突き放される懐かしさ

例に漏れずウィザードリィのプレーヤーだった私には中毒性の高い小説。
古典ゲームを下敷きにしながらもリアルで泥臭い手触りがあるのも好みです。

奴隷の成り上がり物語としてもワクワクさせられます。
迷宮への適応という設定が悲しくも切ないのは、何かのスペシャリストになるということの苦悩が見え隠れするからでしょう。

迷宮でしか生きられない存在へとだんだんと近づいていく冒険者たち。引き返す者もあれば引き返せない者もあり。これはウィザードリィにはなかった(少なくとも僕は知らない)設定なのかな。

「ア」という特異な主人公がどこへ行きつくのか、これからも追いかけていきたい。

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