行きて帰りし? 青春タイムトラベル

2020年、京都嵐山。誘われるように入店した喫茶店『旅』。メニューの1つである「おふくろの味」を注文した主人公・ケンタロウは1994年にタイムスリップしてしまう。タイムスリップによって放り込まれた頼るつてのない世界。そこで美沙と名乗る同い年(18歳)の不思議な女の子と出会う。美沙の家に拾われる格好となったケンタロウはアルバイトを始め、多くの人々と心の交流をするなど、その世界で強く生きていく。さらに時を経るごとに美沙との間に特別な感情が募り、時空の狭間で彼の心は揺れ動くことにーー。

古都の趣や、1994年のノスタルジックな雰囲気が魅力的です。2020年との時代を繋ぐのは喫茶店で、そこには時代左右されない仕事が今も昔も存在しています。
相手のことを真摯に思い、丁寧に仕事をすること。
それは作品全体を貫く優しい世界観して物語の核になっており、読み手の心を揺さぶります。
本作はまだ連載途中です。この時間旅行はどのような結末を迎えるのか? 完結のその時まで、登場人物たちと一緒に旅を続けたいと思います。

その他のおすすめレビュー

雪村穂高さんの他のおすすめレビュー124