看板に偽りなし!

確かにSFであり、確かに『わくわくグルメ』です。
毎回登場する食べ物、食事のシーンの描写が丁寧で濃厚で、飯テロ小説としての側面もある。
けれどポップなタイトルと読みやすく分かりやすい文体にどんどん引き込まれていくうちに、いつの間にか目の前に突きつけられた刃にハッとさせられる。
その時にはもう、戻れないくらい掴まれてしまっていることでしょう。

生きること、食べること。
主人公であるトシヤとミィを通して、私たちが日頃当たり前に感じているこれらのことを改めて考えさせてくれる作品です。
月並みな言い方ですが、笑いあり涙ありのエンターテインメント、読んできっと損はさせません。
SFとあまり接点がない?グルメものには興味がない?
そんな勿体ないこと言わずに、さぁ、灰の街に降り立ってみませんか?

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