不思議な喫茶店から始まる、一人の青年の成長物語。

「旅」という看板を掲げた不思議な喫茶店に踏み入れた主人公は、気がつくと26年前の1994年にタイムスリップしていました。そこで出会う人々を通して、彼はさまざまなことに気付き、成長していきます。

まず、最初に出会うのが美沙というヒロイン。彼女は、どこかミステリアスだけど、明るく元気で可愛らしい少女です。主人公と美沙がしだいに距離を縮めていく様子が甘々で、読んでいて和やかな気持ちになりました。

また、印象的だったのが、若かりし頃の自分の家族と出会う場面でした。自分がまだ生まれていない頃の家族と出会う主人公。嬉しさ半分戸惑い半分の心情が丁寧に描写されていて、主人公に思いを重ねつつ、私だったらどうするだろうと想像しながら読んでいました。

甘くて、どこか切なくて、そしてとても温かい物語。
過去に来て、時に迷いながらも未来を見て進んでいく。そんな主人公を応援したくなる作品です。

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