生きるために食べて、食べるために戦う

グルメ小説? 間違いない!
ただそこに、舌を痺れさすケミカル要素を忘れてはならない。

おもわず生唾を飲み込むような描写の、暖かい湯気のたつ料理とは裏腹に主人公たちの世界は冷え冷えとしている。
灰の降る街で秘密にしなくてはならないこと。
明日もわからない命。

そのことを悲観するのではなく、彼らは様々な思いを持って箸を、あるいはスプーンを、時には素手で目の前の料理を口に運んでいく。
私のおすすめは17番の話ですね。みんな読んで。

生きていくために食べるのだ。
それがちょっと苦くても。

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