概要
幽霊が法令によって規定された近未来、窓口業務は煩雑を極めていた。
幽霊が政府によって法的に定義された未来。幽霊は霊障災害として災害補償の対象とされた。しかし、実際には法による定義により、幽霊の存在を認めないことを目的に設定されたものだった。それゆえ、対応窓口の負担は増加する一方であった。
そんな役所内に設置された、霊災補償窓口のとある一日の業務を覗きみてみよう。
そんな役所内に設置された、霊災補償窓口のとある一日の業務を覗きみてみよう。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!窓口職員vs幽霊
政府によって幽霊が法的に定義され、それゆえに幽霊の存在を認めない国家というあらすじからして非常に興味深いです。その国の末端ともいえる役所の窓口職員が世界の実情と国の見解とのギャップのなかで苦心するコミカルさがあり、もう一方では幽霊の恐ろしさがあり、それが黒い絵の具と他の色の絵の具を混ぜ合わせた時のように次第にコミカルな読み応えが全面的に支配してくるようになった時にはこの小説の面白さに浸っていました。
突飛な世界ではありますが、その中でも精緻なディテールを保持し、妙に共感性の高い社会生活の描写が読者を物語世界に引き込んで離しません。脱力感のあるオチまで必読です。窓口職員が悪夢のような外見をした…続きを読む