第16話視線
話し合いの次の日、俺は、水を汲みに井戸まで行くと、エルフの女性達がいた。
「おはようございます」
と声をかけるが、エルフの女性たちは、挨拶を返してこなく、こちらをちらちらと嫌な目線で見ながら、ひそひそと話ををしている。
感じ悪いな。
何かしたかな俺?
と、考えてみると、思い当たることが一つあった。
昨日のソレイヤさんと話した、村が壊滅する原因となったことを俺が起こしたかもしれないことを、エルフの男の子が聞いていたことだ。
まさかな。
おそらく、俺の考えすぎだろう。
新しいところに来て、まだ慣れてなく、知らない俺に対して緊張してるだけかもしれない。
そう思うことにした。
その日の午後、人の数が増えた分食料の消費増加も見込まれるので、俺は農作業をしていた。
といっても、大した苦労ではない。
すぐに作物は育つし、作業は手作業だが、昔の地球で手作業で農業をやってた時よりも、ゲームの能力のおかげで簡単に、耕せたり、水をやれたり、種を植えたりできるからだ。
例えば、俺が水を撒くために一回じょうろで地面に水をかけると、一平方メートルもの面積が濡れる。
加えて、俺のインベントリに入っている、作物を収穫したときに、手に入れることができるドロップアイテムである種を使うと、これもまた、一平方メートル分、種をまくことができる。ちなみに、作物の大きさは、地球と同じだ。
塀の中の、農地全部に種をまき、水をやり終わると、丁度レベルが上がった。
サバクリでは何か作業をする、例えば、伐採、収穫、物を作る、モンスターを倒すなど、作業の殆どに、経験値があり、レベルアップできた。
ちなみに、今のステータスは、こんな感じだ。
◇◇◇◇
名前:
種族:ヒト
レベル:23
生命力:150
筋力:150
耐久力:120
器用度:200
敏捷度:100
ポイント:0
◇◇◇◇
こんな感じだ。
前回のステータスをわり振った時から、5つレベルが上がっていたので、ポイントを全部、器用度に振っておいた。
理由は、器用度はものを作った時の品質や、器用度が一定以上ないと作れないものがあったりするからだ。
そして、俺はこの辺のモンスターなら、よほどのことがない限り勝てることが、ここ数日森の中で過ごして分かった。森の奥の方はサバクリの知識からするとこのステータスや装備からすると無理だけども。
そして、器用度が200を超えたことによって、作ることができるようになった、アイテムがある。
それは、『スクロール』だ。
スクロール、それは、使いきり型の魔法発動体である。
器用度200で創れる魔法のスクロールは、基本的なものしかない。
こんな感じだ
◇◇◇◇
・創水のスクロール
・火球のスクロール
・土球のスクロール
・水球のスクロール
・風球のスクロール
・下級生命力回復のスクロール
・下級筋力上昇のスクロール
・下級器用度上昇のスクロール
……
◇◇◇◇
俺は、久方ぶりに達成感を感じていた。
スクロールが使えるようになればやれることが広がる。
明日からが楽しみだ。
この時の俺は、朝のエルフたちの視線のことなど、頭にはなかった。
サバイバルでクリエイトするゲーム世界に来てしまったので、生活を豊かにしようと思う。 新垣加々良 @Motipurupurin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。サバイバルでクリエイトするゲーム世界に来てしまったので、生活を豊かにしようと思う。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます