この戦は大河の一滴――されど、血より濃い一滴!!

史実の籠城戦を元にした異世界ファンタジー? というか中華ファンタジー!!

物語は宋の時代。襄陽軍と金軍の戦い。キャッチコピーにある通り「籠城軍わずか一万、敵が号するは五十万!」という絶望的な戦いである。しかし、劣勢を強いられる襄陽軍はあの手この手で金軍を追い払い、必死の抵抗を続ける。

二つの視点から描かれ、その中で生まれる人間ドラマが本作の見どころなのだが、この物語で僕が一番注目したのは各軍の女性たちのドラマだ。

襄陽軍には大柄で男勝りな、旅翠。
金軍には許嫁の隣に立つお嬢様、多保真。

二人の女性が戦に関わり、男たちと関わりながら、戦の悲惨や厳しさを描いている。そして、三人目の女性の登場も、読者に新しい驚きを齎してくれる。この戦が最終章でどのような帰結を見るのか、それを最後まで見届けたい。

(個人的には、道僧にはいい加減に覚醒しろと言いたい! あと撒速様が一番好きです。御大将の活躍はまだですか? 見れるのですか?)

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