出勤

天気予報では午後からところによりにわか雨が降るでしょう

なんてテレビが喋っている

確かにベランダから見た空は鼠色で

雨が降りますよ、と言われれば納得もする

それになんとなくだけれども空気が重く湿っていた

朝食を食べ、歯を磨きはしたが今日の洗濯は取り止めて

陰干しも諦めた

一週間天気予報で、明日は晴れです、と言われれば

そんな選択肢にもなる

もう一度、窓の外を確かめ、服を着替えれば

玄関先に飾ってある折り畳み傘を狭いバッグに詰め込んだ

靴を履き、扉を開けば、ベランダから空気を吸った時よりも

湿り気が多い酸素だ

鍵を閉め、再度、空を見上げながら髪をいじる

ありがたや、湿気で髪は渦を巻いて縮こまっていた

盛大にため息をつきながらも家の玄関が閉まっていることを確認して

憂鬱になりながら今日も足を動かすのだ

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