〈は行〉
は
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。
●パ
「パ・リーグ」こと「パシフィックリーグ」の事。DHあり。
●パークファクター
野球のフィールドは、塁と塁の間の距離などは決まっているので、内野の大きさは一定である。
しかし、外野やファールゾーンは、球場によって大きさが異なる。
フェンスの高さもバラバラで、フェンスが高い球場もあれば低い球場もある。メジャーリーグでは、外野フェンスが歪な形になっている球場も多くある。
また、天然芝だったり人工芝だったり、屋内だったり屋外だったりする。
球場によって「ホームランが出やすい/出にくい」「得点が入りやすい/入りにくい」「右バッター有利/左バッター有利」などの違いがあり、その違いを生む要因があると考えられる。
「球場(パーク)が持つ要因(ファクター)」で「パークファクター」なのだが、パークファクターは数字で表される。基準値は1。
例えば、ホームランのパークファクターが1だったら、その球場の「ホームランの出やすさ」は平均という事になる。
これが1.5であれば、ホームランの出やすさが平均の1.5倍。
0.5なら、ホームランの出やすさが平均の半分なので、ホームランが出にくい球場という事になる。
●ハード~
「速い」という意味で「ハード」を使う事がある。
「ハードシンカー」は「速いシンカー(高速シンカー)」の事。
「ハードヒット」は「(時速95マイル(≒153キロ)以上の)速い打球」の事。
●ハーフウェイ(ハーフウェー)
塁と塁の間の事。特に、塁間の中ほどの事。
ハーフウェイにいるランナーは、打球次第で戻るか進むかを選択する。例えば、フライが捕球されたなら、ランナーはハーフウェイから引き返して元の塁に戻る。捕球されなかったら先の塁に向かう。
●パーフェクトゲーム(=完全試合)
先発ピッチャーが最初から最後まで投げ切る事を「完投」と言う。
無失点で完投する事は「完封(=シャットアウト)」と呼ばれる。「零封」と表現される事もある。
ヒットを打たれずに完封する事は「ノーヒットノーラン」「ノーヒッター」「ノーノー」「無安打無失点(無得点)試合」「無安打完封」などと呼ばれる。
何人かのピッチャーがリレーしてノーヒットノーランをやったら「継投によるノーヒットノーラン」と言われる。
ランナーを1人も出さなかった(フォアボールとかもなかった)ノーヒットノーランは「完全試合(=パーフェクトゲーム)」と呼ばれる。
●パーフェクトリリーフ
中継ぎ登板(=リリーフ)して、ランナーを1人も出さない事。
●ハーフスイング
スイングを途中で止める事。または、そのようなスイングの事。振ったと判定されればストライクで、振っていないと判定されればボール。
「振った/振っていない」は「回った/回っていない」とも表現される。
ハーフスイングの時は、一塁や三塁の塁審に判定を求められる事が多い。スイングをしたかは、球審よりも一塁や三塁の塁審の方が見やすいためである。
右バッターの時は一塁の塁審に、左バッターの時は三塁の塁審に判定を求める。
ピッチャーやキャッチャーが「塁審を指差す」「人差し指をクルクル回す」などのジェスチャーをするのは、ハーフスイングの判定を塁審にしてもらうため。
「今のは振ったでしょ? ストライクだよね?」という意味である。
塁審に判定をしてもらうのは、判定がストライクじゃなかった時に限られる。
(ストライクの時は、判定に不満はないはずなので、わざわざ塁審に判定してもらう必要がない)
塁審による判定を求められた球審は、塁審に判定を委ねる事になる。
ただし、塁審による判定を要請出来るのはキャッチャーと監督だけ。実は、ピッチャーには要請する権利はない。
(ピッチャーが要請したらキャッチャーも要請するはずだけど)
球審がハーフスイングをストライク(=バットが回った)と判定した時は、バッターが塁審による判定を要請する事は出来ない。
塁審による判定を求めるのは、守備側の権利であって、攻撃側の権利ではないのである。
「ハーフスイングの時は塁審に聞いてよー。塁審がスイングと判定したなら諦めるからさー」と思うのがバッターの心情だろう。
(「ハーフスイングはボールにしてよー」が本音かも)
そのため、球審にハーフスイングをスイングと判定されたら、バッターと球審の間に遺恨が残る……かもしれない。
実際、ハーフスイングの判定で口論になって退場するケースもある。
●パーム(パームボール)
おおむね下方向に落ちる変化球。「パーム(palm)」は「掌」の事で、この名前は握り方や投げ方に由来する。
ボールを掴む指は親指と小指(と薬指)で、他の指は伸ばしておく。掌で包む感じで持ち、掌で押し出すような投げ方をする。掌底っぽい?
このような投げ方なので、球速は出ない。また、握り方も投げ方も特殊なので、パームの使い手はかなり少ない。
●ハーラー(ハーラーダービー)
ピッチャーの最多勝争いの事。
「ハーラートップ」なら「(現時点で)最多勝」という意味。ハーラートップのピッチャーが1人なら「ハーラー単独トップ」と言う。
●配球
「どこにどのボールを投げるか」を考える事。キャッチャーによる配球は「リード」とも言う。
「どこにどのボールを投げたか」を示したものは「配球図」や「配球チャート」などと呼ばれる。
「どこに投げたか」あるいは「どのボールを投げたか」だけを図表で示す事もある。
●敗戦投手(負け投手)(L/Losing pitcher)
「この投手が失点したから負けた」と見なされる投手の事。負けたチームの1人が負け投手になる。
「敗け投手」「敗北投手」「負けピッチャー」でも意味は通じると思うが、これらの言い方はあまりしない。
詳しくは「勝ち投手と負け投手について」で解説。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054886142033
●背走
野手が打球に背を向けながら走る事。守っていた位置よりも後ろに打球が飛んだ時の追い方。
基本的な打球の捕り方は、打球に体の正面を向ける。打球の進行方向が「→」だとすると、野手の進行方向は「←」になる。
背走の時は、打球の方向が「→」であるのに対して野手も「→」になる。打球が見えにくいので、背走しながらの捕球(背走キャッチ)はかなり難しい。
※向きを変える余裕があるなら、打球に正対した方が無難。打球を正面に見る事が出来る分、捕球の確実性が増す。
●ハイタッチ
ホームランを打った時など、いろんな場面でハイタッチする。あまりにも豪快にハイタッチしたせいで肩を脱臼した例も……。
(利き腕を守るために、ピッチャーは利き腕じゃない方でハイタッチする事も多い)
「ハイタッチ」は和製英語で、英語圏では「high five」と言う。
●ハイボールヒッター
高めのボールを打つのが得意(好き)なバッターの事。
低めのボールを打つのが得意(好き)なバッターの事は「ローボールヒッター」と言う。高めのボールと比べて、低めのボールはヒットになりにくいとされる。
●背面キャッチ
打球に背を向ける形で捕球する事。内野手や外野手の場合、利き手側斜め上をライナーが抜けそうな時、ジャンプして背面キャッチをする事がある。
※利き手側にグローブを出そうとすると、最終的には背を向ける形になる。
ピッチャーの場合、ピッチャーライナーを背面キャッチで捕る事がある。投げた後の体勢で背中の後ろを打球が抜けそうな時、グローブを出して捕る感じ。
捕った本人が驚いたりするので、ピッチャーライナー背面キャッチは偶然のものが多いのかもしれない。
●背面キャッチ(特殊)
打球は体の前で捕るのが基本だが、背面キャッチ(特殊)は、グローブを背中側に回す。そこから打球(フライ)を背中の後ろで捕る。
自分の頭を越えて視界から消えるボールを捕るので、打球の軌道を正確に把握する必要もあれば、自分が思い描いた位置に正確にグローブを出す必要もある。
そんなに簡単に出来る事ではなく、試合で披露する機会は滅多にない。
ただし、試合でも有用な場面はある。犠牲フライになりそうな時、普通に捕ると見せかけておいて背面キャッチ(特殊)をする事で、ランナーを騙す事も可能……かもしれない。
※野手がボールに触る前にランナーがスタートしていたら、犠牲フライが成立しなくなる事がある。
(アピールプレーなので、アピールがなければ成立する)
●入り球
初球(=その打席における1球目)の事。どちらかと言うと、ピッチャー視点の言葉になる。
1球目がボール球だと「ボールから入る」と言ったり、1球目がスライダーだったなら「スライダーから入る」と言ったりする。これらの「入る」は「始める」に近い意味。
ボールゾーンからストライクゾーンに入って行く時にも「ボールから入る」と言う事があるが、それは「ボールゾーンから入る」という物理的な意味。
●パインタール
野球では、滑り止めとして松ヤニが使われている。ロジンバッグの中身(の一部)にもなっている。
メジャーリーガーが使う白っぽい色(木の色)のバットの一部が黒くなっているのは、そこに松ヤニを塗っているからだと思う。
(黒いバットでも、目立たないだけで塗られている事が多い)
※バッターが危険に晒される恐れがあるため、松ヤニを塗ったボールを投球に使う事は禁止されている。
●生え抜き
プロ入りした時から同じ球団に所属している選手の事。または、1軍やメジャーリーグに上がった時からは同じ球団に所属している選手の事。
●拍手
いいプレーがあった時だけではなく、ケガの治療からプレーに復帰した選手に対しても拍手が贈られる。股間にボールが当たって悶絶していたキャッチャーが立ち上がった時などにも拍手が起きる。
メジャーリーグの観客は、スタンディングオベーションをする事が多い。日米の文化の違いか、日本ではさほどスタンディングオベーションしない。
ほとんどの観客がホームチームのファンという事もあり、観客が一斉に立ち上がって手を叩き始める。
(大抵、誰かが「みんな立ち上がろうぜ」というジェスチャーをする)
ホーム側が守備の時は、終盤の2アウト(特に2ストライク)でスタンディングオベーションが起こる事が多い。拍手で盛り立てる感じ。
(多分、三振を期待している)
●薄暮
屋外球場ではフライが見にくい時間帯であり、フライを見失う選手が増える。ピッチャーにとっては、キャッチャーのサインが少し見にくくなる事も。
●パ高セ低
パ・リーグが強くてセ・リーグが弱い事。
両者の最大の違いはDH制の有無である。
(パ・リーグではDHあり、セ・リーグではDHなし)
近年のパ高セ低は、DH制があるパ・リーグでピッチャーもバッターも育っている事が要因……かもしれない。
DHありだと、ピッチャーは1番から9番まで野手との対戦になる。
(DHなしだと、ピッチャーに代打を出さない限り、1人はピッチャーになる)
高い実力を持っているピッチャーじゃないと、パ・リーグで活躍するのは難しいという事になる。バッターの方は、そういうピッチャーから打てないといけない。
結果、ピッチャーとバッターが切磋琢磨するような状況になっている……のかもしれない。
なお、2000~18年の19年間でセ・リーグのチームが日本一になったのは、00・01・02・07・09・12年の6回だけである。00~02年は3年連続でセが優勝したが、03年以降の優勝は16回中3回のみ。
※同じ期間において、ア・リーグ(指名打者あり)は10回優勝、ナ・リーグ(指名打者なし)は9回優勝。03年以降では8回ずつ優勝で完全に半々。
※日本シリーズの結果(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892281823
※ワールドシリーズの結果(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892281927
●走り打ち
打席で1~2歩走り始めながら打つ打撃方法。当てるのが難しくなる上に飛距離も出にくくなるが、通常よりも走り始めるのが早い分、当たれば内野安打になりやすくなる。ただし、打席から完全に出た状態で打ったら「反則打球」でアウト。
●走れる~
キャッチャーやファーストは足が遅い選手が多く、足が速ければ「走れるキャッチャー」のように言われる。サードも遅めの選手が比較的多い。
守備が重視されるポジションの選手でありながら打撃が良い選手を「打てるショート」のように言う。ピッチャー・キャッチャー・セカンド・ショートなどに使う。
ファーストなどは打撃が重視されるので、あまり「打てるファースト」とは言わない。守備が良ければ「守れるファースト」とは言われる。
●バスケットキャッチ
グローブの手の平側を(ほぼ)真上に向けて、お腹や腰の辺りで捕球する事。
フライや高く跳ねた打球を捕る方法の1つで、普通のゴロやライナーをバスケットキャッチする事はまずない。
(バスケットキャッチで捕る方が難しい)
●バスター
バントと見せかけてヒッティング(=バットを振る打撃)に切り替える事。ヒッティングと見せかけてバントに切り替えるセーフティーバントとは逆。
バスターは、バントの構えで相手の守備を前に誘い出し、空いたスペースに打球を飛ばす作戦(奇襲のようなもの)である。
バントの構えからヒッティングに移行するので、バッターは「打つ準備を(ほぼ)していない状態」から打たなくてはならない。普通に打つよりも当てるのが難しくなり、飛距離も出にくい。
バントをすると思わせないといけないので、ランナーがいない時や2アウトの時などの「バントをしない場面」では、バスターは基本的にない。バントをしない場面でのバスターは、普通のバスターではなく、バスター打法と言うバッティングフォームによるもの……だと思う。
バスターは日本風の言い方で、英語では「slug bunt」や「slash bunt」と言う。バスターの由来は「bastard」らしいので、メカ的なバスター(buster)は関係無さそう。
●バスターエンドラン→バントエンドラン
●バスター打法
ランナーの有無やアウトカウントに関係なく、常にバスターをする打法の事。
(作戦によっては、バスターをすると見せかけてバントをする事もある)
スイングの動作を最小限にする(コンパクトなスイングをする)事で、ボールを見る時間を長くする事が出来る。
……とは言っても、バスターが苦手な選手の場合、まともな打撃成績を残す事は出来ない。
バスターが得意な選手であれば、ボールを見極めるのに適したフォームかもしれない。ただし、飛距離は出にくいので、ホームランを打つのには適していないかも。
●バスター打法(亜種)
右手と左手を離してバットを構えておき、テイクバック(=キャッチャー側に腕を引く動作)の時もしくは振る時に両手をくっつけるバッティングフォームの事。
※「バスター打法(亜種)」という名称は私が便宜上付けたもので、野球界で何と呼ばれているのかは知らないです。ごめんなさい。
※似たバッティングフォームに「天秤打法(亜種)」があります。下記URLのエピソードで解説中。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054889208441
バスターやバスター打法は、バントの構えをして立つ。ピッチャーから見ると、バットは「ー」のように横になっている事が多い。
バントの構えだと、ピッチャー側(キャッチャーから遠い位置)にバットがあるので、テイクバックはしにくくなる。
一方、バスター打法(亜種)はテイクバックしやすい位置でバットを構える。
(バスター打法(亜種)は奇襲が目的ではないため、バスターほど「バントするぜ」感を出す必要がない)
バスター打法(亜種)は、両手を離して構える他は、普通のバッティングフォームとあまり変わらない。飛距離も普通のバッティングフォームと変わらない。
●パスボール(=捕逸)
投球を捕り損ねる(後ろに逸らす)ミスの事。和製英語であり、英語だと「Passed Ball」になる。
●ハズレの1位
プロ野球のドラフトにおいて、同じ選手を複数の球団が1位指名した場合、クジ引きになる。この時にアタリを引いた球団が、その選手を1位指名出来る。
ハズレを引いた球団は、別の選手を1位指名する事に。これがハズレの1位。
もし、ハズレの1位指名でも競合が発生した場合、またクジ引き。ここでもハズレを引いたら、今度はハズレのハズレの1位を指名する。
もしも「12球団が同じ人を指名→クジ引き→11球団が同じ人を指名→クジ引き→10球団が(中略)→2球団が同じ人を指名→クジ引き→最後までハズレを引き続けた球団が指名」となると、最後の2球団は11回クジ引きをする事になる。
メジャーリーグでは、1球団ずつ順番に指名して行くので競合しない。クジ引きもしない。
詳しくはコチラ(↓)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884291126
●初~
初ヒットや初勝利のように「初~」と言う時は、「1軍で初」や「メジャーリーグで初」という意味。2軍で何本ヒットを打っていても、1軍で初めてなら初ヒットになる。
●~発
ホームランを数える時に使われる事がある単位。普通に「~本」と言う事も多い。
ホームランじゃないヒットを「~発」と数える事は普通はない。
例えば、ある試合の結果が「二塁打/ホームラン/三振/ホームラン」なら「1試合で2発」打っている。
●バックアップ
「悪送球などに対処出来るよう、ボールを捕る(予定の)選手の後方に回り込む事」や「ある野手が捕れなかった打球を他の野手が捕る事」を「バックアップ」と言う。
・前者の例
ショートがファーストに送球するとして、悪送球になったり送球を捕り損ねたりした時のために、キャッチャーがバックアップに行く。
(内野ゴロの時にキャッチャーが一塁の方に走っているのは、バックアップのため)
・後者の例
ファーストの横の打球に対し、ファーストが飛びついたとする。その打球を捕れなかった時に備えて、セカンドがバックアップに行く。
●バックスクリーン
センター後方のフェンスの向こう側一帯の事。
バックスクリーンは、バッターやキャッチャーや球審が投球を見やすいように設置されている。そのため、白いボールとは対照的な黒板のような色になっている。
バックスクリーンはボールを見やすくするためのものなので、その役割を妨げないように、観客席が置かれていない。
(観客がいたら気が散ると思う。旗とか振ったら、もっと気が散ると思う)
アメリカの一部の球場では、バックスクリーンが壁のようになっているので、そもそも観客席を置くスペースがない。
●バックスピン
「ボールの上側」が「進行方向の反対側」に向かう回転の事。日本語だと「逆回転」や「下回転」になる。人間で例えると、後転しながら前(後ろではない)に進む感じ。人間では再現が難しい。
矢印で表すと、こんな感じ(↓)になる。 ※横組み表示でご覧ください
←
ボールの回転 ↓○↑ →→ボールの進行方向→→
→
●バックドア
アウトコースのボールゾーンからストライクゾーンに食い込むボールの事。
特定の球種ではなく、横~斜め下に変化するボールであれば、どれでもバックドアになり得る。
ホームベースを家に見立てた時、バッター側が正面の入り口になる。反対側には裏口がある。
裏口(バックドア)から入るので「バックドア」と言い、正面の入り口(フロントドア)から入るボールは「フロントドア」と言う。
●バックトス
後方へのトスの事。トスなので、あまり遠くへは投げられない。
主に「セカンドからショート」や「ショートからセカンド」にトスする事が多い。
他のポジションだと、トスしたい相手が自分の後ろの方にいる事が少ない。そのため、バックトスをする機会も少なくなる。
バックトスの利点は、捕ったらすぐに投げられる事。「体の向きを変える」という過程を省略する事で、送球するまでの時間を短縮する。
●バックネット
定位置のキャッチャーや球審の後方にあるネットの事。
●バックハンド(=逆シングル)
利き手側に来た打球に対して、グローブをしている手だけで捕りに行く方法。正面で捕る体勢になるための1~2歩を省略出来るので、結果、早く送球に移れる。
メジャーリーグでは、セカンド・サード・ショートがよく逆シングルで捕る。
日本では「正面で捕れ」「逆シングルはダメ」と教えられた選手が多いからか、メジャーリーグと比べると逆シングルで捕る機会はだいぶ少ない。
メジャーリーグでは「送球しないとアウトにならないなら、送球しやすいように逆シングルで捕る」という考え方は一般的な考え方。
(正面で捕ってもアウトに出来る場面なら、わざわざ逆シングルにしないと思う)
一方、プロ野球では「正面で確実に捕るのが大事」と考える。
どちらかと言うと、メジャーリーグの方は「エラーをしてもいいからアウトを狙いに行く」感がある。プロ野球は「エラーをしないのが大事」という感じだと思う。
~おまけ~
かなり大ざっぱですが、逆シングル(のようなもの)を自宅でやってみる方法を書いておきます。
(逆シングルの画像や映像を見た方が分かりやすいとは思いますが……)
逆シングルの前に、逆シングルじゃない捕り方を説明。この捕り方を体験しておいた方が、逆シングルの「逆」感が分かりやすいかと思います。
まず、利き手じゃない方の手をパー(グローブをしているつもり)にして、手の平が前で指先が下になるようにします。この手を両足の間に持って来ると、だいたい基本的な捕り方(正面でゴロを捕る体勢)になります。
※腰などが悪い人は無理をしないでください。イメージするだけで大丈夫です。
次は、グローブをしている(つもりの)手が左手なら左側/右手なら右側に動かしてみてください。手の平は前に向けたままです。すると、親指が上で小指が下になると思います。
逆シングルは、これと逆になります。
グローブをしている(つもりの)手を利き手側に持って行きます。手の平が前を向くようにすると、親指が下で小指が上になっている……でしょうか。なっていない場合は、手の向きを変えて(手首をひねって)調整をお願いします。
これが逆シングル(のようなもの)です。
●バックホーム
内野や外野(ファールゾーンを含む)からホームに送球する事。または、ランナーがホームに向かって走る事。
ホームの後ろ(バックネットとかがある側)からホームに投げる事はバックホームと言わない。
後逸したボールをキャッチャーが取りに行ったとして、そのボールをホームに投げても、それはバックホームとは言わない。
●バックホーム態勢
ホームでランナーをアウトにするのを目的とした守備シフトの事。
主に「内野手が定位置よりも前に出る」「外野手が定位置よりも前に出る」「内野手と外野手の両方が定位置よりも前に出る」という3パターンがある。
●ハッスルプレー
気合を入れたプレーの事。例えば、以下のようなプレー。
・気合を入れて「うおっらぁぁぁっ!」とヘッドスライディング
・気合を入れて「捕ったるわゴラァァァッ!」とダイビングキャッチ
・気合を入れて「フェンス激突上等ォォォッ!」とフェンス際の打球を捕りに行く
※ケガには注意しましょう
●バッセン
バッティングセンターの略称。ゲームセンターをゲーセンって言うような感じ。
●バッタースボックス(バッターズボックス)
バッターが打撃を行う場所。日本では「バッターボックス」と言う事が多い。カタカナ語になる時に「’s」は省略されがち。
( 「Valentine’s Day」が「バレンタインデー」になるようなもの)
日本語では「打者席」と訳されるのだが、この言い方はあまり使われず、省略形の「打席」という言葉がよく使われる。
打席は右打席と左打席があり、ピッチャーから見て右が右打席、左が左打席。
(レフトはピッチャーから見て右後方、ライトはピッチャーから見て左後方になる)
基本的に右打ちのバッターは右打席に、左打ちなら左打席に入る。だが、どちらの打席に入っても良い。途中で打席を変更するのもOK。
バッターが打撃を行う姿勢を取る時は、両足を打席の内側に入れておく。バットを振った後に足が出るのは大丈夫だが、最初から出ているのはダメ。
●バッターの手元
投球は、ピッチャー側からバッター側に移動する。この投球の軌道の内、バッターに近い部分を「バッターの手元」と言う。
ピッチャー側から見れば「バッターボックスの手前」ぐらい。
「バッターの手元で変化する」という使い方が多いが、これは「バッターの近くまで来てから変化する(変化し始めるのが遅いので打ちにくい)」という意味。
「手元」と言うが「手の近く」とは限らない。胸の高さでも膝の高さでも「バッターの手元」になり得る。
●バッターランナー(=打者走者)
打球が前に飛んだら、バッターは走り出す。この時、バッターは「バッターランナー(=打者走者)」になる。
一塁を超えても、プレーが続いている間は「バッターランナー」や「打者走者」と呼ばれる。
同様に、プレーが続いている間は「一塁ランナー」は「一塁ランナー」のままである。三塁まで行っても「一塁ランナー」である。
●「バッチ来~い!」
「ヘイ、バッター! こっちに打って来な! この俺様が華麗に捕球してやるぜ!」みたいな意味。
「バッチ」は「バッター」あるいは「バッティング」の意味である。「バッチリ」とか「バッチシ」とかじゃない。
守備をしている人間が使う言葉なので、バッターがピッチャーに対して「バッチ来いやぁっ!」とか言うのは変。
●バッティング
打撃の事。
●バッティングアベレージ
打率(=ヒットを打った割合)の事。「アベレージ」とだけ言う事も多い。
●バッティングカウント
ストライクよりもボールが多いカウント(=ボール先行)の事。ただし、フルカウント(=3ボール・2ストライク)を除く。
バッター有利のカウントで空振り出来る余裕もあるので、思い切ってバットを振りに行けたりする。
甘いボールだけを待つ事も出来る。
●バッティンググローブ
打つ時に装着する手袋の事。ボールを捕るのに使うグローブ(グラブ)とは別物。
日本では両手に着ける事が多いが、メジャーリーグでは素手でバットを持つ選手も多くいる。
(素手の選手は日本にはあまりいないと思う)
上の方の手(右打ちなら右手)の親指に、衝撃を和らげるアイテム(バットと指の間でクッションの役割を果たす)を装着するメジャーリーガーも多い。
手袋1枚の差は意外と大きいらしく、素手の方が細かいバットコントロールが出来ると言う人もいる。
素手でバットを持つ時は、手汗でビッチョビチョだと滑りやすくなる。逆にカッサカサでも滑りやすい。程良く湿り気がある状態がいいので、土を触ったりツバを手にペッてしたりして湿り気を調整する。
●バッティングコーチ(打撃コーチ)
主に打撃の指導をするコーチの事。英語では「Hitting Coach」と言うのが一般的かもしれない。
ピッチングコーチは「投球コーチ」ではなく「投手コーチ」と言い、バッティングコーチは「打者コーチ」ではなく「打撃コーチ」と言う。
●バッティングピッチャー(打撃投手)
打撃練習の際にボールを投げる人の事。コーチが務める事もあるが、打撃投手として在籍する人もいる。
プロのピッチャーから打撃投手に転向する例も少なくない。チームではなく選手個人に雇われている打撃投手もいる。
日本とアメリカでは、打撃投手の投げ方(特に足の上げ方)が大きく違う。
そのため、メジャーリーグに移籍した日本人野手は、打撃練習でカルチャーショックを受けるとか。
(アメリカから日本に来た人もカルチャーショックを受けるだろうけど)
●バッテリー
ピッチャーとキャッチャーの事。電池の事ではない。
元々はピッチャーだけの事を言ったようだが、現在では「ピッチャーとキャッチャーの2人」の事を言う。
ピッチャーとキャッチャーにも相性があるので、相性がいいバッテリーもあれば、その逆もある。
「このピッチャーが先発の時は、このキャッチャーを先発出場させる」というのも珍しくない。
バッテリーを組むキャッチャーが違うだけで、ピッチャーの成績に大きな差があったりする。
(バッテリーは「組む」と言う。「コンビを組む」みたいなもの)
相性がいいバッテリーは「黄金バッテリー」と呼ばれたりする。
●バッテリーコーチ
キャッチャー出身者が務めるコーチで、主にキャッチャーを指導する。捕球・送球といった基本的な守備の他、リード(配球)の指導も重要。いいキャッチャーが育てば失点が減る。
●バッテリーミス
バッテリーのミスの事。つまりはピッチャーやキャッチャーのミスの事。
・ワイルドピッチ(=暴投):キャッチャーが捕れない所にボールを投げるミス
・パスボール(=捕逸):投球を捕り損ねる(後ろに逸らす)ミス
●バット
男子野球の場合、高校生までは金属バットを使い、大学生以上だと木製バットを使う事になる。
(高校生が木製バットを使ってもOK)
一般的に、金属バットの方がヒットを打ちやすい。金属バットの方が「芯」が広い(大きい)からである。
※「芯」で打つとボールがよく飛ぶ。「スイートスポット」という言い方もある。
(材質や形状によって微妙に位置が異なるが、先端寄りにある)
金属バットは芯が広いので、適当に打ってもヒットになりやすい。
一方、木製バットの芯は「面」ではなく「点」である。点(芯)で点(ボール)を捉えるのは難しいので、木製バットはヒットが出にくくなる。
高卒でプロに入った野手は、木製バットに適応する必要がある。プロ入りを目指す高校球児は、木製バットで打撃練習をする事も。
なお、芯の位置はバットを叩くと簡単に分かる。
バットを持った状態で、バットをボールか何かで叩く。すると、バットを持つ手に伝わる振動(と言うか衝撃?)が弱い箇所があるはず。振動が弱い所が芯である。
芯を外して打った打球は、フライやゴロでアウトになりやすい。
(「意図的に芯を外して打ち、野手と野手の間にボールを落とす」という極意も存在する)
バットの先端部分(=ヘッド)で打つ事を「引っかける」と言い、手に近い所(=根元)で打つ事を「詰まらせる」と言う。
根元は細いので、ここで打つとバットが折れやすい。
手で握る部分は「グリップ」と呼ばれ、グリップの下の膨らんだ部分は「グリップエンド」と呼ばれる。最近は、特殊な形のグリップエンドも増えている。
●バットウェイト
バットに装着する重りの事で、基本的に筒状かリング状。リング状の物は「バットリング」とも言う。
ストレッチのためだったりルーティーンだったりと選手によって理由は違うだろうが、ネクストバッターズサークルで重りを付けたバットを振っている選手も多い。重りを使う代わりに、マスコットバット(普通のバットより重い)を使ったりバットを2本使ったりする選手もいる。
重い物を振ってから普通のバットを振ると速く振れる感じがするのかもしれない……が、逆にスイングスピードが低下するというデータもある。
●ハットトリック
サッカーでは、1人の選手が1試合で3得点を挙げる事。これから転じて、野球では、1人のバッターが1試合で3三振をする事。
サッカーのハットトリックは名誉な事だが、野球のハットトリックは不名誉な事である。
なお、1試合4三振は「ソンブレロ」と言う。
(ソンブレロはメキシコの帽子。普通の帽子(ハット)よりも大きい)
●バットボーイ/ガール
打撃を終えたバッターの代わりにバットを回収する人の事。ボールボーイ/ガールが兼任する事も多い。メジャーリーグだと、背番号の代わりに「BB」と書いてあったりする。
●バッドボールヒッター
ボール球(ストライクかボールか微妙な球ではなく明らかなボール球)を打つ事を「悪球(あっきゅう)打ち」と言う。そういう打撃が多い選手の事は「バッドボールヒッター」と言う。
日本では「ボール球には手を出すな」という教えが一般的であり、悪球打ちはあまり推奨されない。
海外(特に中南米)では「ボール球だろうと打てる球なら打って行け」という考えが割と普通なようで、悪球打ちがそれほど悪いものとされていない。
●バットフリップ
バット投げの事。特に、ホームランを打った時にバッターが豪快にバットを放り投げる事。
メジャーリーグでは相手への侮辱に当たるとされ、かなりの高確率で乱闘に繋がっている。「バットを投げる」「報復のデッドボール」「乱闘」がセットになっているようなもの。
●バットマン
バッターの事。特に、優れた成績を残したバッターの事。アメリカのコウモリの人の事ではない。
●バッピ(バッピー)
「バッティングピッチャー」の略。
●母の日
アメリカや日本では、5月の第2日曜日が母の日になる。
メジャーリーグでは、母の日にピンクの物を身に着ける習慣がある。これは、ピンクリボン運動(乳がん撲滅を目指す運動)が由来。
※プロ野球でも取り入れられ始めたが、まだ探り探りな部分があり、メジャーリーグほどピンク一色とはなっていない。
母の日には、ユニフォームやリストバンドなどにピンクリボンのマークが描かれ、母の日仕様となる。
チームや選手によって多少異なるが、主に以下のような物がピンクになる。
・ボールの縫い目やロゴ ・ユニフォームのロゴや背番号 ・帽子 ・ソックス
・バット ・バッティンググローブ ・リストバンド ・スパイク
・バッターやキャッチャーの防具 ・球審のマスク
これらの母の日仕様の道具類はチャリティーオークションにかけられ、売り上げ金が乳がん撲滅のために寄付される。
●浜風
甲子園球場名物(?)の海風の事。ライト側からレフト側に吹く。
影響を受けやすいのは高く上がった打球で、風に流されて野手が捕り損ねたりもする。甲子園大会では、多くの高校球児を悩ませる。プロ野球選手でも悩まされる。
甲子園大会では、浜風に流された打球が勝負を決める事もしばしば。甲子園の魔物は風属性なのかもしれない。
(真面目な話、甲子園の魔物の正体の1つは風。他はプレッシャーとか)
ライトからレフトに強い風が吹く関係で、ライト方向へのホームラン性の打球が風に押し戻されやすい。
左バッターは、引っ張ってもホームランになりにくい(逆風になる)ので、流し打ちして風に乗せた方がホームランになりやすいとも言われる。
もっとも、逆方向に強い打球を打つ事(難しい)が前提なので、浜風が吹いている時は左バッターはホームランを打ちにくい事に。
右バッターならホームランを打ちやすいかと言うと、右バッターでも打ちにくい球場になっている。
レフトに引っ張ると、風に流されてファールになりやすい。ライトに流すと、ただでさえ流し打ちで距離が出にくいのに、風に押されて外野フライになりやすい。
まとめ:浜風の影響で甲子園球場はホームランが出にくい
●ハマスタ
横浜スタジアムの略称。
●速いピッチャー
ボールが速いピッチャーの事。足が速いピッチャーの事ではない。
(ボールも足も速いピッチャーもたまにいる)
●早打ち
早いカウント(1球目とか2球目とか)から打つ事。
ヒットになれば「積極的なバッティング」と言えるが、アウトになれば「拙攻」と言われかねない。
(1~2球でアウトを取れるとピッチャーとしては楽)
●バレルゾーン(バレル)
スタットキャストの導入により、メジャーリーグではデータ分析が進んでいる。バレルゾーンも、データ分析から発見されたものである。
スタットキャストによって得られるデータの内、バレルゾーンに関係するのは「打球の初速」と「打球角度」の2つ。
「ホームランになりやすい速度」と「ホームランになりやすい角度」を兼ね揃えている打球がバレルゾーンに属する打球になる。
つまりは、バレルゾーンに属する打球を打てればホームランになりやすい。
もう少し詳しい説明は、下記URLにて。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054885456131
●パワーカーブ
速いカーブの事。フワッと落ちる感じではなく、加速しながらギュンッと落ちる感じのカーブ。
「スパイクカーブ」「ハードカーブ」「高速カーブ」などとも呼ばれる。
※ナックルカーブをスパイクカーブと言う事もある。
●パワーシンカー
スピードがあるシンカーの事。「ハードシンカー」「高速シンカー」などとも呼ばれる。
「(シンカー気味の)ツーシーム」や「シンキングファストボール」がパワーシンカーと呼ばれる事もある。
●パワーヒッター
パワーがあるバッターの事。特に、ホームランを量産出来る選手の事。
●パワーピッチャー
速い速球(日本語的には変な感じだけど)を中心に投げるピッチャーの事。日本語だと「速球派(の投手)」と言う。
普通は「速球=スピードがあるボール」ではないのだが、ここでは「速球=スピードがあるボール」と考えていい。
どれくらいで「スピードがある」かは、日本だと150キロくらいが目安。アメリカだと95マイル(≒153キロ)くらいが目安になる。
「速球が最速で150キロ/95マイル」ではなく「速球が常時150キロ/95マイル」でないと速球派にはならない気がするが……。
「球速に関係なく速球を投げる割合が多ければ速球派」という意見もある。
※公式用語ではなく俗語なので、使う人によって意味が変わるのは仕方ない。
●~バン
「~バウンド」の略。「ノーバウンド→ノーバン」「ワンバウンド→ワンバン」「ショートバウンド→ショーバン」など。
●ハンク・アーロン
メジャーリーグの歴史に名を残す偉大なホームランバッター。黒人選手であり、彼が活躍した時代は黒人差別が非常に強かった。
ホームラン755本はベーブ・ルースを越えた数字で、王貞治に抜かれるまで世界記録だった。メジャーリーグにおいては、バリー・ボンズに抜かれるまで30年以上1位であった。
(なお、ルースも王もボンズも左打ち。アーロンは右打ち)
30盗塁以上した年もあり、その年はトリプルスリー(3割30本30盗塁)を達成している。と言うか、3割40本30盗塁を達成している。
2300近い打点を記録しており、こちらはメジャーリーグ1位である。
●ハンク・アーロン賞
メジャーリーグの賞の1つで、優れた打撃成績を残した選手に与えられる。各リーグから1人ずつ選ばれる。
●バンザイ
フライを捕ろうとして手を上げたのに、ボールがグローブにかすりもせずに地面に落ちる事。バンザイしたような姿勢で「あれ? ボールは?」ってなる。
グローブに1度入ったのをポトリと落とすのではなく、目測を誤った事でフライを捕り損ねる。
野球初心者にはフライの捕球が難しいため、バンザイしやすい。打球の落下点を予測するには、ある程度の経験が必要になる。
●~番最強説
日本では、最強バッターを4番に入れるのが最強の打線だとする「4番最強説」が主流。
近年のメジャーリーグでは「3番最強説」や「2番最強説」が流行り。もはや主流になっている。
(ホームランを40~50本くらい打つ人が2番バッターに入ってたりする)
これまでの野球は「1番が出塁→2番がランナーを進めてチャンスを拡大→クリーンアップ(3~5番)で点を取る」というのが基本的な形だった。
従来の2番バッターは、1番(強い)とクリーンアップ(強い)に挟まれた脇役的存在で、得点のためのお膳立てをするような立場にあった。日本では、送りバントをするのが典型的な役割だった。
アメリカで「2番に強打者を置いた方が得点力がアップする」というデータが出たため、自分で点を取るタイプのバッターが2番に入るようになった。イメージとしては、クリーンアップが「3~5番」から「2~4番」に移ったような感じ。
特に、アメリカンリーグ(DH有り)で2番に強打者を置く傾向が強い。ナショナルリーグはピッチャーが打順(基本的に9番)に入る関係か、アメリカンリーグほど2番最強感は無く、従来のように4番に強打者を入れる事が多い。
※最近のメジャーリーグでは、2番が強くなった反動か、5番が若干弱くなった気がしないでもない。2番最強説は、遅くとも2015年には始まっており、2016年には確立していたと思う。2016年のオールスターでは、両チームともリーグ屈指の強打者を2番で先発出場させた。
2番最強説は「2番が強ければ1・3・4番が弱くてもいい」という事ではないので、強いバッターが少ない時は1・3・4に置いた方が戦いやすいと思う。
●反則打球
投球を打った時、打席から片足でも完全に出た状態だったらバッターがアウトになる事。つまり、バッターは打席内に両足がある状態で打たないといけない。
●反則投球
ピッチャーは、ボールに汚れや傷を付ける行為を禁じられている。そのような行為は反則行為(反則投球)であり、ボールが宣告される。
(悪質な場合には退場処分になる事も)
●反対方向(=逆方向)
バッターが立っている打席の逆側の事。右バッターにとっては一塁・ライト方向の事であり、左バッターにとっては三塁・レフト方向の事である。
逆方向に打つ事を「流す/流し打ち」と言う。「おっつける/おっつけ」と言う事もある。
逆方向の逆方向(=打席がある側)に打つ事は「引っ張る/引っ張り」と言い、引っ張り主体のバッターは「プルヒッター」と呼ばれる。
逆方向に打った打球は距離が出にくいため、逆方向にホームランを打つのは難しくなる。逆方向にホームランを打てるなら、それは長所と言える。
●パンチ力(りょく)
ボールを飛ばすパワーの事。ボクシング的な意味のパンチ力ではない。
(乱闘でパンチする選手もいるけど……)
●バント(bunt)
バットを振ってボールを打つのが「ヒッティング」で、バットを振らずに打つ(バットを出して当てる)のが「バント」になる。
基本的に、バントをする時はバットをほぼ水平に寝かせる。ゴロを転がしたい(フライを上げるとランナーを進められない)ので、バットの下側(地面側)にボールが当たるようにする。
バントの構えをしてバットを引かないとストライクになる。バントの構えで「今のボールはストライクゾーンから外れてたからボールだよ」と言っても、バントが空振りした状態なのでストライクになる。
また、2ストライクからバントをしてファールになった場合、スリーバント失敗で三振になる。
(ファールフライになって捕られた時は三振ではなくフライアウト)
バントには以下のような種類がある。
・送りバント(犠牲バント・犠打):ランナーを進めるためのバント。日本では、ただ「バント」とだけ言う時は送りバントを指す事が多い。日本のお家芸的な存在であり、メジャーリーグではあまり送りバントをしない。ランナーが走るのと同時にやると「バントエンドラン」になる。
・プッシュバント:ボールを打つ時にバットで押し出すようなバント。普通のバントはバットを引く事で弱い打球を打つのだが、プッシュバントは強い打球を打つためのバント。相手の守備位置から「強い打球なら抜けるかも」と判断した時などにやる。相手がバントシフトで前進している時にも有効。
・スクイズ:三塁ランナーをホームに進めて点を取るためのバント。三塁ランナーが居ないと出来ない。三塁ランナーが走るのと同時にやる(エンドランになる)のが普通なので、「スクイズエンドラン」という言い方はあまりしない。
・セーフティーバント:バッターがセーフになるためのバント。ヒッティングすると見せかけてバントをし、内野手の意表を突く。三塁ランナーが居る時にやるとセーフティースクイズになる。
・バスター:セーフティーバントとは逆に、バントすると見せかけてヒッティングをする。バントしないので厳密にはバントではない。
・スリーバント:2ストライクからバントをする事。バントの試みが2ストライクからの1回だけでもスリーバント。ファールゾーンに転がったらスリーバント失敗(三振)でアウトになってしまう。
●バントエンドラン
「バッターが打つ」と「ランナーが走る」を同時に仕掛ける作戦の事を「ヒットエンドラン」や「エンドラン」と言う。「アンドラン」とは言わない気がする。
ヒッティングの代わりにバントをすれば「バントエンドラン」になり、バスターをすれば「バスターエンドラン」になる。
エンドランが成功すれば、ランナーはより先の塁へ行ける確率が高まる。つまり、得点の可能性が高まる。しかし、バッターがライナーを打つと、ライナーゲッツーになる危険性がある。最悪の場合、1人トリプルプレーを喫する事も。
※「ライナーゲッツー」は「バッターがライナーでアウト→送球してランナーもアウト」となる事。
そのため、バッターはゴロ性の打球を打たないといけない。また、空振りでもダメ。盗塁失敗のような形になって、ランナーが消える恐れがあるからである。
(空振り→キャッチャーが送球→ランナーにタッチでランナーアウト)
ランナーのスタートを見てから打つ(もしくは空振りをする)事は「ランエンドヒット」と言う。
※空振りをするのは、キャッチャーが送球しにくい状況を作るため。ただし、空振りしたバットがキャッチャーに当たったら、ランナーは元の塁に戻されてしまう。
エンドランは「打つ」と「走る」が同時だが、ランエンドヒットの方は「走る」の次に「打つ(振る)」がある感じ。
前者の場合は、サインの見逃しなどがなければ、ランナーが走る事をバッターも知っている。
後者の場合は、ランナーが自分の判断で走る事もあるので、バッターが「え? 走るの?」となる事も。「狙っていたのではなく、結果的にランエンドヒットになっただけ」というケースも多い。
●バントヒット
バントをしてヒットになったヒットの事。セーフティーバントなどがバントヒットになりやすい。
●ハンドリング
守備でのグローブ(グラブ)の扱いの事。「グラブ捌き」とも言う。打球はグローブで捕るのが基本であり、上手くグローブを扱える選手ほど守備も上手くなる。
●ハンバーガーリーグ
マイナーリーグ(日本風に言うと2軍以下)の通称。
「マイナーの選手は給料が安くてハンバーガーばっかり食べている」という意味で、案外誇張表現でもなく、ハンバーガーばっかり食べてるとか。
(ホットドッグ派が増えたら「ホットドッグリーグ」と呼ばれるようになるかも?)
栄養があるのを食べて体を作った方がいいような気もするが……。マイナーリーグでは、あまり食事のサポートをしてくれないっぽい。
※プロ野球では、若手の2軍選手は寮に入るのが普通。食事に困る事はまずない。むしろ、しっかり食べるのが推奨されるくらいだと思う。
メジャーの主力選手がケガなどでマイナーで調整をした場合、マイナーの選手に食事をおごる習慣があるとか。流石に、おごるのはハンバーガーやホットドッグではないと思う。
ハンバーガーを食べてハングリー精神を養ってメジャー昇格を果たした選手は、メジャーとマイナーの格差が大きいため、今度は「もうマイナーには戻りたくない」という思いが強くなるらしい。
「メジャーリーガーは豪華にステーキばっかり食べている」という意味で、メジャーリーグの方は「ステーキリーグ」と呼ばれる。
メジャーリーグでは、クラブハウスにも食事を用意してくれるっぽい。「これを持って帰って家族と食べなよ!」と包んだりもしてくれるっぽい。酷い時はリンゴ1個しか支給されないというマイナーとは雲泥の差である。
●反発係数
物体Aと物体Bが衝突した時の(以下略)
野球においては、ボールとバットがぶつかった時(打球が飛んだ時)のボールの飛びやすさを示す。一般的に「飛ぶボール」「飛ばないボール」と呼ばれる。
反発係数を調べるには専用の機器が必要になるが、どっちのボールが飛びやすいかは、同じ高さから自由落下させれば分かる……事がある。
(飛ぶボールの方が高く跳ね上がる)
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