〈さ行〉
さ
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。
●左(さ)
左翼手の事。詳しくはコチラ(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884251383
●サークルチェンジアップ(サークルチェンジ)
下方向~斜め下方向に曲がる変化球。チェンジアップの1種。
「OKボール」とも呼ばれ、OKサイン(サークル)を作るような握り方をする。
「チェンジアップ」については、下記URLのエピソードで解説。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198639
●サード→三塁手
●サードベース→三塁
●サイクルヒット(サイクル安打)(the cycle/hit(ting) for the cycle)
1人のバッターが1試合で「シングルヒット」「ツーベースヒット」「スリーベースヒット」「ホームラン」の全てを打つ事。
最も難しいと言われるのはスリーベース。「スリーベースヒットが出ればサイクルヒット達成!」は珍しくないが、そこからスリーベースが出るのは稀な事。多くの選手が「あとスリーベースが出ればな……」とサイクルヒット達成を逃して来た。
※パワー低めで走力高めの選手に限定すれば、スリーベースよりホームランの方が難しいかもしれない。しかし、全体的にはスリーベースの方が圧倒的に難しい。
「シングル→ツーベース→スリーベース→ホームラン」の順で打つサイクルヒットは「ナチュラルサイクル」と呼ばれ、これと逆の順だと「リバースサイクル」や「アンナチュラルサイクル」になる。
野球で最も難しい記録の1つであり、プロ野球ではノーヒットノーランよりサイクルヒットの方が達成数が少ない。メジャーリーグではノーヒッター(失点した試合を含む)よりサイクルヒットの方が多い。プロ野球でもメジャーリーグでも、完全試合となるとサイクルヒットより圧倒的に少ない。
しかし、ノーヒッターは1試合で最大2組しか達成できないが、サイクルヒットは両チームの全員に可能性がある。もちろん理論上の話であるが、スタメンだけでも1試合に18人が達成可能。それでも、サイクルヒットはノーヒッターと同じくらいしか達成されていない。
日本人メジャーリーガーとしては、大谷翔平が初めてサイクルヒットを達成。これが現地2019年6月13日の事で、翌日、ジェイク・バウアーズが達成した。2日続けてサイクルヒットが生まれたのは、1912年以来107年振りだった。
●サイクルホームラン(home run cycle)
1人のバッターが1試合で「ソロホームラン」「2ランホームラン」「3ランホームラン」「満塁ホームラン」の全てを打つ事。
プロ野球やメジャーリーグでは達成されていない……はず。達成の難しさは、完全試合をも遥かに超える。達成されたら奇跡。
(完全試合は、日米合わせて40回くらい達成されている)
サイクルホームラン達成は、バッターにとって最も名誉ある記録かもしれない。
●サイドハンド
サイドスローの事。もしくは、サイドスローのピッチャーの事。
●サイ・ヤング
500以上の勝ち星を積み重ねた史上最多勝ピッチャー。「サイ」は愛称で「サイクロン」の事。サイクロンのような豪速球を武器とした。
●サイ・ヤング賞
メジャーリーグにおいて、そのシーズンで最も活躍した投手に贈られる賞。各リーグから1人ずつ選ばれる。
沢村賞が先発投手限定の賞であるのに対し、サイ・ヤング賞はリリーフ投手も受賞対象となる。
(ただし、近年の受賞者は先発ばかり)
●最優秀新人選手賞(=ルーキー・オブ・ザ・イヤー・アワード)
メジャーリーグの新人王(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)に与えられる賞の事。
最初の新人王に選ばれたジャッキー・ロビンソン(近代メジャーリーグ史上初の黒人選手)にちなんで「ジャッキー・ロビンソン賞」とも言う。
メジャーでの打席数・登板数・在籍日数が少なった選手であれば、メジャー1年目の選手ではなくても受賞の可能性がある。
「プロ野球から移籍した選手は新人として扱っていいのか」という議論は度々生じている。
今のところ、プロ野球から移籍した選手も新人として扱われている。これまで、以下の4人が受賞した。
・野茂英雄(投手/ナショナルリーグ/1995)
・佐々木主浩(投手/アメリカンリーグ/2000)
・イチロー(外野手/アメリカンリーグ/2001)
・大谷翔平(投手&指名打者/アメリカンリーグ/2018)
●最優秀中継ぎ投手
シーズンで最多のホールドポイントを獲得した選手の事。
(ホールドポイントはプロ野球独自の成績で、メジャーリーグには存在しない)
「ホールドポイント」については、下記URLのエピソードで解説。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198676
●サイレン
甲子園大会では、試合の開始時・終了時にサイレンが鳴る。8月15日は、試合を一時中断して正午にもサイレンが鳴る。
●サイレントトリートメント
メジャーリーグの習慣の1つであり、メジャー初ホームランを打った選手を祝福する方法。
(必ずやる訳じゃない)
ホームランを打った選手がベンチに戻って来た時、普通は盛り上がってハイタッチをしたりする。
しかし、サイレントトリートメントはサイレント状態で選手を迎える。
ベンチが静かなので、ホームランを打った選手は「あれ? みなさん、どうしたんすか? なんだか静かっすね。僕、ホームラン打ったんすけど。初ホームランだったんすけど……(しょんぼり)」みたいな顔をする事も多い。
そこから少し放置した後に「お前、やったじゃねーか!」「初ホームランおめでとう!」と騒ぎ始める。
●サイン盗み(サインを盗む)
相手のサインから作戦や球種などを見抜く事。サイン色紙を泥棒する事ではない。英語では「sign-stealing」と言う。
サインが単純だと簡単に見抜かれるので、実行前に作戦がバレてしまう。二塁ランナーがいる時にキャッチャーが出すサインが複雑になるのは、サインを盗まれるのを防ぐため。
球種が分かれば、二塁ランナーが盗塁するかどうかの判断が変わる。遅いボールなら盗塁しやすくなり、速いボールだと盗塁しにくくなるからである。
仮にサインを解読しても、ランナーやベースコーチがバッターに情報を伝える(合図を出す)のは禁止されている。キャッチャーの位置(バッター寄りとか低めに構えているとか)を伝えるのもダメ。
※サインの解読自体は頭脳プレーのようなものでルール違反ではない。また、二塁ランナーがサインを解読したとして、ベンチに戻ってから仲間内で共有するのも問題無い。ただし、相手が使うサインはこまめに変えると思われる。
2019年の11月、アストロズが2017年(この年にワールドチャンピオンになっている)から2018年にサイン盗みをしていたと告発され、MLBが調査を開始。年が明け、監督のヒンチとGMのルーナウ(ルーノウ)が1年間の職務停止となり、これを受けてチームは2人を解任。
アストロズのサイン盗みは「キャッチャーが出すサインを撮影→ベンチ裏のモニターにリアルタイムで映像を表示→映像を見てサインを解読→球種によってはゴミ箱を叩いて(蹴って)バッターに伝える」という方法だったらしい。
電子機器を用いたサイン盗みは禁止されており、2017年にはレッドソックスが携帯端末を用いたサイン盗みで処分を受けていた。この処分の後、電子機器を用いたサイン盗みは厳罰化すると公表されていたのだが……。
また、ヒンチとルーナウの解任の直後、レッドソックスが監督のコーラを解任。彼は2017年にベンチコーチとしてアストロズに所属しており、サイン盗みにも関わっていたとされる。
※2018年にはレッドソックスがワールドチャンピオンになったが、この年のレッドソックスもサイン盗みをしていたという疑惑で調査されていた。コーラがMLBから処分を受けるのは確実と見られ、その処分が発表される前に監督解任となった。
更に、メッツは新監督のベルトラン(2020年から指揮を執るはずだった)を解任。彼は2017年にアストロズに所属(この年に引退)しており、MLBは選手の処分はしないと発表していたが、監督歴0試合での解任となった。
●サインの交換
「次のボールはカーブで」
「イヤ」
「じゃあ、ストレート」
「いいよ」
……のようなやり取りをサインで行う事。サイン色紙を交換する事ではない。
二塁ランナーには、キャッチャーが出すサインが見える。そのため、二塁ランナーがいる時にはサインが複雑になる。
二塁ランナーがいない時は単純。「1」とか「2」とかで終わり。
例えば、ストレートなら「1」である事が多い。人差し指1本を出すだけ。コースを指定する時は、投げて欲しい方向に指を動かすだけだったりする。
キャッチャーのサイン通りに投げると決めている場合を除けば、サインを出すのはキャッチャーでも、サインを決めるのはピッチャーである。
サインの交換が長引くと投球テンポが悪くなるので、ピッチャーとキャッチャーの呼吸が合わないと打たれやすくなったりする。
また、投球テンポが悪いと内野手や外野手が守りにくくなる。
「おいおい、まだ投げな……投げるのかよっ」みたいな感じになるので、投球テンポが悪いと守備のテンポも狂うっぽい。
●サインプレー
サインによって指示されたプレーの事。盗塁やバントなどの攻撃のサインだけでなく、守備のサインプレーもある。
内容が相手にバレないようにサインは複雑になっているので、サインを間違える事もある。
サインプレーに関係する選手が複数の時、誰かがサインを間違えると大変な事態に陥りかねない。
●サウスポー(southpaw)
左投げのピッチャーの事。「サウス」は「南」で「ポー」は「腕」を意味する。
球場の向きの関係で、左ピッチャーの利き腕は南の方を向いていた。それで左ピッチャーは「サウスポー」と呼ばれるようになった……と言われている。
左投げの野手でも利き腕が南に向くだろうが、左投げの野手をサウスポーとは言わない。左バッターもサウスポーとは言わない。
なお、プロのピッチャーは25~30%が左投げ。
※プロ野球選手の利き腕の割合(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054894985193
※メジャーリーガーの利き腕の割合(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054895128054
※同程度の能力を持っているなら、右ピッチャー(多い)よりも左ピッチャー(少ない)の方が重宝される。そのため、左ピッチャーの方が1軍に昇格しやすくなり、2軍のピッチャーと比べると、1軍の方が左ピッチャー率が少し高くなるかもしれない。
「サウスポーは変わり者が多い」とも言われている。
●逆らわないで打つ/逆らわないバッティング
インコースのボールはインコース側に打って(=引っ張って)アウトコースのボールはアウトコース側に打つ(=流す)事。
「逆らわない」とは「コースに逆らわない」という事。「素直なバッティング」とも言う。
●サク超え
ホームランの事。「サク」はフェンスの事。
●ささやき戦術
キャッチャーの戦術の1つ。ささやく(話しかける)事でバッターの集中力を削ぐ戦術。卑怯と言えば卑怯かもしれない。
しかし、集中力が高いバッターには通用しない。また、ささやきが裏目に出てホームランを打たれた例もある。
●差し込まれる
打つ時に振り遅れる事。タイミングがずれており、自分が打ちたいポイント(ここで打つと力がボールに伝わりやすい)よりも後ろ(キャッチャー側)で打つ事になってしまうので、ボールが上手く飛ばない。
●刺す
野球で「ランナーを刺す」と言えば、それは「送球でアウトにする」という意味である。
キャッチャーの送球で盗塁したランナーをアウトにしたり、外野手のバックホームでランナーをアウトにした時などに「刺した」と言う。
※ランナーを刃物で刺してはいけません。
なお、野球には「刺殺」というものもある。こちらについては後述。
●サスペンデッドゲーム(=一時停止試合)(suspended game)
何らかの事情で試合が続けられなくなった時に、別の日に中断された場面から再開する事にして、一時中断となる試合の事。
コールドゲームの場合は「試合終了」もしくは「試合不成立」となるが、サスペンデッドゲームは「中断」するだけ。
(ただし、日程などの都合でサスペンデッドゲームがコールドゲームになる事も)
●誘い出す/出される
スタートを切ったランナーを牽制(からの送球やタッチ)でアウトにする/される事。誘い出すのはピッチャーで、誘い出されるのはランナー。
例えば、ランナーが一塁にいるとする。
「ピッチャーはバッターの方に投げる」と思ったランナーがスタートした時に、バッターの方に投げていないピッチャーが一塁に牽制。
ランナーはファーストやセカンドに挟まれ、タッチされるとアウトになる。
●誘う
空振りを誘う事。そのようなボールを「誘い球」と言う。
●左中間
レフトとセンターの間の事。英語では「left-center」や「left-center field」と言う。
●捌く
「(上手く)打つ」や「(上手く)捕る」という意味で使われる表現。
「インコースのボールを捌く」なら「インコースのボールを打つ」という意味。
「打球を捌く」なら「打球を捕る」という意味。
●サブウェイシリーズ
インターリーグの対戦カードの1つで、ニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツの対戦。
この名前は、両チームの本拠地に地下鉄(サブウェイ)で行ける事に由来する。
(どちらの球場も近くに駅がある)
●サポーター
肘や膝などに着用する物。筋肉や関節を固定したり(どれくらいの強度で固定するかは物による)保温性を高める事で動きをサポートする。
テーピングと同じような効果を得られ、テープを巻く(巻いてもらう)よりもサポーターを着ける方がラクチン。
(素人がテーピングすると失敗しやすい)
「膝にサポーターを~」ではなく「膝に白い物を~」のように、相撲の世界では「白い物」という表現がよく使われる。
明確な規定は無いようだが、白系の色(白や白に近いベージュなど)のサポーターが使われている。黒いサポーターを使った横綱が注意されたという例も。
●侍ジャパン
野球の日本代表の事。
●左右→「野球における前後左右/インフィールドフライ補足/ヘッドスライディングについて」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198756
●左翼(レフト)
野球のグラウンドにおいて、4つの塁で囲まれているエリア(及びその周辺)の事を「内野」と呼び、その後ろを「外野」と言う。
ホームベース側から外野を見た時、左から順に「レフト(左翼)」「センター(中堅)」「ライト(右翼)」と言う。
●左翼手(レフト)(LF/Left Fielder)
レフトで守備をする外野手。詳しくはコチラ(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884251383
●サヨナラ(サヨナラゲーム)
後攻チームが9回以降に勝ち越すor逆転する事。
1点でも先攻チームを上回れば勝ちなので、ホームランを除けば、決勝のランナーがホームに生還した時点で試合終了。もちろん、攻撃も終了。
「サヨナラになったから攻撃終了で試合終了だけど、攻撃が続いていたら何点入っていたかのは分からん」みたいな意味で「X(エックス)」が記入される。
3点入ってサヨナラなら、サヨナラになった攻撃の得点は「3X」と表記される。
メジャーリーグでは、サヨナラを決めた選手にスポーツドリンクなどをかける風習がある。
(プロ野球で同様の事をする場合は、メジャーリーグに比べると規模が小さいかも)
ベンチには大きなジャグ(飲み物を入れておく道具。蛇口付きの樽みたいな感じ)が置いてあるので、基本的に、これの中身を選手にぶっかける。
ペットボトルの中身をかけたり、ガム(噛んでるのじゃなく包装された状態の)を投げつけたりもする。
「サヨナラ」は、英語では「walk off」と言う。
「さようなら」を意味する「Good Bye」「See You Later」「See Ya」などは、ホームランが入る時に使う。
「行ったー!」とか「入ったー!」みたいな意味になる。
「See You Later」は「See! You!! Later!!!」って言う事が多い気がする。
●沢村栄治(さわむら・えいじ)
プロ野球の歴史に名を残す伝説の投手。太平洋戦争で戦死。彼の背番号である14は永久欠番となっている。
当時を知る人の証言や現存する映像などを元にすると、速球は160キロ近いスピードが出ていた……らしい。
この数字の信憑性は置いとくとしても、当時としては異例な速さのボールを投げていたのは確かだろう。
また、彼のストレートは浮き上がるように見えたとか。
(おそらく、回転数が多い。回転数が多いストレートは浮き上がるように見える)
ストレート以外の持ち球には、大きく曲がるドロップがある。3回曲がるように見える事から「三段ドロップ」と呼ばれた。
(普通のドロップ(と言うか普通の変化球)は1回しか曲がらない)
実際に何回曲がったのかは別として、3回曲がるように見える以上、普通のドロップとは一線を画すものだったのだろう。
●沢村賞(沢村栄治賞)
プロ野球において、そのシーズンで最も活躍した先発投手に贈られる賞。各リーグから1人ずつではなく、プロ野球全体から1人だけ選ばれる。
●左腕(さわん)
左ピッチャーの事。
●三
三塁手の事。詳しくはコチラ(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884251383
●三角トレード
3チームの間で行われるトレードの事。
普通の1対1のトレードだと「Aチームのa選手」と「Bチームのb選手」をトレード。a選手がBチームに行き、b選手がAチームに行く。
「Aチームのa選手」「Bチームのb選手」「Cチームのc選手」を三角トレードすると、こんな感じになる。
・a選手:AチームからBチームに移籍
・b選手:BチームからCチームに移籍
・c選手:CチームからAチームに移籍
「Aチームのa選手」と「Dチームのd選手」をトレードした上で「Aチームのd選手」「Bチームのb選手」「Cチームのc選手」を三角トレードすると、4つのチームが絡んだトレードになる。
BチームがEチーム&Fチームと三角トレードでf選手を獲得していて「Aチームのd選手」「Bチームのf選手」「Cチームのc選手」「Gチームのg選手」を四角トレードすると……かなり複雑なトレードになる。
ここまでは1対1のトレードで考えていたが、1対多のトレードも多い。主力選手を放出するチームは、将来有望な若手数人を獲得する例が多い。
メジャーリーグには30チームあるので、理論上は、30チームが絡んだ大規模なトレードもあり得る。理論上は、三十角トレードもあり得る。
●参稼報酬
年俸の事。「参加報酬」ではない。
●参稼報酬調停
球団が提示した年俸と選手が求める年俸とに隔たりがあった時、調停委員に年俸についての調停をするよう求める事が出来る。一般的には「年俸調停」や単に「調停」とだけ言うが、より専門的には「参稼報酬調停」と言う。
※参稼報酬は年俸の事。
プロ野球の場合は両者の提示額の中間付近の額とする事も多いが、メジャーリーグの場合はどちらか一方の額が選ばれる。
メジャーリーグでは、MLS(アクティブロースター(メジャーの試合に出場登録される25人。2020年からは26人)に登録された期間)が3年分(516日)まで行った選手は年俸調停権を得る。
※2年目の選手でも、特定の条件を満たして「スーパー2」となれば調停権を得る。それ以外では3年経つまでは調停権なしなので、新人王を獲るような選手でも最低保証額(6500万~7000万くらい)に近い額しか貰えなかったりする。メジャーリーガーの年俸は、3年経つと一気に跳ね上がる傾向がある。
調停申請は結構な数に上るが、申請後に球団と選手が話し合って妥協点を見出すケースが多い。そのため、実際に調停まで行くケースはそれほど多くはない。これを「調停回避」と言ったりする。
調停の時期がキャンプの時期と重なるので選手としても調停は避けたく、調停の場で球団から選手への罵詈雑言もあるらしい……。そういう経験をした選手は契約期間終了後に移籍する事も多い。
●三冠王(=トリプルクラウン)
「打率」「ホームラン」「打点」の3部門で同時にトップになった選手(首位打者+ホームラン王+打点王)の事。
二冠王ならば珍しくはないが、三冠王は滅多に現れない。「ホームランと打点の二冠は達成したけど、打率が……」というパターンは多い気がする。
※投手の三冠は「最多勝」「最優秀防御率」「最多奪三振」の3つ。ただ「三冠」とだけ言う時は、打撃の三冠(=三冠王)を指す事が多い。
基本的に、三冠王になれるのはホームランバッターである。
(ホームランが少なかった時代には4本で三冠王になった人もいる)
ホームランが多ければ、その分、打点も多く稼げる。そのため、ホームラン王になれれば打点王にもなりやすい。大ざっぱな説明をすると、高い打率を残せるホームランバッターが三冠王になる。
プロ野球では、8人が計12回の三冠王になっている。ファースト(打撃が得意な選手が守る事が多い)での三冠王が4人(6回)と多い。また、意外とゴールデングラブ賞受賞者が多い。
中島治康(1938年秋季)
プロ野球初の三冠王。シーズンが春季と秋季に分かれていた時代で、38試合でホームラン10本を打った。右打ちの外野手。
野村克也(1965/パ)
戦後初の三冠王。右打ちのキャッチャー。メジャーリーグを含め、キャッチャーでは唯一の三冠王。三冠王とは別の年だが、ダイヤモンドグラブ賞(現在のゴールデングラブ賞)も獲得。通算のヒット数・ホームラン数・打点はプロ野球歴代2位で、メジャーリーグを含めてもキャッチャーとしてはトップの成績となる。
王貞治(1973・74/セ)
外国籍の選手では初(王は中国と日本のハーフで、日本生まれだが国籍は中国)の三冠王。左打ちのファースト。三冠王になった2年を含め、ダイヤモンドグラブ賞を9年連続で獲得している。通算868ホームランの世界のホームラン王。
落合博満(1982・85・86/パ)
メジャーリーグを含めても三冠王3回は落合だけ。右打ち。1回目の三冠王の時はセカンドで、2回目と3回目はサードだった。
ブーマー・ウェルズ(1984/パ)
海外球団から移籍した外国人選手では初の三冠王。右打ちのファースト。三冠王とは別の年だが、ゴールデングラブ賞も獲得。
ランディ・バース(1985・86/セ)
「史上最強の助っ人」と称される外国人選手。左打ちのファースト。落合と同じタイミングで2年連続三冠王になった。2回目の三冠王の年、プロ野球記録となる3割8分9厘をマーク。
松中信彦(2004/パ)
左打ちのファースト。平成では唯一の三冠王(メジャーリーグを含めれば2人)。この年、ゴールデングラブ賞も獲得している。
村上宗隆(2022/セ)
左打ちのサード。令和初の三冠王。落合の28歳を大幅に更新する22歳で史上最年少の三冠王となった。シーズン最終戦で56本目のホームランを放ち、日本選手最多ホームランも更新。ちなみに、松中と村上は熊本県出身。
メジャーリーグでは、15人で17回の三冠王がある。外野手が10人(11回)と多い。
メジャーリーグでもプロ野球でも、ショートの三冠王はいない。1970年代にアメリカンリーグとパ・リーグで指名打者制が導入されたが、指名打者(攻撃専門の選手)の三冠王もいない。
ポール・ハインズ(1878/NL)
メジャーリーグ史上初の三冠王。この年のホームラン数は4。右打ちの外野手。
ティップ・オニール(1887/AA)
アメリカンアソシエーション(現在は存在しない)では唯一の三冠王。右打ちの外野手。
ヒュー・ダフィー(1894/NL)
近代メジャーリーグ以前の選手だが、三冠王になった年の打率4割4分はメジャーリーグ記録。右打ちの外野手。
ナップ・ラジョイ(1901/AL)
近代メジャーリーグ初の三冠王。右打ちのセカンド。この年(アメリカンリーグ発足の年)の打率はアメリカンリーグ記録で、MLB公式サイトによると4割2分1厘だが、野球殿堂では4割2分6厘と紹介されている。
タイ・カッブ (1909/AL)
史上最年少の三冠王。この年のホームラン9本は全てランニングホームランで、普通のホームランを打たずに三冠王となった唯一の選手。同じ年に盗塁王にもなった。後に野球殿堂入り第1号となる。左打ちの外野手。通算打率3割6分7厘はメジャーリーグ記録。
ロジャース・ホーンスビー(1922・25/NL)
メジャーリーグ史上初の三冠王2回。右打ちのセカンド。三冠王とは別の年だが、近代のナショナルリーグ記録となる4割2分4厘を記録。
チャック・クライン(1933/NL)
左打ちの外野手。史上2人目の三冠王+盗塁王。
ジミー・フォックス(1933/AL)
右打ちのファースト。両リーグから三冠王が誕生したのは、メジャーリーグではこの年だけ。
ルー・ゲーリッグ(1934/AL)
史上最年少の殿堂入り選手で、背番号4は史上初の永久欠番となる。左打ちのファースト。
ジョー・メドウィック(1937/NL)
右打ちの外野手。現在、ナショナルリーグでは最後の三冠王。
テッド・ウィリアムズ(1942・47/AL)
左打ちの外野手。三冠王とは別の年だが、打率4割を記録した事がある。「最後の4割打者」と呼ばれている。
ミッキー・マントル(1956/AL)
両打ちの外野手。プロ野球を含め唯一の両打ちの三冠王であり、通算ホームラン数536は両打ちでは最多。
フランク・ロビンソン(1966/AL)
黒人としては初の三冠王。後に黒人初のメジャーリーグ監督となる。右打ちの外野手。メジャーリーグでは現在でも唯一の黒人の三冠王(プロ野球ではブーマーが黒人で三冠王になった)。
カール・ヤストレムスキー(1967/AL)
左打ちの外野手。彼の後は半世紀近く三冠王は現れず、「最後の三冠王」と呼ばれていた。孫のマイクは2019年にメジャーデビュー。
ミゲル・カブレーラ(2012/AL)
45年振りの三冠王。右打ちで、メジャーリーグでは初のサードの三冠王。メジャーリーグでは21世紀初の三冠王であり、プロ野球を含めて唯一の2010年代の三冠王だった。
●三者凡退
ランナーが出ずに凡退3つで3アウトになる事。
※凡退=凡打を打ってベンチに退く事
※凡打=アウトになった打撃の事(バントや犠牲フライを除く)
●三振(K・SO/Strike Out)
バットを振った回数が3回じゃなくても「三振」と言う。
三振にも何パターンかある。それぞれについては、各URLのエピソードで解説。
(「ファールチップ」と「振り逃げ」の項は、どちらも「ふ」のエピソードにある)
・空振り三振
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198589
・見逃し三振
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054889215354
・スリーバント失敗→スリーバント
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198626
・ファールチップ&振り逃げ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198671
・K
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054893169273
●三振ゲッツー(三振ダブルプレー)
「バッターの三振」と「キャッチャーの送球によるランナーアウト」で一気に2つのアウトが成立する事。
●三盗
三塁に盗塁する事。盗塁3つの事ではない。
三塁はキャッチャーから近いため、送球で刺されやすくなる。つまり、三盗を成功させるのは難しい。
●3番最強説
最強バッター(従来なら4番に入るようなバッター)を3番に入れる事。また、そのような打線の事。
詳しくは「~番最強説」の項で解説。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198667
●三本間(さんほんかん)
三塁とホームの間の事。
●三遊間(さんゆうかん)
サードの定位置とショートの定位置の間の事。
メジャーリーグでは極端な右寄りの守備をする事も多いので、三遊間に1人しかいないのも珍しくない。
●三塁(=サードベース)
塁は4つあり、1つだけ五角形なのが「本塁(=ホームベース)」。これは右打席と左打席の間に置かれている。
他の3つは四角で、本塁側からグラウンドを見た時に右前方にあるのが「一塁(=ファーストベース)」。正面にあるのが「二塁(=セカンドベース)」で、左前方にあるのが「三塁(=サードベース)」になる。
ランナーは元々はバッター(代走で出た選手は別)であり、ランナーは「打席→一塁→二塁→三塁→本塁」と進む。3アウトになるまでに本塁まで進めれば点が入る。
●残塁(LOB/Left on Base)
攻撃終了時に、ランナーがホーム生還もせずアウトにもならずで塁に残る事。
攻撃時、各選手は「アウトになる」か「ホームに生還する」か「残塁する」のいずれかになる。
(サヨナラの場合は例外)
2アウトでランナーが一塁と二塁にいて、サードゴロでバッターがアウト(これで3アウト)になったとする。一塁ランナーと二塁ランナーが残塁したので、残塁は2(=2者残塁)になる。
球場によっては、スコアボードに「LOB」もしくは「L」として残塁数が表示される。
●三塁手(サード)(3B/Third Baseman)
三塁の近くで守備をする内野手。詳しくはコチラ(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884251383
●三塁線
「ホームベースから一塁方向(=ライトポール方向)と三塁方向(=レフトポール方向)に伸びている線」の事を「ファールライン」と呼ぶ。
ファールラインの「ホームベースから三塁までの部分」は「三塁線」と呼ばれる。
「三塁線付近一帯」も「三塁線」と言う。
●三塁打(=スリーベースヒット)(3B/Triple)
フェアの打球が地面・ベース・フェンスなどに当たり、バッターがアウトにならずに一塁に到達出来るとヒットとなる。また、ホームラン(フェアの打球がフェンスを越える)もヒットの一種である。
ただし、バッターが一塁に到達する前に他のランナーがアウトになった場合など、バッターが一塁に進んでもヒットが記録されない事もある。守備側のミスで一塁セーフになった場合にも、ヒットが記録されない事がある。
※地面などに当たる前に捕られたら、その時点でバッターアウト。また、ファウルボールではヒットにならない。
バッターが何塁まで行ったかでヒットは4種類に分けられる。
・一塁まで行った→シングルヒット(=単打)
・二塁まで行った→ツーベースヒット(=二塁打)
・三塁まで行った→スリーベースヒット(=三塁打)
・本塁まで行った→ホームラン(=本塁打)
ツーベース以上は「長打」と言う。長打かどうかは、打球の飛距離ではなく、バッターが何塁まで行ったかで決まる。
シングルヒットの時には「~安」と書く事も多い。「左安」なら「レフトへのヒット」という意味。
長打は「~二」「~三」「~本」と書く事も多い。「右二」なら「ライトへのツーベース」で、「中本(ナカモトじゃないよ)」なら「センターへのホームラン」という意味。
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