第5話モンスターとの戦いは基本的にハメ技
「しょうがない、戦うしかないか」
ゲームのサバクリでは、防御するコマンドや、前転することで、攻撃を無効化することなどは出来なく、装備した防具でひたすら攻撃することや、地形や、作った設置物によって、ハメ技をすることが基本だった。
モンスターは基本的にはプレイヤーよりも、強く設定されていた。
プレイヤーが後々作れるようになる銃や、魔法の杖などを使って上回ることができるくらいだ。
サバイバルゲームの名は伊達ではない。
ただのゴブリンなら、レベルを上げれば素手でも殺せる。
しかし、ただのゴブリンは基本的に、集団で現れるので、プレイヤーが単身で突っ込むのは多少危険だ。
ましてや、今、対峙しているのはエリアボスのゴブリンだ。危険度はより高い。
この世界は、ゲーム要素はあるが、現実だ。
!!、今、なんて思った?
この世界は、ゲームではなく、現実なんだから、ゲームで、無理なことができるのではないか?
俺は急いで、俺とゴブリンが挟んだ位置にいる岩から離れ、俺の身長よりも高い岩によじ登る。
「よし!これなら出来る!」
ゲームでは、岩に、よじ登ることは出来なかった。
岩に登ると直ぐに、ステータスを開く。
◇◇◇◇
名前:
種族:ヒト
レベル:2
生命力:100
筋力:100
耐久力:100
器用度:100
敏捷度:100
ポイント:1
◇◇◇◇
レベルが上がっていた。
予想通りだ。
レベル1は、簡単な採取と、石斧と、石のピッケルを作ればすぐに上がる。
俺は、ポイントを筋力に振る。
何故なら、筋力を上げると、モンスターに与えられるダメージが増えるし、なおかつ、インベントリに入る量も増えるからだ。
「クリエイト」
続いて、クリエイト画面を開く。
「よし、槍が作れる!」
レベルがあがったことにより、作れる物のレシピが増えた。
レシピを知らなくても、おそらくこの世界に来る原因となった、『異世界への招待状完全版』を作った時と同じように、材料を選ぶとにより、作ることもできる
しかし、レシピを覚えている時よりも、製作する時間が長くかかる。
俺は、レベル2で覚えるレシピである、槍をクリエイト画面でタップし、作る。
製作完了まで、五秒かかる。
ゲームの時は短いと感じていたが、命がかかっているので長く感じる。
そうこうしている間に、エリアボスのゴブリンが岩に登ろうとしてくる。
やはり、ゲームとは違う。
しかし、俺の身長よりも、若干高い岩なだけあって、人間よりも身長が半分ほどでしかないゴブリンは登りづらそうにしている。
俺は石のピッケルを、ゴブリンが登ろうとして伸ばしている手に向かって振るう。
ピッケルの先端がゴブリンの手の甲に突き刺さる。
ゴブリンは痛かったのか、反撃されると思ってなかったのか「グギャッ!」と言い、登っている岩から落ちる。
すでに五秒経ち槍――といっても、先端の刺す部分は石で、柄は木の原始人の使うようなやりだが――を使い、岩に再び登ろうとしてくるゴブリンに向かって突く。
頭蓋骨に当たったのか、大したダメージは与えられてないように思える。
ゲームだったら、ただの当たり判定だけだろうが変に、現実感が出ている。、
ゴブリンの目に目標を定め、再び突く。
「よし!」
見事に、目に突き刺さり、このまま死ぬかと思ったが『グギャッ!グギャァァァアアアアア』とエリアボスのゴブリンは叫ぶ。
「拙い!」
この声はゴブリンが死の間際に仲間を呼ぶときの声だ。
まさか、エリアボスのゴブリンが使えるとは。
ゲームの時なら、この声をエリアボスのゴブリンは使えなかった。
たしかに、他のエリアボスは手下を呼ぶなどのことはしてきたが、ここは、リスポーン地点に近く、モンスターは弱めに設定されてるはずだ。
モンスターは地域によって、強さが違う。
確か、公式設定では、魔素の濃度が違うからだと言っていた。
森がざわめく、木の葉がざわざわと音を立て、俺の不安を煽る。
そうして、エリアボスではないゴブリンたちが現れた。
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