第13話ひたすら地味に作業するっていいよね
俺は、作業台の前にたち、クリエイト画面をひらく、そして、素材を選び矢筒を作りたいと念じてみる。
しかし、矢筒は作れなかった。
素材を選ぶことにより、作れる物もあるが、サバクリに存在しないものはつくれないということだろう。
なんでも作れるわけではないと知り、若干がっかりした。
かわりに、水を入れる革袋を作る。
サバクリには、腹が減ることに対するゲージと、水を飲むことに関するゲージがある。
どちらもゲージがゼロになると、状態異常になってしまう。
「これ、どうぞ。矢筒って、感じはしないけどこれしかないので、これを使ってください」
そう言って、革袋をリーネさんに渡す。
「ありがとう」
「では、準備も出来たし、行きますか」
リーネさんに先導してもらい、森の中に入る。
~~~~~~~
「村が見えました、でも、誰もいません。襲ってきたモンスターさえいません」
「そうですね、残念なのか、良いのかは分かりませんが」
~~~~~~~
結局、その日は何も得られたものは無かった。
目に見えて落ち込むリーネさん。
俺は、励まそうと、言葉をかけていたが、どこか上の空で聞いているので、今はそっとしていた方がいいだろうと黙る。
帰ってきたときは夕方だった。
俺は、リーネさんをそっとしておくと、することもないので、一日を効率よく過ごそうと改めて思った。
リーネさんが来る前はサバクリで序盤にすべきことに従いやってきたが、人と関わることで、効率が悪くなったので、その遅れを取り戻そうと思った。
人と一日喋らないでいたから、人恋しさに、リーネさんとよく喋ったが、ゲームの効率を求めると、一人で行動した方が効率は良い。
しかし、いまさら、彼女を放り出すことも出来ないので、このかんがえはやめる。
俺は、作業台で鍬を作ると、森を伐採したあたりを耕す。
ゲームの時は何とも思わなかったが、この鍬を使うと、一振りで1平方メートル耕せるのに、とても驚いた。
良い。
良い、この、なにも考えずに作業するのは心が休まる。
テンポよく耕していくと、伐採した土地の殆どを耕し終えていた。
幸いなことに、種は森林を伐採したときに、大量に手に入れているので、それを撒く。
まいた種は、薬草、魔力草、小麦、ジャガイモ、その他の野菜だ。
サバクリでは、料理を食べると、その料理に応じて、バフがかかったり、生命力が回復したりもした。
しかも、材料が、無駄に種類が多くて、大変だったので、俺はあまりやらなかった。
しかし、サバクリが現実になったので、栄養が足りなくて倒れたりしたら嫌なので、たくさん、料理の材料を作っているわけだ。
畑を耕しているうちに、レベルが上がって今の俺のステータスはこんな感じだ。
◇◇◇◇
名前:
種族:ヒト
レベル:18
生命力:150
筋力:150
耐久力:120
器用度:150
敏捷度:100
ポイント:0
◇◇◇◇
あたりが暗くなったので、俺は家に戻る
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