勝ち投手と負け投手について
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
※長い説明が必要ない方は、最後の「●まとめ」の部分まで進んでください。
●勝ち投手(勝利投手)とは
「この投手のおかげで勝った」と見なされる投手の事。勝ったチームの1人が勝ち投手になる。
「勝ちピッチャー」でも意味は通じると思うが、この言い方はあまりしない。
先発投手に勝ちが付く事は「先発勝利」と言い、リリーフ(救援投手)に勝ちが付く事は「救援勝利」と言って区別する事がある。
通常、先発勝利には5イニング以上投げる必要がある。
※雨などで試合が中止になった場合は4イニング以上。3イニングまでしか投げられないオールスターの場合はイニング数関係なし。
※特定の条件を満たせば、勝ったチームの最後の投手にセーブが付く。セーブと勝ちは別物であり、勝ち投手にセーブが付く事はない。
●負け投手(敗戦投手)とは
「この投手が失点したから負けた」と見なされる投手の事。負けたチームの1人が負け投手になる。
「敗け投手」「敗北投手」「負けピッチャー」でも意味は通じると思うが、これらの言い方はあまりしない。
●勝ち負けの基本的な考え方
・どちらかのチームがリードした時、その時点で登板している投手が暫定的に勝ち投手になる。
(リードを奪うのは攻撃側なので、攻撃しているチームの投手)
・リードを許した投手(勝ち越しのランナーを出していた投手)が暫定的に負け投手になる。
※ランナーが生還した時、そのランナーを出塁させた投手に自責点が付く。野手のエラーなどが絡んだ失点であれば、自責点にならない事もある。
・同点になった時点で暫定的な勝ち/負けが消える。
(同点になった時点で降板していた投手は、勝ち投手にも負け投手にもならない)
・どちらかのチームがリードしたら、また暫定的な勝ち/負けが決まる。
・暫定的な勝ち投手は、その後もチームがリードしたままなら勝ち投手になれる。
・暫定的な負け投手は、その後も同点or逆転にならないままだと負け投手になる。
※暫定的な勝ち投手になる事を「勝ち投手の権利を得る」と言う。先発投手は、5イニング以上投げてリードしていたら勝ち投手の権利を得る。
※投球イニングが少ないリリーフの場合、勝ち投手になる条件を満たしていても勝ち投手になれない事がある。
※勝ち投手が誰かは記録を付ける人が決める。
●降板時の得点は関係ない
勝ち投手の権利を持った投手Aが、5対4の時点で降板したとする。
その後、チームが追加点を挙げて6対4になったとする。リードが増え、投手Aは勝ち投手の権利を持ったまま。
今度は、相手のチームが1点追加して6対5になったとする。
投手Aが投げていた時の得点に並ばれたが、チームのリードは保たれているので、勝ち投手の権利を持ったままである。
リードを保ち続けたかどうかを見るので、リードさえ保っていれば、降板時の得点に並ばれても勝ち投手になれる。
また、投手Aが勝ち投手の権利を持っている間は、投手Aの後を投げている投手は勝ち投手になれない。
(前に投げていた投手も勝ち投手になれない)
●10失点で勝ったり1失点で負けたり
例え5回10失点でも、援護点が11以上あれば勝ち投手になり得る。
反対に、9回1失点の好投でも、援護点がないと負け投手になってしまう。
勝ち投手になれるかどうかは、そのチームが点を取れるチームかどうかに左右される部分もある。
また、勝ち投手の権利を持って降板しても、後続の投手が打たれたら勝ちが消えてしまう。
(相手の投手の負けも消えている)
先発投手の能力を見る上で参考にされる指標に「クオリティースタート(6イニング以上投げて自責点が3以下)」がある。
※6回3失点ならクオリティースタートになるが、次の7回も登板して7回4失点になるとクオリティースタートではなくなる。
※クオリティースタートは、勝ったか負けたかは関係ない。
クオリティースタート出来れば、先発の役割を果たしたと言っていい。つまり、クオリティースタートで負けたら打撃陣の責任とも言える。
勝ち・負けは打撃陣の活躍によって付いたり消えたりするものであり、必ずしも投手の実力を表すものではない。
(5回10失点と9回1失点なら、後者の方がいいピッチングをしている)
そのため、勝ち星の数を見るより、クオリティースタートの数を見る方が先発投手の実力を測りやすい事もある。
防御率を見るのも効果的だが、防御率は「9イニング当たりの自責点」を表しており、どれだけ長いイニングを投げたかは分からない。
(クオリティースタートなら、その試合では最低6イニング投げている)
●勝ち星(勝利数)を競うのは先発
勝利数は、投手部門の主な成績の1つ。シーズンで最も多く勝った投手が「最多勝」の栄誉を得る。
最多勝争いをする投手は、基本的に先発投手。リリーフが最多勝投手になった事もあるが、かなりのレアケースである。
リリーフに勝ちが付くパターンは、主に以下の2つ。
・同点の場面or負けている場面で登板した後、降板する前に自チームがリードして勝ち投手になる。
・リードしている場面で登板してリードがなくなった(追い付かれたり逆転された)後、降板する前に自チームがリードして勝ち投手になる。
前者の場合は、運よく勝ち投手になるパターン。
後者の場合は、味方の勝ち投手の権利を消しておいて、自分が勝ち投手になるパターン。
(ランナーがいる場面での登板だったなら、味方の勝ちを消してしまっても仕方ない部分がある)
●1球で勝ち投手になる例
同点の場面or負けている場面で登板し、1球だけ投げて3アウトにする。その直後の攻撃で自チームがリードすれば、1球だけで勝ち投手の権利を得る。
仮にノーアウトでも、ランナーが複数いれば、1球でトリプルプレーを取る事も出来る。
●0球で勝ち投手になる例
牽制などでランナーをアウトにすれば、1球も投げずにアウトを取る事が可能。ノーアウト満塁で登板したら、牽制だけで3アウトの可能性がある。
なお、申告敬遠(投げない敬遠)は0球でランナーを出す事が出来るので、そのランナーを牽制でアウトにする方法も。
※牽制球は投球数にカウントされない。牽制球を何球投げようが、バッターに対して投球しなければ投球数0のまま。
いずれにせよ、同点の場面or負けている場面で登板し、バッターに対して投球せず3アウトにする。その直後の攻撃で自チームがリードすれば、0球で勝ち投手の権利を得る。
0球勝利どころか、理論上は0球でのノーヒットノーラン(ただし申告敬遠で27の出塁を許す)すら可能。相手が牽制で27回もアウトになってくれれば……。
●1球で負け投手になる例
同点の場面orリードしている場面で登板し、1球だけ投げて勝ち越しを許すと負け投手の権利(?)を得る。
分かりやすいのは、勝ち越し(逆転)ホームランを打たれる例。
なお、申告敬遠なら0球でランナーを溜める事が出来るので、ランナーを溜めてから1球で打たせれば負け投手になれる。
申告敬遠で満塁にした後、初球デッドボールで押し出しにする方法もある。
※危険なので、わざと当ててはいけません。
●0球で負け投手になる例
申告敬遠を続けて押し出しにすれば、0球で失点出来る。これを続ければ、0球で負け投手の権利を得る事も可能。
申告敬遠でランナーを出した後、ボークでランナーを進める方法もある。
●まとめ
・リードしたチームで登板している投手が、暫定的に勝ち投手になる。
・リードを許した投手が、暫定的に負け投手になる。
・同点になると、暫定的な勝ち/負けが消える。
・先発投手が勝ち投手になるには、基本的には5イニング以上投げる必要がある。
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