
正午の爽涼感か夕空の侘びさか
ともあれ、今は朝なので鬱々とした気分で玄関を出た
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます