変わりゆく世界、巡りゆく宇宙と……
- ★★★ Excellent!!!
地球を見限り月へと移住した人々。荒廃した土地で懸命に生きる人々。
環境と運命とに翻弄されながらも、自身の役割を見つけ強く逞しく生きていく姿を描いた群像劇。
いくつもの人間の波乱万丈な人生。
それらは決して点ではなく……強い絆で紡がれている。
SFでありながら、古典的な風習も感じさせる絶妙な世界観が、未来でありながらとても良い塩梅で懐かしさを添えています。
すべての登場人物、それぞれの抱える問題が、場所を変え、時代を超え、途絶えることなく続いていく様子が、じわじわと深い希望を与えてくれました。
時にどうにも超えられない壁にぶつかり挫けそうになりながらも、かすかな光明を見出していく「人」の姿に何度も何度も感動しました。
映画で見たいと思うほど素敵なSF群像劇でした。