第8話法は無いけど不法侵入者


浜辺に建てられた一軒の四角い家。

勿論、俺の家だ。


今日の目標は、拠点の改築と鉄製の道具を作ることだ。


鉄鉱石は、岩から採取したとき、低確率でドロップしたものがある、ついでに、ゴブリンが持っていた錆びた剣も、昨夜、炉に入れて鉄にしておいたので、準備万端だ。


鉄を加工するって言っても、金床はいらない。

では、どうやって作るのかと言うと、作業台を使うのだ。


俺は、炉から鉄を取り出し、代わりに、ゴブリンからとれた肉を入れて、焼く。

ゲームでは、ゴブリンからとれた肉でも、動物からとれた肉でも、同じ形、同じ名前で出てくるので、俺がゴブリンの肉だと意識しているのは、余り意味はないのかも知れない。


そして、作業台の前に行き、取り出した鉄を作業台のクリエイト画面に入れる。


尚、ここまですべて、インベントリとクリエイト画面を経由してやっているので、炉から取り出した鉄を素手で触っているわけではない。

遣り甲斐と言うものは無い。


三十秒後、鉄の剣、鉄のツルハシ、鉄の斧ができた。


サバクリは、基本この三つさえ持ってれば、後は要らないという人もいる。

俺は、銃やバリケードなども必要だと思うが、プレイヤースキルの高い人たちは大丈夫なのだろう。


俺は、この三つの道具を持って、森と浜辺の境界線で、伐採を始める。


森を、伐採しすぎると、モンスターが出にくくなったり、時間がたてば何度でも採取できる場所が、時間がたっても、採取できなくなったりする。


森の伐採も、拠点作りに関する限りは、悪いことではない。

何故かというと、ドアを開けたら、モンスターがいました、殺されました。なんてことがなりにくくなったり、拠点の増築をすれば、それに従って、レベルも上がりやすくなったりもする。

なぜなら、土台、壁、天井、床のシリーズは作ることで、経験値が多く入るからだ。



ひたすら、無心で木を切る。


お腹がすいたな~、と思い、木を切るのをやめてみると、俺は、浜辺の広さを倍近くするほど、木を伐採していた。


25メートルプールを三つ分くらいの面積を伐採していた。

大きい岩がたくさんあるゾーンもすぐ近くにあるくらいだ。

直ぐ近くなので、ついでに岩も鉄のピッケルで掘る。

帰ろうと歩くと、筋力で持てるインベントリの重量よりもオーバーしていて、鈍足の状態になる。




鈍足の状態で、家に帰る。


「あれ?家に明かりがついてる」


家の外の窓から家の中をのぞくと、俺のベッドでスヤスヤと眠る、耳の長い女性が居た

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