※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。


※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。




●エアーボール(エアボール)

 フライやライナーの事。グラウンドボール(ゴロ)と対になる言葉。


 フライやライナーでのアウトは「エアーアウト」とも言い、ゴロアウトは「グラウンドアウト」とも言う。



●永久欠番

 永久欠番となるのは、多くの場合、そのチームで偉大な成績を残した選手の背番号である。


 基本的に、その人物が引退してから永久欠番となる。永久欠番となった背番号は、その人物にしか使えない。監督になって自身の永久欠番を背負う事もある。


 チームによっては、同じ数字が永久欠番となっている事がある。複数の偉大な人物が過去に同じ背番号を使っていて、その複数人の背番号を永久欠番と設定したため。


 複数のチームで活躍した人物の場合は、複数のチームで永久欠番に指定されている事がある。そのような場合は、別々の背番号が永久欠番となる事がある。



 最初の永久欠番は、ルー・ゲーリッグ(ヤンキース)の4。


 ルー・ゲーリッグはメジャーリーグ史上最高の選手の1人だが、現役中に筋萎縮性側索硬化症(ALS。この病気は「ルー・ゲーリッグ病」とも呼ばれる)になって引退する事に。彼の功績を讃え、チームは彼の背番号を欠番とした。


 日本では、黒沢俊夫の4と沢村栄治の14(ともに巨人)が最初。黒沢は現役中に病死し、沢村は戦死している。



 また、メジャーリーグにおいては、全てのチームで42が永久欠番となっている。


 この背番号は、ジャッキー・ロビンソン(近代メジャーリーグで最初の黒人選手で最初の新人王)の背番号である。


 4月15日(ジャッキー・ロビンソンがデビューした日)は「ジャッキー・ロビンソンデー」で、全ての選手・監督・コーチ・審判の背番号が42になる。



●エース(エースピッチャー)

 先発ピッチャーの中で最も優れた選手の事。先発ローテーションの1番手を務める事が多い。


 中継ぎの中でのエースは「中継ぎエース」や「リリーフエース」と呼ばれる。

(抑えは通常1人だけなので「抑えのエース」という表現はあまり使われない)


「エース」という言葉は、トランプのAではなく、あるピッチャーの「エイサ」という愛称に由来すると言われている。



●エースナンバー

 エースの証たる背番号の事。高校野球では1番。


 プロ野球では、18がエースナンバーになっている事が多い。2軍暮らしの選手が18を背負っていると「お前、背番号変えろよ」って思われる事になる。


 メジャーリーグにおいては、特にエースナンバーはない。18は野手が背負う事も多く、背番号が18のピッチャーは日本人である場合が多い。



●エクステンション

「リリースポイント(=ボールが手から離れた位置)が投手板からどれくらい前にあるか」を示す数値。スタットキャストの項目の1つ。


 この値が大きいほど、バッターの近くからボールを投げている(≒球持ちがいい)事になる。


 ただし、背が高い選手ほど腕も長くなるので、エクステンションの数値も大きくなりやすい。



●エクスパンション(球団拡張)

 リーグ参加チームの増加の事。野球以外のスポーツでも使われる言葉。



●エメリーボール

 紙ヤスリ(エメリー)などで傷を付けたボールの事。バッターが危険に晒される恐れがあるため、このようなボールを投球に使う事は禁止されている。



●エラー(=失策)(E/Error)

 守備のミス(捕球ミスや送球ミスなど)でアウトが取れなかったり余計な進塁を許した時、エラーが記録される。エラーかどうかは記録員の判断に依るので、同じようなプレーでもエラーになったりヒットになったりする。

(明らかなエラーならエラーになるが、エラーかヒットか微妙なのも多い)


 スコアボードの右端に並んだ「R」「H」「E」は「得点数」「ヒット数」「エラー数」を表している。


 エラーになった時に「E4」のように表示されるのは、誰がエラーをしたかを表している。この場合はセカンドのエラーである。

(1:ピッチャー/2:キャッチャー/3:ファースト/4:セカンド/5:サード/6:ショート/7:レフト/8:センター/9:ライト)


※メジャーリーグでは、試合中や試合後に記録が訂正される事がよく有る。エラーが内野安打に変更される事が多いのだが、記録を付ける人が「どっち道、あれはセーフだったかな」と判断したのだと思う。


※ワイルドピッチやパスボールでランナーが進んだ場合は、その進塁はエラーにはならず、ワイルドピッチかパスボールが記録される。ただし、その後の送球ミスなどで余計な進塁が有れば、そちらはエラーになると思う。


 ミスをしていても、アウトを取れればエラーにならない事も多い。例えば、送球が逸れてもアウトを取れればエラーではなく、送球が逸れたせいでセーフになったならエラーとなる。また、送球が逸れなくてもセーフになっていたと判断されれば、エラーは記録されないはず。


 内野の守備はアウトを取るために送球が必要なケースが多く、その分、エラーをする機会も多くなる。「打球を捕る」「捕ったボールを利き手に持ち替える」「送球をする」「送球を捕る」などは、いずれもエラーの可能性を有する。


 プレーに絡む選手が増えると、エラーが発生するリスクも高くなる。ショートゴロでダブルプレーを狙う時は、ショート・セカンド・ファーストの3人がエラーの可能性を有している。


 よく「三振は何も起きない」と言われるが、これは「三振ならミスが(ほとんど)起きない」という事で、おそらく最も確実にアウトを取れるのが三振になる。

(キャッチャーが捕れずに振り逃げになる事も有るので、絶対に安全とは言えない)



●選ぶ

 ストライクとボールを見極める事。この見極めが上手い選手は「選球眼がいい」と言われる。また、フォアボールで出塁する事も「選ぶ」と言う。



●エルボーガード

 バッターが使う肘当ての事。基本的にはピッチャー側の腕に装着するのだが、稀にキャッチャー側の腕に着ける選手もいる。

(稀にキャッチャー側の肘にボールが当たる事もある)



●援護点

 得点の事。得点が入る事を「ピッチャーを援護する」と考える。


「大量援護を貰う」と言えば「登板中に多くの点を取って貰った」もしくは「リードが多い状態で登板する」という事である。


 ピッチャーが自分で点を取ると「自らを援護する」などと言われる。


 失点が多くても、それ以上の援護点を貰えば、ピッチャーは勝てる。勝ち星が多いピッチャーが優れたピッチングをしているとは限らないのである。

(打撃がいいチームなら、失点が5~6点でも勝ててしまう)


 そのため、メジャーリーグでは、勝ち星の数よりも「防御率」や「クオリティースタートの数」の方が重要視される傾向がある。

(これらは、実力があるピッチャーじゃないと数字が良くならない)


 不思議なもので、同じチームのピッチャーであっても、援護点が多いピッチャーと少ないピッチャーがいたりする。


 日米通算200勝を達成した黒田博樹は、なぜか援護点が少なかった。テンポが悪い訳でもないのに(むしろ良かった)……登板の前日や翌日とかにはチームが打ちまくってたりしたけど……。メジャーリーグの先発ピッチャーで最も援護点が少ない部類で、もう1~2点取って貰えてたら220勝は行ってたかも。



●炎上

 1イニングで大量失点する事。


 炎上を食い止めるために出てくるピッチャーは「火消し(火消し役)」と言う。



●エンタイトルツーベース(=グラウンドルールダブル)

 フェアゾーン内に落ちたボールがフェンスを越えた時など、野手が捕れない所にボールが行った時は、二塁打(ツーベース/ダブル)として扱われる。


※フェンスに線を引いている球場では、打球が線を越えればフェンスを越えたものとして扱われる。


 打った選手が二塁の先に行っていた場合、その選手は二塁まで戻される。ランナーがいた場合は、全てのランナーが2つ先の塁に進む。一塁ランナーがホームまで走っていた場合、そのランナーは三塁に戻される。


「エンタイトルツーベース」は「entitled twobase hit(「二塁打としての権利を与えられたヒット」みたいな感じ)」から来ている言い方で、アメリカでは「groundrule double(「ルールで認定された二塁打」みたいな感じ)」と言う事が多い。



●延長戦(EX/Extra innings)

 野球は9回で終了(少年野球などは7回で終了)なのだが、それまでに決着がつかないと延長戦に入る。


 ニュースでも「延長11回で~」のような事を言うが、これは「9回+延長戦だけで11回=合計20回」という事ではなく「延長になって合計で11回(9回+延長2回)」という意味。


 プロ野球の延長は12回までで終了。メジャーリーグでは基本的に延長は無制限であり、延長18回(2試合分)まで行く事もちょくちょく有る。



●エンドラン(ヒットエンドラン)

「バッターが打つ」と「ランナーが走る」を同時に仕掛ける作戦の事を「ヒットエンドラン(hit and run)」と言う。その性質上、ランナーがいないと出来ない。


「エンドラン」と言う事も多いが「アンドラン」とは言わない気がする。



 ヒットエンドランが成功すれば、ランナーはより先の塁へ行ける確率が高まる。つまり、得点の可能性が高まる。


 しかし、バッターがライナーを打つと、ライナーゲッツーになる危険性がある。最悪の場合、1人トリプルプレーを喫する事も。


※「ライナーゲッツー」は「バッターがライナーでアウト→送球してランナーもアウト」となる事。


 そのため、バッターはゴロ性の打球を打たないといけない。


 また、空振りでもダメ。盗塁失敗のような形になって、ランナーが消える恐れがあるからである。

(空振り→キャッチャーが送球→ランナーにタッチでランナーアウト)


 ヒッティングの代わりにバントをすれば「バントエンドラン」になり、バスターをすれば「バスターエンドラン」になる。


※「バスター」とは、バントと見せかけてヒッティング(=バットを振る打撃)に切り替える事。



 ランナーのスタートを見てから打つ(もしくは空振りをする)事は「ランエンドヒット」と言う。


※空振りをするのは、キャッチャーが送球しにくい状況を作るため。ただし、空振りしたバットがキャッチャーに当たったら、ランナーは元の塁に戻されてしまう。


 ヒットエンドランは「打つ」と「走る」が同時だが、ランエンドヒットの方は「走る」の次に「打つ(振る)」がある感じ。


 前者の場合は、サインの見逃しなどがなければ、ランナーが走る事をバッターも知っている。


 後者の場合は、ランナーが自分の判断で走る事もあるので、バッターが「え? 走るの?」となる事も。


「狙っていたのではなく、結果的にランエンドヒットになっただけ」というケースも多い。



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