第7話死体蹴り、ならぬ、採取
先端が石でできている槍は振って使えるほど、切れ味や、耐久度は無い。
なので、突く。
ゴブリンが我先にと向かってくるのを突いて、突いて、突く。
手に肉を突いた嫌な感触が残るが、今はそんなことを気にしている余裕はない。
弓を持ったゴブリンが俺を射ろうとしているのが見えたので、そいつに向かって50メートル走のスタートしたときの走りのように、頭を低くして、走る。
的が小さくなったことに対応できずに、ゴブリンの矢は俺の胸があったあたりを通った。
俺は、走ったスピードを槍に乗せ、身を捩じり思いっきり、弓を持ったゴブリンを突く。
柄の先端の部分を通り越し、槍の三分の一ほどまで刺さる。
ゴブリンの体に深々と刺さった槍を抜くために、ゴブリンの体を足で押し出しながら抜く。
気づいたら残りのゴブリンは一匹だった。
残り一匹のゴブリンは錆びた剣を持っているが、槍の方がリーチが長いので、楽に倒した。
戦闘が終わった。
俺は、ふぅ、と息をつくが、すぐに石斧を取り出し、ゴブリンの死体をザクザクと切り刻んでいく。
死体蹴りではない。
これは採取をしているのだ。
採取している途中で、攻撃力が今は初期値に近いことに気付きステータスを開く。
レベル8になり、先ほどエリアボスのゴブリンを倒して、レベルアップしたときのポイントと合わせると、6ポイントあるので生命力に2ポイント降り120にし、筋力にも2ポイントふり130に、耐久力と器用度に1ポイントづつ降り110にする。
◇◇◇◇
名前:
種族:ヒト
レベル:8
生命力:120
筋力:130
耐久力:110
器用度:110
敏捷度:100
ポイント:0
◇◇◇◇
これで、筋力が130になり、採取できる量が増える。
ゴブリンに死体蹴り、もとい、採取をして肉を手に入れる。
ゴブリンの肉を食べるのは、現実になった今では抵抗があるが、ゲームの時では、食べていたので、気にしないようにする。
とりあえず、一旦、リスポーン地点へ戻ろう。
~~~~
リスポーン地点に戻ると、辺りは夕暮れ時になっていた。
これは、急いで拠点を作らないと拙い。
夜になると、視界不良になるほか、モンスターが活発化したりもする。
俺はレベルが上がったことで創れるようになった、木の壁、木の土台、木の扉、木の天井をクリエイト画面を開き作る。
そして、作業台もつくる。
作業台があることで、作業台でしか作れないものが作れるようになる。
木の土台、木の土台、木の扉、木の床、木の天井を設置し、家を作る。
家の中に作業台を設置する。
作業台の前に立ち、作業台を使いたいと念じると、目の前に、クリエイト画面と似たようなものが現れる。
作業台を使うことで、現在作れる物は、ベッド、石の炉、皮の防具一式、などだ。
俺は、ベッドを作り、これもまた設置する。
石の炉も作り、燃料として木材をいれ、炉で溶かす、材料として、鉄鉱石と錆びた剣を炉のクリエイト画面に入れ、火をつけるというボタンをクリエイト画面で押す。
そんな作業をしていたら、すっかり辺りは夜になっていたので、今日はもう、寝ることにする。
今日は、サバクリの初日にやるべきことが全てできたので、満足感を抱きながら眠りについた。
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