※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。


※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。




●スイーパー

 ピッチャーの利き腕とは反対側に横に大きく曲がる変化球。「横に大きく曲がる(ほとんど下に落ちない)スライダー」とも「スラーブ(スライダーとカーブの中間のような変化球)の呼び名が変わったもの」とも言われる。箒ではくように横に動くのが名前の由来らしい。



●スイープ(スウィープ/sweep)

 同一カードの連戦を全勝する事を「スイープ(する)」と言い、全敗する事は「スイープされる」と言う。


 メジャーリーグ中継では当たり前に使うが、プロ野球中継ではあまり使わないかもしれない。


「3連戦3連勝」なら、日本風に言うと「3タテ」になる。



「今日も勝ってスイープ(掃除)だ!」という願いを込めて、メジャーリーグのファンはプラカードに箒を描く事が多い。


 反対に、スイープされそうなチームのファンは、プラカードに描いた箒にバツ印を付けて「スイープなんてさせるか!」という願いを込める。


 ファンの中には、本物の箒を持って応援に行く人もいる。



●スイッチ

「スイッチヒッター」の略称。もしくは「選手交代」という意味で使われる言葉。



●スイッチヒッター(=両打ち)

 右打席でも左打席でも打てるバッターの事。バッターによっては、右打ちと左打ちとでフォームが大きく違う。「スイッチバッター」や「両バッター」という言い方はしない。


 基本的に、相手が右ピッチャーなら左打席に入り、左ピッチャーなら右打席に入って打つ。右対左や左対右の対決では、バッターの方が有利とされているためである。


 日本では、スイッチヒッターは足が速い選手が多い。元々は右打ちだった事が多く、足の速さを活かすために、一塁に近い左打席に立つようになったケースが多い。

(野球は左打ちの方が有利とされるので、左打ちから両打ちになる事は少ない)


 左ピッチャーよりも右ピッチャーの方が多いので、スイッチヒッターは左打席に立つ機会が多くなる。また、左打席の方が成績がいい選手が多い。その要因の1つが内野安打の増加で、一塁に近い分、内野安打が増える。


 プロ入り後に両打ちになった選手も大勢いる。「右打ち→両打ち→左打ち」というパターンもある。


 メジャーリーグでは、ベンチ入り人数が少ない事もあり、両打ちの選手(1人で2役)は必須となっている。日本では両打ちの強打者は少ないが、メジャーリーグには何人もいる。また、日本では極めて稀な左投げ両打ちも、メジャーリーグでは珍しくない。


 なお、両打ちで登録していない選手でも、好きな方の打席に立つ事が出来る。1度の打席の間に「右打ち→左打ち→左打ち→右打ち」とかも出来る。



 こんなエピソードもある。


 2016年9月26日(アメリカ時間)の試合、左打ちのディー・ゴードンが最初の1球だけ右打席に立った。その時に被っていたのは、前日に事故で亡くなった親友のホセ・フェルナンデスのヘルメット。2球目からは左打席に入り、2ボールからの3球目をホームランにした。ゴードンにとっては、これがシーズン唯一となるホームランだった。



●スイッチピッチャー(=両投げ投手)

「右でも左でもキャッチボールくらいなら出来る」という選手ならば、それほど珍しくもない。


 近年、体のバランスがどうのこうの歪みがウンタラカンタラという理由で、利き腕ではない方でもキャッチボールをする選手が増えている。しかし、試合でも使えるレベルまでに両投げを体得している選手は少ない。


「少ない」だけで現実に存在し、右手にも左手にも装着可能な特殊なグローブも存在する。普通のグローブは左右非対称だが、両投げ用は左右対称になっている。


 スイッチピッチャーは、相手が右打ちならば右で投げ、左打ちならば左で投げるのが基本となる。一般的に、右対右や左対左の対決では、ピッチャーの方が有利とされているからである。

(右バッターでも右ピッチャーの方が打ちやすいという選手も多いが)


※グローブを手にはめて「こっちの手(グローブをしてない方の手)で投げるよ」というアピールをしないといけない。


 英語では「Ambidextrous Pitcher」と言うのだが、この言い方は日本では広まりにくいと思う。あんびでくすとらぅすぴっちゃー。



 スイッチピッチャーとスイッチヒッターが対戦する際には、ピッチャーの方が先に投げる手を決める。そのバッターとの対戦が終わるまでは投げる手を変更出来ない。ただし、打席の途中で代打が送られた時やケガをした場合などは変更出来る。


 ピッチャーが投げる手を見てから好きな打席を選べるので、バッター側に有利な感じになっている。打席の途中でも、どっちで打つかを変更可能。


 このルールはパット・ベンディティー(パット・ベンディット)の登場で作られたもので、彼の名を取って「ベンディティー(ベンディット)ルール」と呼ばれる。


 このルールが作られる前、ベンディティーはマイナー時代にスイッチヒッターと対戦している。その時に「お前が左で投げるなら右で打つぜ」「そっちが右で打つなら右で投げるよ」「じゃあ左で打つ」「だったら左で投げる」というやり取りで5分くらいかかった。


 現在のルールとは逆に、審判が「バッターがどっちで打つかを先に決めなさい」と言って右対右の勝負で三振になった。

(5分も見てないで、もっと早く審判が決めても良かったんじゃ……)



●スイング

 振り方によって「ダウンスイング」「レベルスイング」「アッパースイング」に分けられる。


 それぞれ「上から振り下ろす」「ほぼ水平に振る」「下からすくい上げるように振る」スイングである。


 極端なアッパースイングは「ゴルフスイング」と呼ばれる。


 最近、メジャーリーグではアッパースイングが流行ってる。

(フライ性の打球を打つ事でホームランを量産するため)


 また、肩から手までが一直線に伸びたような状態(=脇が開いている状態)で、開閉するドア(押したり引いたりするタイプ)のようなスイングを「ドアスイング」と呼ぶ。


 一般的に、ドアスイングは良くないとされる。スイングスピードとか飛距離とか、いろいろと悪影響が出やすい。



●数字を残す

(それなりに)優秀な成績を残す事。



●スーパー2

 メジャーリーグでは、MLS(アクティブロースター(メジャーの試合に出場登録される25人。2020年からは26人)に登録された期間)が3年分(516日)まで行った選手は年俸調停権を得る。


 2年目の選手でも、特定の条件を満たして「スーパー2」となれば調停権を得る。それ以外では3年経つまでは調停権なしなので、新人王を獲るような選手でも最低保証額(6500万~7000万くらい)に近い額しか貰えなかったりする。メジャーリーガーの年俸は、3年経つと一気に跳ね上がる傾向がある。



●スクイズ

 ランナーが三塁にいる時、三塁ランナーを生還させる目的でするバントの事。主に以下のようなものがある。


・スーサイド(スーイサイド)スクイズ(suicide squeeze)

 バントした打球が上手く転がるという前提でのスクイズ。ピッチャーが投げると同時に三塁ランナーがスタートする。三塁ランナーのスタートのタイミングが早いため、上手く行けば得点の確率が上がるが、上手く行かなかったら三塁ランナーがアウトになる確率が上がる。

※「suicide」は「自殺」という意味。


・セーフティースクイズ(safety squeeze)

 バントした打球を見て、ホームに生還出来そうなら三塁ランナーがスタートするスクイズ。博打要素が高いスーサイドスクイズと比べると安全(セーフティー)で、三塁ランナーがアウトになる確率は低い。一方、スーサイドスクイズより得点の確率は下がる。


・セーフティースクイズ(日本風の言い方)

 セーフティーバントでのスクイズ。最初からバントの構えをするスクイズと区別する言い方で、スクイズを仕掛けると敵に悟られないようにセーフティーバントのようなスクイズをする事は多い。

「セーフティーバントスクイズ」と言えば、上記セーフティースクイズとの誤解を避けられるかもしれないが……。


 もちろん、どのスクイズでも、三塁ランナーの走力が高いほど得点しやすくなる。



●スクランブル登板

 何らかの事情で前のピッチャーが降板する事になり、次のピッチャーが急いで登板する事。「スクランブル」や「緊急登板」とも言う。


 前のピッチャーがケガをして緊急登板する事もあれば、前のピッチャーが打たれすぎて緊急登板する事もある。



●スクリュー/シンカー

「ピッチャーの利き腕側」の「斜め下方向」に曲がる変化球。


 シンカーとスクリューの違いについては、いろいろな説が存在している。主な説として、以下のようなものがある。


・右ピッチャーが投げるとシンカーで、左ピッチャーが投げるとスクリュー。


・投げている本人がシンカーと呼べばシンカーで、スクリューと呼べばスクリュー。


・速球が沈むようなボールがシンカーで、逆方向に曲がるカーブのようなボールがスクリュー。


 メジャーリーグにおける認識は、3つめの認識に近い。シンカーは「シンキングファストボール」の略称で、スクリューを「リバースカーブ」と呼んだりする。


 つまり、メジャーリーグにおいては「シンカーは速球の仲間」「スクリューは変化球」という事になる。なお、シンカーを使うピッチャーは多いが、スクリューを使うピッチャーはほとんどいない。


 日本でシンカーと呼んでいる変化球は、斜めに落ちるチェンジアップが多いと思われる。



●助っ人外国人

 プロ野球における外国人選手の事。特に、アメリカなどの野球先進国から来た選手の事。日本人には無いパワーを持ったパワータイプの選手(ホームランバッターや豪速球ピッチャー)が多い。


 日本の野球や環境などに適応出来ない選手も多く、そのような場合、助っ人としての役目を果たせずに帰国していく。



●スコアブック

「1球目は見逃しのストライクで2球目と3球目はボールで4球目は空振りで……」「何回に誰がヒットを打ってランナーが何塁まで行って何点入って……」などの試合の進行状況(スコア)を記録したもの。これを見れば、映像がなくても試合を振り返る事が出来る……かも。



●スコアボード

 得点や出場している選手などを記したボードの事。現在は電光掲示板を使う事が多いが、メジャーリーグの一部の球場ではアナログなスコアボードも現役。



●スコアラー

 試合経過を記録する人の事。または、自チームや他チームの分析をするアナリストのような人の事。


 公式の記録を付ける人は「オフィシャルスコアラー(公式記録員)」と呼ばれ、この人が「今のはヒット」「これはエラー」と記録を決めている。



●スコアリングポジション(=得点圏)

 二塁と三塁の事。二塁や三塁にランナーがいる時は「一打(=ヒット1本)でランナーを得点させられる」と計算される。

(実際には、ヒット1本で得点出来ない事もある)



「一打勝ち越し」「一打同点」「一打逆転」などと言う時は、得点圏にランナーがいる時である。


・一打勝ち越し:勝ち越しのランナーが二塁か三塁にいる


・一打同点:同点のランナーが二塁か三塁にいる


・一打逆転:同点のランナーが三塁にいて逆転のランナーが二塁にいる



●スターター

 スタメンの事。特に、先発ピッチャーの事。


 ブルペンデーの先発(本職はリリーフで、先発しても1~2イニング程度投げて交代する)は、普通の先発ピッチャーと区別するために「オープナー」と呼ばれる。


 詳しくはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054889350071



●スタッツ

 打撃や投球などの成績の事。



●スタットキャスト

 メジャーリーグで導入されている分析システムの事。本拠地となっている30球場全てに設置されている。


 軍用レーダーなどが使われており、リアルタイムでのデータ分析が可能。データの項目は80種類くらいあった気がする。


※項目は増えるので、現在はもっと多くなっているかも。


 スタットキャストの導入により、データの利用が活発になった。


 かつては「お金があるチーム」が強い時代が続いたが、今では「データを上手く使えるチーム」が強い時代になりつつある。


 下記URLのエピソードで、もう少し詳しく解説。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054885160785



●スタンス

 打席での立ち方の事。


「スクエアスタンス」「オープンスタンス」「クローズド(クローズ)スタンス」の3つに分けられる。


 それぞれ「両足を横並びにした普通のスタンス」「ピッチャー側の足をホームベースから離したスタンス」「ピッチャー側の足をホームベースに近付けたスタンス」である。


 クローズドスタンスの日本人選手は少ない気がする。



●スタンディング~

 スライディングをせず、立ったまま余裕で二塁まで行く二塁打を「スタンディングダブル」と言う。同様に、立ったまま三塁まで行く三塁打は「スタンディングトリプル」と言う。


※ダブルは二塁打、トリプルは三塁打の事。エンタイトルツーベースの場合は、スタンディングダブルとは言わないはず。



●スタンドイン

 打球がスタンドにインする事。ホームランの時に使われる事が多いが、エンタイトルツーベースの時などにも使われる事がある。


「エンタイトルツーベース」については、下記URLのエピソードで解説。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198580



●スチール(スティール)

 盗塁(steal)の事。鉄(steel)の事ではない。


 一度に2人のランナーが盗塁する事は「ダブルスチール(=重盗)」と言う。

 一度に3人のランナーが盗塁する事は「トリプルスチール(=三重盗)」と言う。

 一度に4人のランナーが盗塁する事は……無理。ランナーは最大で3人だし。



 盗塁とは「打球が飛んだ後の進塁」でも「守備側のミスによる進塁」でもない進塁の事。

(プレー中、ランナーは任意のタイミングで走る事が出来る)


 例えば、バッターがヒットを打った事でランナーが進んでも、それは盗塁にならない。キャッチャーが投球を後ろに逸らした後、その隙を突いてランナーが進んでも盗塁にはならない。


 ランナーが盗塁した時、キャッチャーが送球をしなかったら盗塁が記録されない事もある。


 二塁への盗塁は「二盗」と言い、三塁への盗塁は「三盗」と言う。ホーム(本塁)への盗塁は「ホームスチール(=本盗)」と言う。


 盗塁のほとんどは「二盗」である。三塁はキャッチャーと距離が近いため、三盗はタッチアウトになりやすい。


 ホームスチールの場合、すぐ目の前にキャッチャーがいる。自分からタッチアウトに行くようなものなので、ホームスチールは滅多に成功しない。

(それ以前に、ホームスチール敢行が稀)



 基本的な盗塁は、ピッチャーが投球するタイミングで走る。以下、一塁ランナーが二盗を狙う時の例。


 二塁に近いほど盗塁が成功しやすくなるので、ランナーはリードを取り、二塁との距離を詰める。ピッチャーが牽制球を投げる可能性があるので、牽制されても一塁に戻れるギリギリの距離までリードを取る。


※牽制された時、一塁に離れた状態でタッチされるとアウトになる。


 リードが大きいほど盗塁の成功率が上がるが、リードが大きいと牽制でアウトになる確率も上がる。

(牽制の時に盗塁を仕掛けたら、ほぼ確実にアウトになる。送球の方が速い)


 もし、ピッチャーのクセを知っていたら、盗塁の成功率が上がる。


 ピッチャーが「投球する時と牽制する時とで首の動かし方が違う」というクセを持っていたとする。


 そのクセをランナーが知っていたら、ピッチャーの首を見ているだけで、投球か牽制かを見抜く事が出来る。牽制球を投げられる前に塁に戻る事が可能であり、投球するタイミングで盗塁を仕掛ける事も可能である。


 これを「モーション(投球モーション)を盗む」と言う。



 盗塁では「スタート」「スピード」「スライディング」の「3つのS」が重要と言われる。


 例えスピードが速くても、スタートを切るタイミングが遅いと盗塁が成功しにくくなる。反対に、スピードがズバ抜けていなくても、スタートの良さで盗塁成功数を積み重ねる選手もいる。


 地面をガリガリ削るようなスライディングをすると失速するので、スライディングの技術も結構大事。



●ステイバック

 上げた足を地面に下ろす時、上体(体の軸)が後ろ側に傾いている事。ピッチャーであれば二塁側に、バッターであればキャッチャー側に傾く。



 ピッチャーの場合、マウンドの傾斜の関係で、上げた足(自由な足)は元の位置よりも低い所に着地する。


 足を下ろす時に体が前傾するのが自然と言えば自然なのだが、ステイバックするピッチャーの方がケガをしにくい(肩や肘に負担がかかりにくい)とも言われている。



●ステーキリーグ

 メジャーリーグの通称で「メジャーリーガーは金持ちだから豪華にステーキばかり食べている」という意味。


 これに対し、マイナーリーグの方は「マイナーの選手は給料が安くてハンバーガーばっかり食べている」という意味で「ハンバーガーリーグ」という通称がある。


 メジャーリーガーがステーキばかり食べているかは微妙だが、マイナーリーガーは割と本当にハンバーガーばっかり食べてるっぽい。たまにはホットドッグを食べているかもしれない。



●捨て球

「この1球は捨てよう」「ボール球でいい」という感じに投げるボールの事。



●ステップ

 打つ時/投げる時に、ピッチャー側の足/グローブ側の足で踏み出す事。


 ステップを(ほとんど)しない事は「ノーステップ」と呼ばれる。



●ステロイド(アナボリックステロイド)

 かつてメジャーリーグでは、筋肉増強などの目的でステロイド使用によるドーピングが蔓延していた。アメリカでは、一般人も筋肉を大きくするために使って社会問題となった。



●ストーブリーグ

 シーズンオフは移籍の動きが激しくなるが、この時期は寒くなってきてストーブを使うようになるので「ストーブリーグ」と呼ばれる。


 各球団が補強を目論み、選手はより良い契約を結ぼうとする。シーズンが終わっても、戦いはまだまだ続いているのである。



●ストッパー

 かつて、日本では「クローザー」の事を「ストッパー」と呼んでいた。



●ストップモーション

 投球動作の途中で静止する事。ボーク(反則)になる。


 投球動作で腕や足を上げ下げする事があるが、そのような場合に動きを止める(溜めを作る)とストップモーションと見なされる……事がある。


 一瞬止まるようなピッチャーは割と普通にいるのだが、どれくらい止まればストップモーションになるのかは定められていない……はず。

(コンマ何秒まではOKとかは決まっていないと思う)



●ストライキ

 労働者にはストライキの権利があるが、公務員などの一部の職種では禁止・制限されている。


 野球選手によるストライキもあり、プロ野球では2004年のプロ野球再編問題に伴う2日間のストライキが発生した。2019年の時点では、これが唯一のストライキ。


「プロ野球再編問題」についてはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198671



 メジャーリーグでは何度かストライキが起きている。最も大規模だったのは、1994年8月12日(アメリカ時間)から1995年4月2日までの232日に及ぶストライキ。


 プロ野球は2日のストライキでも史上初の大事件だったが……その116倍。しかも、メジャーリーグはチーム数が多いので1日に行われる試合数も多い。


 このストライキにより、1994年のワールドシリーズは中止。ワールドシリーズ中止は、1904年以来90年振り2回目の事だった。



●ストライク(S/Strike)

「投球がストライクゾーンを通過した」「バッターが空振りした」「バッターがファールを打った」などでストライクになる。ストライク3つで三振で、バッターはアウトになる。


 なお、「ストライク」は「打ちなさい」という意味。「ボール」は「アンフェアボール」が短縮された言葉で、「フェアなボール(打てるボール)を投げなさい」という意味。


※ストライクゾーンについてはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884219494



●ストライクからボールになる

 ストライクゾーンに投球が触れるとストライクになる。

(触れなくても、バッターがバットを振ればストライクになる)


「ストライクからボールになる」という表現には、以下の2通りの意味がある。


・「ストライクゾーンに触ってからボールゾーンに出る」→ストライクの判定


・「ストライクゾーンを通過しそうな軌道だったが、そこから曲がってストライクゾーンに触れなかった」→バッターが振らなければボールの判定



●ストライク先行

 ストライクがボールより多い状態の事。ピッチャーが有利なカウント。



●ストライク送球

 送球を受ける野手のグローブに「ズバーン!」と行くようなバッチリドンピシャでストライクな感じの送球の事。



●ストライクゾーン

 ホームベース上の空間内に設定されるゾーン。平面ではなく立体。数学っぽく言うと五角柱。

(正面から見ると四角形で、上から見ると五角形になる)


 ストライクゾーンの横幅はホームベースの横幅と等しいので変化しないが、縦幅はバッターの体格およびフォームによって変わる。


 フォームが同じであれば、バッターが大柄であるほどストライクゾーンは縦に大きくなり、バッターが小柄であるほど小さくなる。


・ストライクゾーンの1番上の高さ

 打つ姿勢を取った時の「打者の肩の上部」と「ズボンの上部」の「中間」の高さ (だいたい胸のロゴくらい)


・ストライクゾーンの1番下の高さ

 打つ姿勢を取った時の「ヒザ頭の下部」の高さ


※詳しくはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884219494



●ストライクゾーンを上げる/下げる

 ストライクゾーンの大きさや位置は、バッターの体格に依存するので、バッターの意思で変える事は出来ない。


「ストライクゾーンを上げる/下げる」と言う時の「ストライクゾーン」は「自分が打てるゾーン」ぐらいの意味。


・ストライクゾーンを上げる:高めのボールを待つ。低めは捨てる。


・ストライクゾーンを下げる:低めのボールを待つ。高めは捨てる。



●「ストライクは要らない」

 バッターを2ストライクに追い込んでいる状態で、ボールカウントが少ない時(ノーボールや1ボールの時)に言われる事が多い言葉。


「ストライクゾーンに投げる必要はない。(ストライクゾーン寄りの)ボールゾーンに投げて、空振りをさせればいい」という意味。「フォアボールでいい」という意味ではない。


 バッターが振りたくなるようなボールを投げれば、ボール球でも空振りで三振を取れる。例えば、速球を高めに投げたり、落ちるボールを低めに投げたりする。


 ボール球なので、仮に当たっても、そうそう飛ばされない。ただし、見送られるとボールなので、振らせないとアウトに出来ない。


 2ボール・3ボールになると、フォアボールにならないように、ストライクゾーンに投げる必要性が出て来る。そこで「ストライクは要らない」が「ストライク入らない」になると困る。



●ストレート(フォーシーム/フォーシームファストボール)

 直進する速球の事。

(重力とかの影響を受けるので、厳密には直進していない)


 正面から見ると、ボールが1回転する間に縫い目(シーム)が4回見える。


「ストレート」は日本独自の呼び方。つまりは和製英語。


 バックスピンをかけて投げるボールで、ツーシームと区別するために「キレイな回転の速球」と表現される事もある。



●ストレートのフォアボール

 ストライクが入らずに4球連続ボールでフォアボールになる事。または、そういうフォアボールの事。


 ここでの「ストレート」は「直球」ではなく「連続した」という意味。


 もちろん、ストレート(直球)でストレートのフォアボールもある。大いにある。



●(投球する際の)ストレッチ動作

 腕を頭の上や胸の前に伸ばすなど、投球動作に入る前のストレッチ的な動きの事。



●素直なバッティング

 インコースのボールはインコース側に打って(=引っ張って)アウトコースのボールはアウトコース側に打つ(=流す)バッティングの事。


「逆らわないで打つ」や「逆らわないバッティング」とも言う。「逆らわない」とは「コースに逆らわない」という事。



●スナップスロー

 腕全体を使ったスローイング(普通のスローイング)ではなく、ほぼ前腕だけでのスローイングの事。

(「スナップスロー」という名前の割に、手首のスナップは意外と使わない)


 普通のスローイングは腕を「後ろから前」に振るのに対し、スナップスローは「横から前」に振る感じになる。腕を小さく振るので、素早く送球出来る。


 近い塁に投げる時に、セカンド・ショートがスナップスローをする事が多い。


 スナップスローは「素早く投げる」ためのもの。「遠くへ投げるため」には、普通のスローイングの方が適している。



●砂揉み

 新品のボールは、油や蝋が塗られていてツヤツヤ・スベスベして滑りやすい。そのまま使うとコントロールが難しくなり、バッターに当たるなどの危険性が高まる。また、光を反射して見えにくくなる。


「揉み砂」という専用の砂を使ってボールを揉み、油や蝋を取り除く事を「砂揉み」と言う。



●スノーマン

 1イニングに8得点する事。8がスノーマン(雪だるま)と似ているのが由来。



●スパイダーキャッチ

 フェンス(壁)を登って打球を捕る事。ただジャンプをして捕るのではなく、フェンスを駆け上がったりして捕る。「スパイダーマンキャッチ」とも言う。



●スピットボール

 ツバなどで濡らしたボールの事。バッターが危険に晒される恐れがあるため、このようなボールを投球に使う事は禁止されている。



●スプラッシュヒット

 AT&Tパーク(サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地。2019年からはオラクルパーク)は、海に面した球場である。


 ライト方向は距離が短く、また、観客席も少ない。こちらにホームランを打つと場外ホームランになりやすいのだが、場外ホームランは海に落ちやすい。


 このような「海に落ちる場外ホームラン」を「スプラッシュヒット」と言う。


 海では、スプラッシュヒット待ちのファンがボートに乗っていたりする。春先や秋などは気温が低いため、暖を取りながらスプラッシュヒットを待つ事になる。


 火を焚く人もいるが……火事とかは大丈夫なのだろうか。

(海だから水はいくらでもあるけど)


 ボールの近くまでボートを漕いで行って網で拾い上げる……だけでなく、時には海に飛び込んで取りに行く猛者もいる。1つのボールを巡って、猛者と猛者とが争う事もある。


 しかし、しょっちゅうスプラッシュヒットが発生するわけではない。


 AT&Tパークはバッターに不利な球場であり、ホームランが出にくい。


 海風にボールを押し戻されやすく、ライトは距離が短い代わりにフェンスがかなり高くなっている。


 通常は「ホームからセンターまでの距離」が1番長くなるのだが、この球場は「センターから右中間までの距離」の方が長い。


 右中間に打つと、距離がある上に海風の影響を受けやすいので、ホームランになりにくくなる。


 2000年から2018年までの19年間にスプラッシュヒットは123本(ジャイアンツの選手に限定すると78本)出ているが、大半は左バッターによるもの。


※球場ではジャイアンツの選手が打ったスプラッシュヒットの数が表示されている


 最も多くスプラッシュヒットを打ったのは、メジャーリーグで1番多くホームランを打ったバリー・ボンズ。


 ボンズのスプラッシュヒット数は35で、スプラッシュヒット第1号も彼が打っている。それどころか、最初の9本を打っている。


 彼が現役をしていた2007年までに限定すると、スプラッシュヒットは全部で60本(ジャイアンツの選手が打ったのは45本)だった。半分以上をボンズ1人が打っていた事になる。



●スプリーム

 2020年のメジャーリーグ開幕前、ダルビッシュ有が発表した球種。スプリットとツーシームの間の球種(速球系?)であり、それでスプリームという仮称が付けられ、結局はこの名前が定着。



●スプリット(スプリット・フィンガー(ド)・ファストボール/SFF)

 バッターの手元で速く鋭い感じに落ちる球種。日本では「速くて小さく落ちるフォーク」ぐらいの認識。「スプリット・フィンガー(ド)・ファストボール」は「開いた指で投げる速球」みたいな意味なので、速球の仲間とも言える。


※「split」には「(2つに)割る」という意味がある。スプリットは、人差し指と中指を開いて(splitして)投げる。


「Split Finger(ed) Fastball」の頭文字を取って「SFF」とも呼ばれる。「スプリッタ―」とも言う。



●スプリットチェンジ

 チェンジアップの1種で、スプリットのような握りで投げる。軌道もスプリットに近い。ほぼスプリットでも、投げている本人がチェンジアップだと思っているならスプリットチェンジに分類されるかも。



●スプリングトレーニング

 メジャーリーグ開幕前、フロリダやアリゾナで行われる練習および実戦の事。日本風に言うとキャンプとオープン戦の事。


 フロリダでは「グレープフルーツリーグ」で、アリゾナでは「カクタスリーグ」で試合をする。


 グレープフルーツorカクタスリーグでの試合は公式試合ではないので、ホームランなどの記録も公式記録にはカウントされない。


※グレープフルーツはフロリダの名産品。カクタスはサボテンの事。


 2月の上旬~中旬にスプリングトレーニングが始まるのだが、ピッチャーは早めにスプリングトレーニング開始。それに付随するようにキャッチャーも早めに開始。内野手や外野手は付随しないので後から合流。


 スプリングトレーニングには、各チーム「40人枠の選手+招待選手」が参加。


 40人枠の選手はメジャーリーグの試合に出場可能な選手で、この中から選ばれた25人がメジャーリーグのベンチに入る。


 招待選手には「40人枠に入り得るレベルのマイナーの選手」や「メジャーなどで実績があるが所属チームが決まっていない選手」などがいる。


 スプリングトレーニングでの内容次第では、招待選手からメジャーリーガーに昇格する事も。



●全ての塁が埋まっている

 一塁と二塁と三塁にランナーがいる状態。つまりは満塁の事。


「全ての塁」とは「一塁と二塁と三塁」の事で、ホームは含まれていない。

(ホームはランナーがいない塁なので、埋まりようがない)



●スポット登板(スポット先発)

 先発ローテーションに入っていないピッチャーが、1試合だけ先発する事。

(成績次第では先発ローテーション入りする事もある)


 スポット登板の主な理由は、以下の通り。

 

・先発予定のピッチャーがケガをした


・先発ピッチャーを1日多く休ませる事にした


・雨で試合が中止になった影響で予定が狂った



●スモーキー

 腕の出どころが見えにくいタイプのピッチャーの事。また、そのような投球フォームの事。体の動きに遅れて腕が出て来るようになる。


 腕が見えにくいために「まるで煙の中からボールが出て来たかのようだ」という意味で「スモーキー」と言われる。


 バッターにとっては、ボールを見る時間が短くなる(ボールを見始めるタイミングが遅くなる)ので打ちにくい。


 ギリギリまで体で腕を隠して投げればスモーキーになるのだが、関節が柔軟じゃないと難しい。

(背中側に腕を引いて隠しておく感じ)



●スモールクラブ

 お金持ちじゃないチームの事。資金力に乏しく、手塩にかけて育てた大物選手をビッグクラブに持って行かれてしまいがち。


 メジャーリーグには贅沢税(ラグジュアリータックス)というのが存在し、チームの総年俸が高くなり過ぎると罰金が科せられる。これは各チームの戦力均衡を図ったものだが、資金力の均衡を取るのは難しいため、ビッグクラブとスモールクラブの差が大きいのが実情。


「スモールクラブのスタメン全員の年俸より、ビッグクラブの選手1人の年俸の方が高い」というのもザラにある。



●スモールベースボール

「ボール球を振らずにフォアボールで出塁」「バントや盗塁でランナーを進める」などの細かい野球をするスタイルの事。


 チームで1点を取りに行くスタイルで、1イニングに大量点を挙げるのには向いていない。


 これに対し、二塁打やホームランなどの長打で点を取るスタイルは「ビッグベースボール」と呼ばれる。



●スラーブ

 スライダーとカーブの中間のような変化球。



●スライ/ノースライ

「(スライディングしないと間に合わないから)スライディングしろ!」「(スライディングする必要ないしケガするとマズイから)スライディングするな!」という意味で使われる。



●スライダー

「ピッチャーの利き腕とは反対側」の「横方向~下方向」に曲がる変化球。打たれると飛距離が出やすい。


 下に落ちるものは「縦のスライダー」や「縦スラ」とも表現される。



●スライディングキャッチ

 スライディングしながら打球をキャッチする事。主に、自分の前に落ちそうなフライをキャッチする時に外野手が行う。


 キャッチ出来なかったら長打になりやすいので、イチかバチかのプレーになる事が多い。


 リスク覚悟で積極的にアウトを取りに行くか、シングルヒットに留めて長打は阻止するか……。


 その点は、選手個人の判断に委ねられる事もあるが、チームの方針で決まっている事もある。



●スライディングパンツ

 スライディング時に太ももやお尻などをケガしないように穿くスパッツのようなもの。「スラパン」と言う事も多い。


 太ももの部分に衝撃緩和のためのパッドが入っており、商品によってはファウルカップ(股間用のプロテクター)を入れられるようになっている。下着のパンツの上から穿く事もあるが、パンツ無しでスライディングパンツを穿くのが本来の着用方法……のはず。



●スライド回転(スライダー回転)

 スライダー系の回転の事。ピッチャーの利き腕とは反対側への変化になる。



●スライドステップ

 ランナーの盗塁成功率を下げる(もしくは、盗塁しようという気を奪う)ために、ピッチャーが投球動作を素早くする事。または、そのような素早い動作の事。日本では「クイックモーション」や「クイック」と言う事が多い。ランナーがいない場面でも、タイミングをずらすためにクイックで投げるケースもある。


 アメリカでは「スライドステップ」と言い、その名の通り、足をあまり上げずにスライド気味(すり足気味)にステップして投げるのがクイックの基本となる。足を高く上げて投げると、足の上げ下げに時間がかかる分、ランナーが走る時間が増えて盗塁の成功率が高くなる。


 プロ野球では、投球動作に入ってからキャッチャーが捕るまで1.2秒くらいが目安。メジャーリーグだと、1.4秒くらいが目安。日本人の方がクイックが得意。と言うか、クイックの練習を徹底的にやらされる。



 クイックは日本生まれの技法で、野村克也が福本豊の盗塁を阻止するべく編み出した。クイック以外にも試していたが、あまり上手く行かなかったらしい。


 かつては「盗塁されたら、盗塁を刺せなかったキャッチャーの責任」という考え方が一般的だったようだが、現在では「盗塁阻止はピッチャーとキャッチャーの共同作業」という考え方の方が一般的である。

(ピッチャーがクイックで投げても、キャッチャーの肩が弱かったら盗塁されちゃうけど……)



●スライド登板(スライド先発)

 先発ローテーションに入っているピッチャーが、ローテーション通りの登板日とは別の日に先発する事。

 前にスライドする事も後ろにスライドする事もある。


 主なスライド登板は以下の通り。

 

・先発予定のピッチャーがケガをして、次の日に投げる予定だったピッチャーが前にスライド。


・雨で試合が中止になり、その試合の先発予定だったピッチャーを後ろにスライド。


・対戦相手の変わり目で、対戦相性を考えて前か後ろにスライド。


・1日多く休ませるために後ろにスライド。



●スラッガー(強打者)

「打率が高いバッター」よりも「パワーがあるバッター」という意味で使われる。



●スラッター

 スライダーとカッター(カットボール)の中間のような球種。スライダー並みの変化量とカッター並みの球速を兼ね揃えているのが特徴で、ピッチャーの利き腕とは反対側に鋭く曲がる。



●スラパン→スライディングパンツ



●スリークオーター(threeーquarter)

 斜め上から投げるフォームの事。


 オーバースロー(4分の4)とサイドスロー(4分の2)の中間(4分の3)くらいの位置から投げる。


 腕の位置がサイドスロー気味の低さだと「ロースリークオーター」と呼ばれる。



●スリーバント(2ストライクバント)

 2ストライクの状態でバントをする事。または、そのようなバントの事。バントをするのが2ストライクからの1回だけでもスリーバントになる。「スリーバント」は和製英語で日本独特の言い方。

(英語では「2ストライクからのバント」という言い方をする。そのまんま)


 スリーバントしてボールがファールゾーンに行くと、バッターは三振になる。これを「スリーバント失敗」と言う。



●3(スリー)フィートオーバー

 ランナーには「塁と塁とを結ぶ線から左右に3フィート(≒91センチ)ずつ計6フィート」の幅を持つ「走路(=ベースパス)」が設定されている。


※日本版のルールでは、ランナーが最初から本来の走路を大きく外れて走っていた時(真っ直ぐ行かずに弧を描くように走っていた時)は、「ランナーが居る位置と塁とを結ぶ直線」を基準に左右3フィートずつの走路が設定される。2つ先の塁を狙う時に膨らんで走りがち。


 ランナーがタッチを躱そうとして走路から外れると、「3フィートオーバー」でアウトになる。ただし、打球を捕ろうとする野手の妨害をしないよう、止むを得ず3フィートをオーバーした場合は別。


 タッチを躱そうと思って5フィートとか離れたら、タッチアウトは回避出来ても、3フィートオーバーでアウトになる。



●3(スリー)フットライン

 一塁線にくっついてる「かなり細長いコ」の字型の線の事。一塁線と平行になっている部分は、一塁線から3フィート離れている。


 このラインで囲まれている部分は「3フットレーン」と呼ばれる。ラインも3フットレーンに含む。


 バッターランナーが3フットレーンを外れて走ると、守備妨害を取られてアウトになる事がある。守備に影響しない場合は守備妨害にならず、野手との衝突を避けるために外れるのも大丈夫。



●スリーベースヒット(=三塁打)(3B/Triple)

 フェアの打球が地面・ベース・フェンスなどに当たり、バッターがアウトにならずに一塁に到達出来るとヒットとなる。また、ホームラン(フェアの打球がフェンスを越える)もヒットの一種である。


 ただし、バッターが一塁に到達する前に他のランナーがアウトになった場合など、バッターが一塁に進んでもヒットが記録されない事もある。守備側のミスで一塁セーフになった場合にも、ヒットが記録されない事がある。


※地面などに当たる前に捕られたら、その時点でバッターアウト。また、ファウルボールではヒットにならない。


 バッターが何塁まで行ったかでヒットは4種類に分けられる。


・一塁まで行った→シングルヒット(=単打)

・二塁まで行った→ツーベースヒット(=二塁打)

・三塁まで行った→スリーベースヒット(=三塁打)

・本塁まで行った→ホームラン(=本塁打)


 ツーベース以上は「長打」と言う。長打かどうかは、打球の飛距離ではなく、バッターが何塁まで行ったかで決まる。


 シングルヒットの時には「~安」と書く事も多い。「左安」なら「レフトへのヒット」という意味。


 長打は「~二」「~三」「~本」と書く事も多い。「右二」なら「ライトへのツーベース」で、「中本(ナカモトじゃないよ)」なら「センターへのホームラン」という意味。



●スリングショット

 ソフトボールの投げ方の1つ。現在はウインドミルが主流なので、スリングショットで投げるピッチャーは少ない。


 ウインドミルは「下→前→上→後ろ→下→前」と腕を1回転させるが、スリングショットの場合は「下→後ろ→下→前」になる。


 ウインドミルについてはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054889208364



●鋭い当たり

 速い打球の事。



●スローイング(throwing)

 送球の事。投球(pitching)とは区別される。


 メジャーリーグのピッチャーには、スローイングを苦手とする選手も割といる。


「ピッチャーの仕事はピッチングであってスローイングではない」と考える人が日本より多いからだと思われる。


 日本には「ピッチャーは5人目の内野手」という考えが支配的なので、内野手のようなスローイング技術も必須となる。


 ピッチングは「傾斜があるマウンドの上からストライクゾーンを狙って投げる」のが基本。助走は出来ない。


 それに対し、スローイングの方は「平らな地面の上で野手(の胸の辺り)を狙って投げる」のが基本である。助走も出来る。


「投げる」という動作にも違いがあるので、投げるフォームも違ってくる。


 ピッチングのフォームとスローイングのフォームが同じピッチャーはいない……と思う。いても少数のはず。



●スロートガード

 喉を保護するための物で、キャッチャーや球審のマスクに取り付けて使う。マスクと一体になっているタイプもある。


 地面で跳ねたボールがキャッチャーや球審の顔付近に行く事もあり、喉に当たる可能性も決して低くない。


 スロートガードがないと、喉に当たった時に非常に危険。



●スローボール

 遅いストレート。バッティング練習ではよく使われるが、試合で使われる事はほとんどない。



●座る

 投球を捕る時、キャッチャーは基本的にしゃがんでいる。この姿勢になる事を「座る」と言う。


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