男も女もカッコいい、その生き様に酔いしれる

わずか1万の兵が立てこもる城塞都市を50万の軍勢が取り囲む……

スケールは大きいながらも、限定された舞台設定。
その中に現れる様々な人物のひとりひとりに、雄大な歴史の流れに連なる太いバックボーンがあり、それが現れては過ぎる。その流れに身を委ねるかのような感覚を覚える作品です。

一見とっつきにくく難しそうに見えて、読み始めると止まらない魅力。一言一句に歴史の重みと情報量が込められているかのような分厚さが、出来のいい音楽のように何層ものアンサンブルもなって奏でられる、まさに叙事詩。

その上、作者さんのキャラクターに対する愛情が迸るかのように、とにかく人物がかっこいいのです。
彼らが立ち回り、会話し、そして躍動する姿をひたすら見ていたいと思わせるような魅力に溢れています。


まだ途中までですが、この雄大で、そして生々しく美しい人の息吹を感じる物語を、しっかりと追いかけていきたいと思います。

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