〈その他〉
野球における前後左右/インフィールドフライ補足/ヘッドスライディングについて
※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。
●右・左・前・後ろ
「右/左」と言う時には「一塁・ライト側/三塁・レフト側」という意味で使う事が多い。
「ピッチャーの右に打球が飛んだ」なら「ピッチャーの横の一塁側に打球が飛んだ」という意味になる。ピッチャーの体勢や顔の向きは関係ない。
「ショートの右」は「セカンドの左」である。「ショートの左」は「サードの右」という事になる。
※それぞれが定位置にいる場合
「前/後ろ」は「ホームベース側/外野フェンス側」という意味になる。ただし、キャッチャーの場合は「ホームベース側/バックネット側」になる。
レフトの頭を越えた打球なら、レフトがどっち側を向いているかは関係なく「レフトの後ろに打球が飛んだ」である。
外野フェンスの方に走っていれば「下がる(退がる)」「後退する」と言う。後ろ向きに走っていなくても後退している。
バッターにとっての「前/後ろ」は「フェアゾーン/バックネット側」という意味になる。
「打球が前に飛ばない」は「(ファールは打っていても)フェアゾーンに打球が飛ばない」という意味。
「打球が後ろに飛んだ」は「バックネット側に飛んでファールになった」という意味である。
※バックネット側に飛んだ時は「キャッチャーの後ろ」とは言っても「ピッチャーの前」とは言わない。
各選手の顔や体の向きとは関係なく「右」とか「左」とか「前」とか「後ろ」とか言うのが基本……のはず。多分。
●もしもインフィールドフライがなかったら
インフィールドフライは「アウトが0もしくは1つの時」かつ「ランナーが一塁・二塁もしくは満塁の時」で「内野手が普通に捕れそうなフライが上がった時」に宣告されるものである。
フライを捕られなくても、インフィールドフライが宣告された時点で、バッターはアウトになってしまう。攻撃側が損をするようにも見えるが、実は、攻撃側のためにあるルール。
このルールがなかったら、わざとフライを捕らないだけでダブルプレーやトリプルプレーが成立してしまう。こんな感じ(↓)です。
バッター「ノーアウト満塁か……。よし、ホームランを狙うぜ! と思ったら、フライを打ち上げちまった! 平凡なセカンドフライだ……」
セカンド「これなら、目を閉じていても捕れるぜ。いや、さすがに目を閉じていては無理か。だが、いとも簡単に捕れるフライだな」
バッター「クソッ! ノーアウト満塁が1アウト満塁になっちまう!」
セカンド「──1アウト満塁? 1アウト満塁だと? 貴様はなぜ、そんなに楽観視している?」
バッター「楽観視……だと……?」
セカンド「そう、そうだ。楽観視だ。貴様は、1アウトで済むと思っている。それが楽観視だと言うのだ! もし、この場面で俺がボールを捕らなければ、どうなると思う?」
バッター「何……?」
セカンド「はい、ボールを捕りませんでした。ボールは、見事にフェアゾーンに落ちました。この時点では、まだノーアウトです。ですが……」
バッター「フェアになったという事は、ランナーに進塁の義務が発生する……!」
セカンド「そう、そうだ。ランナーは次の塁に進まなくてはならない!」
三塁ランナー「つまり、一塁ランナーは二塁に、二塁ランナーは三塁に、そして、三塁ランナーである俺はホームに進まなくてはならないという事じゃないかぁっ!」
セカンド「そう、そうだ。だが、もう遅い。遅いのだ! 悲劇の始まりだぜ、ヒャッハー! まずは、ホームに送球!」
キャッチャー「バシィィィッ! 送球をキャッチ!」
三塁ランナー「しまった! これで、俺はアウト──1アウトだ!」
キャッチャー「1アウトだけで終わると思うなよ! 悲劇はまだ続くんだぜ、ヒャッハー! 二塁ランナーが到達していない三塁に送球!」
サード「バシィィィッ! 送球をキャッチ! これで2アウトになったぜ、ヒャッハー!」
三塁ランナー「ダブルプレー……!」
バッター「セカンドフライで1アウト満塁のはずが、あっと言う間に2アウトになってしまったぁぁぁぁっ!」
セカンド「2アウト? 2アウトだと? ククク……。貴様はなぜ、そんなに楽観視している?」
バッター「まさか……!」
セカンド「そう、そうだ。その『まさか』だ!」
バッター「やめろ……! やめてくれ……!! それだけは、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!」
セカンド「バシィィィッ! 送球をキャッチ! ──これで3アウトだぜ、ヒャッハァァァァァァァッ!」
三塁ランナー「トリプルプレー……!!!」
バッター「ノーアウト満塁が……一気に3アウトでチェンジだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!?」
セカンド「そう、そうだ。3アウトでチェンジだ! ザマァ見ろ!」
バッター「バカな! こんな事があっていいのか!? おのれぇっ! 何と卑怯な事をぉぉぉぉっ!」
セカンド「卑怯? 卑怯だと? 俺は今、野球のルールの範囲内でプレーしていたぞ。卑怯と罵られるような事はしていないのだ!」
※インフィールドフライがなかったら
バッター「くっ……! 確かに、今のはルールの範囲内のプレーだったような違うような……!」
三塁ランナー「俺が『一塁ランナーは二塁に、二塁ランナーは三塁に、そして、三塁ランナーである俺はホームに進まなくてはならないという事じゃないかぁっ!』なんて言ってないで早くスタートしていれば……!」
バッター「それは確かにそうだな」
三塁ランナー「フライが上がった時、俺は三塁のすぐ近くにいた。ちなみに、三塁とホームの間にある距離は約27メートルだ。俺は、ホームまで3メートルくらいの所にいるべきだったのか!」
バッター「いや、それは前に出すぎだから。普通にフライ捕られたら、お前は24メートル走って三塁に戻る必要があるから。その前に三塁にボール投げられてランナーアウトだから」
三塁ランナー「クソッ! 俺は、どうすれば良かったんだ!?」
セカンド「──何をしたところで無駄だったのさ」
三塁ランナー「何っ?」
セカンド「ノーアウト満塁で、そこのバッターが平凡なフライを打ち上げた。その瞬間から、トリプルプレーの悲劇は始まっていた! つまり、そこのバッターが悪いのだぁぁぁっ!」
バッター「え? 俺のせいなの?」
セカンド「そう、そうだ。お前が悪いのだ!」
バッター「いや、お前が卑怯なのが悪いんだろうが! この卑怯者め!」
セカンド「卑怯者? 卑怯者だと? 否! 俺は──ずる賢いだけだ!」
バッター「……ずるいのは認めるんだな」
※こういう事にならないように、インフィールドフライが存在する。
●ヘッドスライディングについて
高校球児は、とにかくヘッドスライディングする。もはや、必須技能だと言わんばかりである。
アウトかセーフか微妙なタイミングでヘッドスライディング。明らかにアウトのタイミングでもヘッドスライディング。ヘッスラ祭状態。
しかし、プロ野球やメジャーリーグでは「(一塁に行く時に)ヘッドスライディングをするのは良くない」と考える人が多くいる。
バッターランナーがヘッドスライディングをするのは、基本的にはセーフになるのが目的であるが……。「ヘッドスライディングをするより、駆け抜けた方が早く一塁に到達出来る」選手も多いのである。
このような場合、ヘッドスライディングはセーフになる確率を下げてしまう。
※ヘッドスライディングをした方が早く一塁に到達出来る選手もいる。
※一塁とホームは駆け抜けてもセーフになる。二塁と三塁は、オーバーランしてタッチされるとアウトになる。
仮にヘッドスライディングで一塁セーフになったとしても、送球が逸れて二塁を狙いに行ける状況になった時、ヘッドスライディングをすると起き上がるまでに時間がかかる。
当然ながら、起き上がらないと走れない。これでは、二塁に行くチャンスを潰してしまう。
また、ケガの危険性が高まる。ヘッドスライディングで多いケガは突き指だが、指の靭帯を損傷する事もある。
指先でベースを突くように滑ると、突き指しやすくなるのは当然と言えば当然。壁や床に手を突く時に、指先から行くと突き指しやすくなると思う。同じように、ベースも指先から行くと突き指しやすい。
突き指の防止には「手を立てて手の平でベースに触る」という方法がある。この方法なら突き指のリスクを下げられる。
(ただし、完全にケガを防止出来るとは限らない)
以上のように、ヘッドスライディングはデメリットが多い。しかし、気迫を見せる事でチームの士気を高める効果がある……かもしれない。
でも、駆け抜けた方が速いなら、駆け抜けた方がいいような気もする。
だって、青春は駆け抜けるものだから。←いい事を言ったつもり
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