史実の籠城戦を元にした異世界ファンタジー? というか中華ファンタジー!!
物語は宋の時代。襄陽軍と金軍の戦い。キャッチコピーにある通り「籠城軍わずか一万、敵が号するは五十万!」という絶望的な戦いである。しかし、劣勢を強いられる襄陽軍はあの手この手で金軍を追い払い、必死の抵抗を続ける。
二つの視点から描かれ、その中で生まれる人間ドラマが本作の見どころなのだが、この物語で僕が一番注目したのは各軍の女性たちのドラマだ。
襄陽軍には大柄で男勝りな、旅翠。
金軍には許嫁の隣に立つお嬢様、多保真。
二人の女性が戦に関わり、男たちと関わりながら、戦の悲惨や厳しさを描いている。そして、三人目の女性の登場も、読者に新しい驚きを齎してくれる。この戦が最終章でどのような帰結を見るのか、それを最後まで見届けたい。
(個人的には、道僧にはいい加減に覚醒しろと言いたい! あと撒速様が一番好きです。御大将の活躍はまだですか? 見れるのですか?)
わずか1万の兵が立てこもる城塞都市を50万の軍勢が取り囲む……
スケールは大きいながらも、限定された舞台設定。
その中に現れる様々な人物のひとりひとりに、雄大な歴史の流れに連なる太いバックボーンがあり、それが現れては過ぎる。その流れに身を委ねるかのような感覚を覚える作品です。
一見とっつきにくく難しそうに見えて、読み始めると止まらない魅力。一言一句に歴史の重みと情報量が込められているかのような分厚さが、出来のいい音楽のように何層ものアンサンブルもなって奏でられる、まさに叙事詩。
その上、作者さんのキャラクターに対する愛情が迸るかのように、とにかく人物がかっこいいのです。
彼らが立ち回り、会話し、そして躍動する姿をひたすら見ていたいと思わせるような魅力に溢れています。
まだ途中までですが、この雄大で、そして生々しく美しい人の息吹を感じる物語を、しっかりと追いかけていきたいと思います。
南宋の城市・襄陽に、金国の大軍が押し寄せてきた。
趙萬年(阿萬)の属する趙家軍は、地元の兵力とともに籠城して戦う。
漢文超訳も読んでいたので、
西暦で言えば、1206年末から1207年にかけて、
三ヶ月間の戦闘だということは、読者の私は知っています。
しかし、この小説での趙家軍は、勿論そのことを知らない。
籠城がいつまで続くのか。自分たちは本当に勝てるのか。
考えてしまったら押し潰されそうな恐怖でしょう。
一方、攻める金軍も、敵地での戦がいつまで続くかわからない。
超訳は襄陽側の記録なので、襄陽が勝てば単純に喜べましたが。
暴力で支配する父に圧迫される道僧。
美しく苛烈な婚約者、多保真。
危ういほどに純粋な徳寿。
彼らの為人を知ると、ただの敵、ただの数ではなくなる。
それでも、戦は始まってしまう。
失われてはいけないものが、失われてしまう。
この戦で両軍、何か得たものはあったのだろうか。
終わった瞬間、阿萬とともに叫びたくなるような、激動の連載でした。
お疲れ様でした。
いきなり最新更新に追いついてしまった。
一晩で50センチも積もっていく長岡の雪と格闘しながら、その合間合間に襄陽軍と金軍のそれぞれの土木工事の様子を読んで苦笑した。必死の攻防戦の中に笑いがあり、悲しみがあり、信頼と充実感がある。
私は厚いとばりのように降りしきる雪の中で、孤独な汗をかきながら雪の壁を崩し、黙々と水路へと運びつづけた。
春には解けて跡形もなくなる雪のために、一年のうちほとんど使ったことのない力を虚しく浪費する。しかし、それも人の生きざまのうちだと、なんだか心を軽くしてくれるものがこの物語にはあった。
でも、私のようなひねくれ者を素直にそんな気持ちにさせる読み物って、そうあるものではないとも、あらためて思う。
この物語については、応援コメントにいろいろな角度から書いてきた。参考になるなら読んでください。まだ完結していない段階なので、さらに思ったことや感想があればレビューに追記するなり、応援コメントするなりしたい。
今は、完結にむけての励ましの意味で声をかけておきます。
「頑張ってね!」
「たぶん昔の中国のお話だろう。宋って書いてあるし」
そのくらいの知識で読み始める。
難しい漢字ばかりだ。
襄陽。ふりがながあるので読める。
趙萬年。ふりがながあるので読める。
趙淳。ふりがなが(略
宋を「たぶん昔の中国の国名」くらいの認識でいる私には地名も人名も、ふりがながなければ読めない。
難しい漢字ばかりだ。
だがッ!
難攻不落の城を攻める五十万の大軍ッ!
対する兵士はわずか一万ッ!
『死に物狂いでこの城を守れッ!』
なんて分かりやすく、なんて心惹かれる言葉で、しかも中身はなんて面白いッ!
登場するのは敵も味方も一筋縄ではいかない人物ばかり。
対立の構図は善と悪ではなく人と人。
味方も残酷な振る舞いをするし、敵も理想を口にする。それでも男たちも女たちも戦う。敵が悪だから戦うのではなく、戦わなければ守れないから戦う。人と人がぶつかり合っている。壮大で、はるか昔の知らない世界なのに、なんて魅力的な作品だろう。
本編のつくりはモチロンとして、その他に素晴らしさを感じたのは随所でエピソードの合間に挟まれるキャラクターの紹介。聞きなれない名称や難読漢字な人名に読者が混乱しないように配慮し、登場人物の立ち位置と紹介が何度も入る。
それも、物語の流れを阻害しないように章の末尾という絶妙なポイントで。
たとえば紹介されている叉という武器には「ポセイドンの持つアレ」、鎌には「死神が持っているアレ」という説明がされている。これなら誰が読んでもすぐイメージができる。ポセイドンや死神が持っているような武器なのだ、と。
書かれていないキャラクターについては忘れて良いとする徹底ぶり。
これだけのものを物語としてしっかりとまとめつつ、しかも「わかる人にだけわからせる」のではなく、予備知識の無い読者が最大限に読みやすく理解しやすいようにしっかりと導線が引かれている。やろうと思って簡単にできることではありません。いったいどれだけの熱量と技量で書かれているのか。
素晴らしい作品だと思いました。
襄陽、と聞いて知らぬふりはできなかった。
金庸武侠迷であればきっと誰しも同じだろう。もっとも、本作の舞台は北侠の活躍よりももっと前であるが。
閑話休題。
上記の理由でまずは「【漢文超訳】襄陽守城録」を先に読み始めたが、コンテスト参加作と聞きこちらをまず追うことにした。
時は南宋、朝廷の間抜け官僚が金国へちょっかいをかけたばっかりに、金はブチギレて南征侵攻を開始する。国境の要所・襄陽を任されたのは趙家軍。援軍も望めぬ苦境の中で智謀と気力を駆使して徹底抗戦する。
敵を退け打ち倒すだけが戦争ではない。まずは内憂を取り除き、全軍の意思を一つにしなければならない。進撃の準備を進める敵に奇襲を仕掛けて排除しなければならない。そして時には、講和を持ち掛けて懐柔も図る。
序盤はこうした腹の探り合い、少人数での戦闘、そして各人の思いや葛藤が描かれる。
そしてちょうど読了した第六章。状況は風雲急を告げて激変し、激しい攻城戦もとい守城戦が繰り広げられた。
これがまた読んでいるだけなのに壮大なBGMと耳を弄する破砕音が耳朶を打ち、爆ぜる火薬の閃光を見、その焦げ付く匂いまで感じるかのようなのだ。
一方で、戦争の影では争いを憂える者たちの葛藤がある。何とか争いを回避したい。敵を敵をしていがみ合うのではなく、手を取り友になれぬものかと心悩ませる若人たち。
だがそれも冷徹な将によって利用され、次第に憎しみの連鎖に歪められてゆく。
襄陽は落とされるのか、守られるのか。
誰が生き、誰が逝くのか。彼らに救いはあるのか。その行きつく先はどこか。
これからの展開も目が離せない。
現実では悲惨なものとなる籠城戦だが、物語の中ではとにかく浪漫あふれる展開となる。
本作「守城のタクティクス」も、押し寄せる大軍を、少数の精鋭達が迎え撃つ、心躍る物語となっている。
守る側が主体の話ではあるが、金軍側からの攻城という視点でも見ることが出来る。
物量では圧倒的優位にあるが、漢人の兵は士気が低いのか、ゲリラ戦になるとすぐに混乱。得意の騎兵戦は、水の上では地の利は得られないようで苦戦中。
この劣勢をどう挽回していくのかも見物。
「金」の人々がまた良い。
「撒速」
冷静沈着。有能であれば敵の将でもスカウト。本気出したら圧倒的絶望感。
「吾也」
悪人風だが、軍人としては有能。
子供達には愛情を感じているのか?
もっと無茶して欲しい。
「多保真」
当初は脳味噌お花畑だが、戦場の現実を知り変化していく。
現在の日本にもいそうなタイプ。
「道僧」
本作の中で、一番悩みを抱えていそう。
覚醒が待たれる。
敵側の金の人々もしっかりと描写するところがただの痛快娯楽とは一線を画している。
視点を転換し、攻城の面白さも堪能してみるのも良いかもしれない。
また、ファンタジーを一応名乗っているが、現実から大きく乖離していないのが良い。
両軍を通じて、一騎当千の超人的な人間はいない。
戦闘に疲労し、食事も睡眠もとり、失敗し、後悔し、成長している。
食料の枯渇の恐怖を予感させる部分もある。
この先、痛快な展開だけではなさそうだ。
歴史的事実も元にしているのだから、もう結果は出ているのだけど、この作品の未来は無限に広がっている。
善と悪などとは一概に決められないこの戦い、両軍どちらにも肩入れし、活躍や喪失に一喜一憂しながら読むのが良いと思われる。
「とりとめのないレビューになりました。とにかく楽しく読ませてもらっていおります。続きも期待しております」
私は氷月あやのファンである。
狭くないカクヨムの中で、我も、という方は多くいらっしゃると思うが、私もファンである。
このレビューは、広いカクヨムの中にいらっしゃるだろう、「俺は違う」とおっしゃる方にお読みいただきたい。
氷月あや作品の魅力は多々あれど、二つに絞ってお伝えしよう。
一つは、確かな世界観。今一つは『熱さ』だ。
まず、確かな世界観。
氷月あやの頭の中には、恐ろしいほどの歴史の知識が詰まっている。
『飯テロ』本に掲出された『いけず』でもそうだが、その知識は作品全面に散りばめられている。
だから、知らない言葉、出来事に出会うことができる。それも、嫌味なく。
「矢」と書かずに「箭」と書く。城の防御に「皮簾」なる道具を使う。そんなこと、寡聞にして氷月あや作品でしか会ったことがない。
いま一つは、熱さ。
彼女が書く主人公は、いつも生きることに全ての情熱を捧げている。
行く道に悩み、越し方に悔いることはあれど、彼らは簡単に諦めたりしない。死のうなんて、これっぽっちも思っていない。
血で血を洗う戦場においても、それは揺らぐことはない。
これら二つが遺憾なく発揮された『守城のタクティクス』。この作品はヤバい。襄陽ヤバイ、まじヤバイ。
13世紀初頭、中国で本当に繰り広げられた戦いの氷月節、余すところなくご覧じろ。
第一話 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884546369/episodes/1177354054884546385
実際に戦場に居た人が書いた日記の訓読文(氷月節) https://kakuyomu.jp/works/1177354054884171637
南宋と金のせめぎ合いで最も激しく火花を散らす場所、それが襄陽(じょうよう)。迫りくる金の大軍を迎え撃つは、「砲弾ねえ!兵力ねえ!」のナイナイ尽くしの襄陽を守る「趙家軍」。趙淳をボスに、その義弟でピチピチ威勢のいい趙萬年(金への罵倒がバラエティに富んでて笑える)を主人公とし、息詰まる攻防戦を読者の前に生き生きと展開してみせる。
ベースとなる資料『襄陽守城録』は、すでに作者ご自身が超訳を作られていてカクヨムに掲載されているが、本作でも東洋史の確かな知識に加え、溢れるエネルギーとイマジネーション、一人一人立体的に描かれた人物像が文字通り火薬のごとく炸裂し、土埃がもうもうと上がり、読者をひきつけてやまない。
現場の艱難辛苦をよそにムチャぶり無双の中央政府(いずれの世も同じか…)に怒りつつも、城と人々を守るために奔走する阿萬たちはとても魅力的。(ちなみに私のお気に入りは趙淏=二哥。こういう影のある、鋭利な男前はいいねえ…ということで、彼が登場するとテンションが上がる)
いっぽう、敵である金も、どこか達観したようなラスボス、理想に燃える御曹司、悩める坊ちゃまなど、深みをもって人物が描写されている。
以前、中国風後宮ファンタジーを描いた拙作に作者がレビューを寄せて下さったとき、「私には中華後宮ものを書くのは無理、火薬仕込みの砲弾を投石機でぶっぱなすのしか書けない」と仰っていたが、今度は私のほうから文章の順序を入れ替えてお返しししたい、「私には火薬仕込みの砲弾を投石機でぶっぱなすのは無理、中華後宮ものしか書けない」と。自分の持つ、当該時代に関するなけなしの知識も何もかもうっちゃって、「うーん、凄いなあ、楽しいなあ」と、ただひたすら更新を追い続けている評者である。
勇ましさや喝采だけではなく、理不尽や残酷さへの怒りや涙も余すことなく描く、こんな熱い本編に引き付けられ、読者のみなさんのレビューも熱いがそれも道理、完結まで読む楽しみが続くことの嬉しさを噛みしめている。
読ませる力が凄まじい作品です。
中国の歴史に疎い私でも、予備知識なしでがっつり物語の世界に入り浸ることができました。
登場する人物たちは、脇役なぞいない!とばかりに一人ひとりに絶大な存在感があって、そこから生まれる壮絶な人間ドラマはとてつもなく面白く、そんな人間たちの命と命がぶつかり合う戦場はとんでもなく熱いのです!
まさかこんな運命が待っていようとは……と目を閉じて感情のうねりを持て余してみたり、はたまた、あれやこれが全部伏線だったなんて読み返さずにはいられない!と、つよくてニューゲーム感覚で最初のページに戻ってみたり。
中国歴史ものに苦手意識があったのが嘘のように、夢中で読んでいる自分がいました。
歴史好きさんはもちろんのこと、初心者さんでも楽しめるよ!新しいジャンルに飛び込めるのは本当楽しくて楽しくて仕方がないよ!読む大河ドラマみたいだよ!!ということを強く訴えたいのです。
ひとつの章が終わる毎に、人物紹介ページが設けられているところも分かりやすくてありがたかったです。親しみがわくザックリとした紹介文もついていて、厚みのある本編とのギャップがまた楽しかったりもします。
何より私は、気迫のこもった筆致と、作品全体に満ち溢れるエネルギーが大好きです。一点の曇りもないその力強さと繊細さに、読んでいて何度も鳥肌が立ちました。
この全身に迫る強烈な臨場感を、ぜひ皆様にも体感していただきたいです。オススメです!!
時は南宋時代。中国大陸の中心地の要衝、襄陽を狙って北から五十万の金軍が攻め込んで来た。
迎え撃つは宋精鋭の正規軍……かと思いきや、なんと寄せ集めの襄陽在住の地方兵三千人。
果たして襄陽軍は、北から迫りくる金軍を防ぐ事ができるのか!
主人公格は2人。
まずは大河の南の襄陽軍の1卒、趙萬年。襄陽軍の中核を成す趙家軍を勝利に導くため、個性的な仲間と共に戦いに身を投じます。
そして大河の北の金軍の1将、道僧。自らの立場や戦いの意義に悩みながらも、決着を求めて行動を起こします。
この絶望的な戦いの決着やいかに。
そして、未だ自らが何者かも定まっていない2人の若者が、否も応もなく「戦場」という舞台に立たされて辿り着く結末やいかに。
戦場・先頭をテーマにしたお話ですが、描かれているのは「個」からの視点。
両陣営の人物たちが、何を考え、何を求めて行動するのか。
その心情や出来事がダイナミックに、そして、繊細に語られます。
中国史が舞台のお話で有名な物と言えば、「三国志」。
このお話の舞台となる襄陽の場所は、三国志で劉備が「髀肉の嘆」の故事の元になった出来事を経験したあたり。
曹操に追われ、劉表の元へと敗走し、いよいよこれから諸葛亮に出会う事になるあの辺りです。
そして、もうひとつは「水滸伝」。
個性豊かな将たちが、大騒ぎをしながら梁山泊に結集し、戦いを繰り広げていくお話。
本作は、どちらかといえば三国志よりも水滸伝寄り。「軍」というよりは、「個」にフォーカスした戦記物です。
上記の歴史モノがお好きな方であれば、ぜひ。
とはいえ、歴史モノが苦手な方でもご安心を。
本作の魅力的なキャラクターたちが、それぞれの立場に従って起こすアクションとその結果。
それを見ているだけで、存分に楽しめるお話です。
つまりは、「いいから読め。人物名が漢字なのが苦手とかいってないで読め。慣れる頃には超面白いから」って作品です。
ぜひぜひご一読を。
圧倒的戦力差の守城戦を舞台に、魅力的な登場人物たちが戦場を駆け、その背景には相克するふたつの民族、そして国がある。否応なしに引きつけられてしまうこれらの要素を、熟練した文章が物語に紡いでいるのですから、おもしろくない訳がありません。
そして、魅力に満ちたこの作品が、「襄陽守城録」という実際の戦場の記録がベースになっていることにも、触れないわけには参りません。防衛側の一方的な記録を、これほどまでに豊かな色彩をもって、攻守双方の視点の物語に織りなおしてしまう作者さまの手腕に驚きながら、新しいエピソードを心待ちにしています。
大河沿いの城郭都市で、ふたつの軍勢が、人々の思いが、交錯してぶつかりあい、火花を散らす。一大スペクタクルの世界にどっぷりと浸かってみませんか。
様々な氏族が群雄割拠する宋の時代。
地形や戦略にまつわることや、各氏族の勢力や文化など、丁寧に分かりやすく書かれており、歴史に詳しくなくてもすんなりと物語に入っていくことができます。
何より素晴らしいのは、「人間」の姿が活き活きと描かれていること。
主人公の趙萬年は18歳のイケメン。
彼は兄と慕う趙淳(精悍な顔立ちの熱い男)や趙淏(シュッとした感じの美形)と共に、宋国の領土を守る戦いに参加しています。
まだまだ若さが目立つ趙萬年は、割といつも突っ走り気味。主人公らしい熱い心と行動力を持ち合わせた人物です。
一方で、弟分の王才に体格で劣っていることをちょっと引け目に感じていたり(これ重要な尊みポイント)、
仲間になった旅翠(すごい美人でめちゃ強い)が気になるのに素直になれなかったり、
それまで敵対していた茶族と共闘することをうまく割り切れずに葛藤したりと、ちょっと可愛らしいところもある男子なのです。
今後の戦いで彼がどのように成長し、どんな活躍を見せるのかが、この作品の一つの注目ポイントではないでしょうか。
また、宋国と対立する金国側のお話も同時進行で語られており、それぞれの思惑や人間関係を両側から見られるのも非常に興味深いです。
金国側も、実直な人柄の道僧(イケメン)やその幼馴染の多保真と徳寿の姉弟(すごい美形)、そして老獪かつラスボスみ溢れる撒速(たぶん渋い感じのおじさま)など、魅力的な登場人物がいっぱいで要注目です。
なお、私の推しは趙淳です。
これから徐々に緊迫した戦況へ向かっていくと思われる本作。固唾を呑んで見守りたいと思います。