コンプレックスと歪んだ愛情の寄せ鍋で煮られている3つの具材のモノローグって感じでした。ずんとくるどす黒く重いモノローグ3連発にくらくらしつつ、堪能しました。すごくおもしろかったです。三者三様の嫉妬、愛情、憎しみが交差するのがとてもうまく表現されていて、のめり込みました。それにしてもリョウちゃんは気が長い。そこまでひとりの女だけを見続けられるなんてすごい。
リョウ、ヒロコ、アキラ。三人の男女は小学校の同級生で、その頃からそれぞれ身長にコンプレックスを持っていた。リョウはヒロコに追い付かない身長を。ヒロコは高すぎる身長を。アキラは誰よりも小さな身長を。そのコンプレックスは、大学生となって姿が変わっても肥大化する。 コンプレックスを克服できない苦しみ。克服したにも関わらず生まれる新しい葛藤。人間というものの複雑さを描かれた物語であると感じました。人間の性格は一言で言い表せないほど難解ですし、二面性どころかいくつも顔をもっているものです。そういった人間をとても深く掘り下げ、描かれていると思います。
文章が上手で先が気になる展開で一息で読み切れる長さで完璧。でも、自分には、辛過ぎました・・・
タイトル通りです。三人の思惑が全部すれ違う。あー、、、、すごい。
劣等感は、誰しも抱えているもの。しかし無自覚の劣等感ほど、恐ろしいものはない。三人の物語を読んだ事によって、そんな教訓を叩きつけられました。普段、あまり意識していないコンプレックスの怖さを再認識させられた物語でした。
全く真逆のコンプレックスを持つ三人が絡みあい、それぞれの思いを抱く。それぞれは独立した存在なのに結びつくことで一つになる。文字通り、コンプレックスのお話です
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