なんなのですか、この文の合間から滴り落ちる色香は。十年前から続く狂おしい想いで肌を上気させた美少女の媚態が、目の前にありありと想像できてしまうではないですか。性描写の欠片すら一切におわせていないのに、この色気。頭がくらくらしてしまいそうでした。 その一方で、焦がれられている青年の戸惑いと、若さと激しさに惹かれながらも自分と彼女の感情を客観視する大人の冷静さもきちんと描写されていて、より二人の埋められない距離と、それでも手を伸ばしてしまう欲が感じられる。艶やか、としか言いようのない作品です。
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