※解説は間違っている可能性があります。あらかじめ、ご了承ください。


※「ー」は前の文字の母音(例:カーブ→カアブ)として扱っています。




●鯉

 広島東洋カープの事。


「carp(鯉)」は単数でも複数でも「carp」のまま。「sheep(羊)」などと同じ。

(チーム名にする時は「Carps」と複数形にしても良いのだが、広島カープはそうしていない)



●故意四球(=敬遠)(IB・IBB/Intentional Base on Balls・Intentional Walk)

 意図的にボール球を投げ、フォアボールでバッターを出塁させる事。「敬遠」と言う事が多い。


 敬遠でキャッチャーが立つ時は、キャッチャーの両足はキャッチャーズボックス内に置かれている必要がある。

(実際には、プロ野球などでは守られていない)


 ピッチャーの手からボールが離れたら、キャッチャーズボックスを出てもいい。その前に出ると「ボーク」になる。


※ボークになると、全てのランナーが1つずつ進塁。



 キャッチャーを立たせずにボール球を投げるパターンもある。厳密には敬遠には含まれないので、こちらは「敬遠気味のフォアボール」と表現されたりする。


 メジャーリーグでは2017年に「申告敬遠(投げない敬遠)」が導入された。監督が審判に敬遠の意思を示すだけで敬遠になる。

(指を4本立てたり、一塁を指差せば意図が通じる)


※プロ野球でも2018年から導入された。申告敬遠についてはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198620


「最初は敬遠するつもりはなかったけど、ストライクが入らないから歩かせよう」という敬遠(あるいは敬遠気味のフォアボール)もある。


 これは「ストライクを取りに行って打たれるよりマシ」という判断である。ストライクが欲しい時、ボールはストライクゾーンの真ん中付近に行きやすくなる。


※端っこを狙うより、真ん中を狙った方がストライクになりやすい。そして、真ん中付近は打たれやすい。


 基本的には「次のバッターの方がアウトにしやすい」「一塁にランナーがいた方が守りやすい」などの理由で敬遠する。


「一塁にランナーがいた方が守りやすい」とは「ゲッツー(=ダブルプレー)を取りやすい」という事。


 例えば、1アウトでランナーが二塁にいるとする。


 ここでバッターがショートゴロを打てば、二塁ランナーが走塁ミスをしない限り、アウトは1つだけ。しかし、1アウトでランナーが一塁・二塁だったなら、ショートゴロで「6-4-3」のゲッツーになる。これで3アウトになる。


※1:ピッチャー/2:キャッチャー/3:ファースト/4:セカンド/5:サード/6:ショート/7:レフト/8:センター/9:ライト



 王貞治(世界のホームラン王)やバリー・ボンズ(メジャーリーグで最多ホームラン)は敬遠も多かった。それぞれ日本記録と世界記録保持者で、2位以下を大きく引き離している。


 ボンズは、1シーズンで120敬遠(この1年だけで日本なら歴代10位くらい)という異常な数字を記録した事がある。また、満塁で敬遠された事もあった。満塁ホームランなら4失点だが、敬遠で押し出しなら1失点で済むからである。


 長嶋茂雄は「バットを持っていないのに敬遠された」という伝説を持っている。

(「敬遠しないで勝負しろ!」というメッセージだったが敬遠された)



●故意落球

「内野で守備をする選手(※)」が「普通ならば捕れるであろうフライやライナー」に触った後、そのボールを故意に落とす事。


※内野手だけでなく、ピッチャーやキャッチャーを含む。「最初から内野にいた外野手」は含むが「最初から外野にいた内野手」は含めない。


 ただし、故意落球になるのは「ノーアウトまたは1アウト」でランナーが「一塁」「一塁・二塁」「一塁・三塁」「満塁」の時に限られる。


※インフィールドフライと似ているが、微妙に違う。インフィールドフライは「一塁・三塁」の時には生じない。



 また、故意落球になるかどうかは、審判の判断に委ねられている。

(同じような打球でも、故意落球になる事もあれば、ならない事もある)


 故意落球になった場合、バッターはアウトとなる。ボールデッド(=プレーが中断された状態)となり、ランナーは元の塁に戻る。


※インフィールドフライではボールデッドにならず、ランナーは進塁を試みる事が出来る。


 わざと落球するのはメリットがあるから。1アウト一塁だったとして、セカンドがフライを落としたら、4-6-3のゲッツーが狙える。捕ったら2アウト一塁になるだけだが、落球で3アウトになる。


 このような事態を避けるべく、故意落球というものが設定されている。

(インフィールドフライと同じような理由で、攻撃側のためのルール)



●~号

「今シーズン第5号」「通算100号」のように、ホームランを数える時に「号」を使う事がある。「~本」を使う事も多い。


「3試合連続の10号」なら「3試合連続のホームランで、そのホームランはシーズン第10号だった」という意味。

(10号ホームランは1シーズンに1本しか打てないので、10号を3試合連続で打つ事は出来ない)


「20号満塁ホームラン」なら「20本目のホームランで、そのホームランは満塁ホームランだった」という意味。

(20本全部が満塁ホームランという可能性は0ではないものの、1年で20本も満塁ホームランを打つのは現実的じゃない)


 ホームランは「~号」と言うが、ホームラン以外を「50号ヒット」「100号盗塁」「150号勝利」などとは言わないと思う。



●広角打法

 右方向にも左方向にも広角に打てる事。特に、逆方向にホームランを打てる事。「打法」とあるが、一本足打法などとは違い、バッティングフォームの事ではない。


 どこに打ってもホームランはホームランだが、逆方向にホームランを打てるのは長所と言える。

(逆方向への打球は飛距離が出にくい)



●交換トレード

 選手と選手を交換する普通のトレードの事。トレードが交換の事なので「交換交換」という意味になってしまうが、金銭トレードなどと区別する際に「交換トレード」と言う事がある。



●好球必打

 打ちやすいボール(=甘いボール)を見逃さずに打つ事。



●攻撃的な1番バッター

 打撃がいいタイプの1番バッターの事。攻撃的じゃない1番バッター(従来の1番バッター)は、打撃より走塁で活躍するタイプ。


・攻撃的1番バッター:パワーもあって二塁打やホームランを打てる。

・従来の1番バッター:あまりパワーはない。一塁に出たら盗塁で二塁へ。



●甲子園球場(阪神甲子園球場)

 阪神タイガースの本拠地であり、高校野球の聖地。大阪府にあると思われる事も結構多いが、大阪府の隣の兵庫県にある。


 球場が完成した1924年(=大正13年)は、60ある干支の1つ目である「甲子(きのえね/こうし)」に当たる年。「甲子園」という名前は、この「甲子」に由来する。



●公式記録員(オフィシャルスコアラー)

 試合の経過を記録したり、打撃結果などを決定したりする人。


 電光掲示板には「H(=ヒット)」「E(=エラー)」「Fc(=フィルダースチョイス)」のランプがあるが、公式記録員の裁定によって、ヒットかエラーかフィルダースチョイスかが決まる。


 同じような当たりでも、公式記録員がヒットと判断すればヒットとなり、エラーと判断すればエラーとなる。また、ワイルドピッチ(ピッチャーのミス)かパスボール(キャッチャーのミス)かを決めるのも公式記録員。



●剛速球/豪速球

 かなり速い速球の事。明確な基準はないだろうが、プロ野球だと152~3キロ出れば結構な速さになると思う。155出れば確実に剛速球だと思う。


 メジャーリーグだと、155キロは出ないと剛速球にならない気がする。160キロ出るピッチャーもゴロゴロいる。165出るピッチャーも何人もいる。



●巧打者

 バッティングコントロールが巧みなバッターの事。打率が高かったりヒットが多かったりする。



●好打者

 優れたバッターの事。



●好打順

 攻撃が上位打線(1~3番)から始まる事。セオリー通りの打順を組んでいれば、打てるバッターから始まって打てるバッターに繋がっていく打順。



●好投手

 優れたピッチャーの事。



●公認野球規則

 本家ルールブックである「Official Baseball Rules(OBR)」を日本用に訳したもの。ただ訳しただけではなく、日本独自のルールなども追加されている。例えば、2段モーションは日本で独自に禁止していたものである。


※2段モーションは2018年に解禁された。元々はアメリカで禁止されていると勘違いしたとかで、メジャーリーグで何人ものピッチャーが2段モーションで投げているのに、日本では何年も禁止したままだった。


 基本的に、アメリカでOBRの改正が行われると、日本では次の年に公認野球規則の当該箇所の改正が行われる。


 最近の例だと、アメリカでは2017年に申告敬遠が導入され、日本では2018年に導入された。日本は、アメリカより1年遅れたルールで野球をしているようなもの。


「原注」や「注」という表現がよく出て来るが、前者は「OBRにある注(を日本用に訳したもの)」で後者は「日本独自の注」である。



●後半

(延長などがなければ)野球は1回表~9回裏まで。これを2つに分けると「前半=1回表~5回表」「後半=5回裏~9回裏」となる。


 シーズンの前半・後半は、オールスターゲームの前後で区別する。試合数は前半の方が少し多くなる。



●降板

 ピッチャーとして出場する事を「登板」と言い、その逆は「降板」と言う。

(「マウンドに上がる」「マウンドを下りる」とも言う)


 芸能界などでも「降板」という言葉は使うが、野球用語が野球以外でも使われるようになったもの……のはず。


「板」という字が使われているのは、ピッチャーマウンドに「投手板」があるから。

(ピッチャーは、この板を踏んで投球する)


 メジャーリーグでは、イニングの途中に降板するピッチャーは、マウンドに来た監督にボールを渡すのが習わしとなっている。この時、監督に渡さずに(監督以外の誰かに渡すなどして)ベンチに下がるのは、一種の反逆行為となりかねない。



●好捕

 ナイスキャッチ(ファインプレー)の事。



●攻略

 ピッチャーからヒット(特に長打)を打つ事。または、バッターを抑える事。



●交流戦

 レギュラーシーズン中の試合の内、異なるリーグのチーム同士が行う試合の事。観客数を増やすために導入されたらしい。


 交流戦での成績もレギュラーシーズンの成績に反映されるため、交流戦で負けるとリーグ優勝が遠のいてしまう。


 DH制(指名打者制)なしの試合では、普段は打席に立たない投手(パ・リーグ/ア・リーグの投手)が打席に立つ。


 DHありの場合は、その逆になる。通常は、ピッチャーの代わりに野手が打撃を行う。DHを使わずにピッチャーに打たせることも出来る。


 慣れない打撃をするという点では、パ・リーグ/ア・リーグの投手にとって、DHなしの試合は難しい試合になりそうではある。


 しかし、DHありだと、セ・リーグ/ナ・リーグの投手は野手9人と対戦する事になる。

(普段は野手8人+ピッチャー1人と対戦している)


 交流戦でどちらのチームが有利になるかは一概には言えない……と思うのだが、DHがあるリーグ(パ・リーグ/ア・リーグ)の方が成績がいい傾向にある。



 メジャーリーグの交流戦は「インターリーグ」と呼ばれ、ほぼ毎日インターリーグの試合がある。


 インターリーグの詳細は、下記URLのエピソードで解説。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884198551


 一方、プロ野球の交流戦(セ・パ交流戦)は期間限定で行われる。2005年に始まってから、ほとんどの年でパ・リーグの方が勝ちが多い。また、ほとんどの年でパ・リーグのチームが交流戦優勝(最高勝率)を果たしている。


 なお、日本シリーズでもパ・リーグの方が優勝する事が多い。2000~18年の19年間でセ・リーグのチームが日本一になったのは、00・01・02・07・09・12年の6回だけである。00~02年は3年連続でセが優勝したが、03年以降の優勝は16回中3回のみ。


※同じ期間において、ア・リーグ(指名打者あり)は10回優勝、ナ・リーグ(指名打者なし)は9回優勝。03年以降では8回ずつ優勝で完全に半々。


※日本シリーズの結果(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892281823


※ワールドシリーズの結果(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892281927


 プロ野球は「パ高セ低」時代が続いている。かつては「人気のセ、実力のパ」と言ったが、今では「人気も実力もパ」と言っても過言ではない。


 負けが多いセ・リーグとしては交流戦をやりたくないという話もあるが……。交流戦になると観客数は増えているらしいので、負けていても交流戦はやりたいという話もあるとか。



●剛腕/豪腕

 剛速球を投げるピッチャーの事。



●コースアウト

「フォースアウト」の言い間違いか聞き間違いか勘違いだと思われる。


 進塁義務があるランナーは「フォースの状態」にあり、元いた塁の占有権を失う。


 例えば、一塁にランナーがいた時に、バッターがショートゴロを打ったとする。一塁ランナーは一塁にいられなくなるのだが、これがフォースの状態。


「一塁ランナーが二塁に到達する前にボールが二塁に送られる」か「一塁ランナーが二塁に到達する前にタッチされる」と、一塁ランナーはアウトになる。


 このように、フォースの状態にあるランナーがフォースプレーによってアウトになる事を「フォースアウト(=封殺)」と言う。


「一塁→二塁→三塁→ホーム」というコースからいなくなってしまうので、コースアウトと言えばコースアウトしてる。



●コースヒット

 当たりそのものは悪いものの、飛んだコースがよくてヒットになった打球の事。



●コーチズボックス(コーチスボックス)

 ベースコーチが立つ場所で、一塁と三塁の横にある。「コーチャーズボックス(コーチャースボックス)」とも言う。


 カタカナ語になる時に「’s」は省略されがちで、「コーチボックス」や「コーチャーボックス」と言う事も多い。


 メジャーリーグの一塁ベースコーチは、よくストップウォッチを持っている(プロ野球では禁止されているっぽい)。ピッチャーのクイックの時間などを測っている。


 三塁ベースコーチは「走れぇぇぇ!」の合図をしたり「止まれぇぇぇ!」の合図をしたりする。


 ベンチから出たサインを中継するのは三塁ベースコーチである事が多く、バッターが三塁ベースコーチを見ている時はサインを見ている……と思う。

(ベースコーチがサインを出していると見せかけて、別の人間が本当のサインを出していたりもする)



●コーチャー

 一塁と三塁のベースコーチの事。紅茶の事ではない。


 ベースコーチ以外のコーチ(ピッチングコーチなど)をコーチャーと言う事は、ほとんど無いと思う。


 高校野球などでは、コーチではなく選手(ベンチ入りしている選手)が担当している。コーチではないので、「ベースコーチ」ではなく「ベースコーチャー」や「コーチャー」と言うのが一般的。



●(ストライクゾーンの)コーナー

 ストライクゾーンを正面から見た時の四隅の事。


※ストライクゾーンについてはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884219494



●コーナーストーン

 本塁の事。また、キャッチャーの事。


 二塁の事は「キーストーン」とも言い、この塁を挟んで守るセカンドとショートの事は「キーストーンコンビ」とも言う。セカンドだけを「キーストーン」と言う事もある。



●ゴールデングラブ賞

 プロ野球において、守備に優れた選手に与えられる賞。受賞者(ゴールデングラバー)には、ゴールデンなグラブが贈られる。


 ピッチャー・キャッチャー・ファースト・セカンド・サード・ショートは各リーグ1人ずつで、外野手は3人ずつ。両リーグを合わせると18人が受賞する。


 外野手以外は得票数が最も多かった選手が受賞し、外野手は得票数が多かった上位3人が受賞する。


 記者による投票で決定されるのだが、守備の上手さよりも知名度で選ばれている感がある。



●ゴールドグラブ賞

 メジャーリーグにおいて、守備に優れた選手に与えられる賞。受賞者(ゴールドグラバー)には、ゴールドなグラブが贈られる。


 各ポジションから1人ずつ選出され、両リーグを合わせると18人が受賞する。

(ゴールデングラブとは異なり、外野手はレフト・センター・ライトを区別する)


 ゴールドグラブ受賞者の中から、ファン投票によって「この選手が1番守備が上手い!」と評価された選手には「プラチナ・ゴールドグラブ賞」が与えられる。

(各リーグから1人ずつ。合計で2人)



●コールドゲーム

 強い雨が降るなど、審判が「これ以上は試合を続けられない」と判断すると、コールドゲームとなって試合が終了する。「コールド」は「cold」ではなく「called」である。


 コールドゲームになった試合が試合として成立するかは、5回まで行ったかが1つの目安となる。3回などでコールドゲームになると、その試合は無かった事になり、ホームランなどの記録も無かった事になる。


 高校野球などでは、一定以上の点差(7点差とか10点差とか)になるとコールドゲームで試合終了になる事も。



●小刻みな継投

 バッター1~2人ごとにピッチャーを交代する事。「細かい継投」とも言う。右打ちと左打ちが交互に並ぶ打線(ジグザグ打線)の時には、右打ちには右投げを出して左打ちには左投げを出したりする。



●国民栄誉賞

 王貞治がホームランの世界新記録(756本)を樹立し、この功績を讃えるために1977年に制定された賞。その後、スポーツ選手のみならず、芸能人や棋士なども受賞している。国民栄誉賞をあげると内閣の支持率が上がるとか上がらないとか。


 野球選手では、以下の4人が受賞している。


・王貞治:ホームラン756本の世界新記録(最終的に868本)

・衣笠祥雄:2131試合連続出場の世界新記録(最終的に2215試合連続出場)

・長嶋茂雄:ミスタージャイアンツにしてミスタープロ野球

・松井秀喜:日本人初のワールドシリーズMVP

※衣笠の記録は現在は日本記録。長嶋と松井は同時受賞。


 以下の2人は受賞を辞退している。


・福本豊:939盗塁の世界新記録(最終的に1065盗塁)

・イチロー:シーズン最多安打記録・日米通算での最多安打記録など

※福本の記録は現在は日本記録。イチローには何度か受賞の話があり、その度に辞退している。



●腰が高い

 ゴロ性の打球を捕り損ねる原因。足が長いイケメンは守備に向いていない……という事ではない。問題になるのは、足の長さではなく、打球を捕る時の姿勢である。


 地を這うような打球を捕るためには、グローブが地面に触れるくらいまで手を下げる必要がある。


 腰の位置が高いと、地面にまで手を下げるのは難しくなる。膝を曲げて腰を落とした方がゴロを捕りやすい。←これは「腰が低い」状態


※グローブが楽に地面に届くのであれば、腰が高くても問題無い。


 ピッチャーが投げる時に野手(特に内野手)が中腰になっているのは、ゴロを捕りやすくするため。この体勢のために、外野手に比べて内野手は膝や腰に負担がかかりやすい。

(キャッチャーはもっと負担がかかるけど……)



●故障者

 ケガや脳震盪などで試合に出られる状態じゃない選手の事。



●故障者リスト(IL/Injured List)

 故障者を登録したリストの事。メジャーリーグの制度の1つ。「負傷者リスト」と訳す事もある。


※2018年までは「Disabled List(DL)」と言っていたが、「Disabled」には「障害のある」という意味もあるようで、新たに「Injured(ケガをした)」を使うようになった。名称変更の要請もあったらしい。


 選手本人が「俺は故障者だ~!」と言っても、医師が「君はケガをしてないよ」と判断したら、その選手を故障者リストに入れる事は出来ない。


 大ざっぱな説明をすると「故障者リストに入った選手の分だけ選手の補充が出来る制度」である。


 当たり前と言えば当たり前の制度だが、このような制度があるのは、メジャー昇格やマイナー降格などの制度が複雑になっているのが主な要因。

(プロ野球ほど簡単には昇格・降格させられない)



 故障者リストには「10日間の故障者リスト」と「60日間の故障者リスト」がある。脳震盪の場合は特別に「7日間の故障者リスト」に入れる事が可能。


 また、故障者リストとは少し違うが、出産に立ち会うための「父親リスト」なども存在する。

(アメリカでは、夫が出産に立ち会うのが当たり前らしい。日本でも、そうなりつつあるけど)


 10日間の故障者リストに入った選手は、10日間はメジャーリーグの試合に出られず、計算の上では25人枠から外れる。


※2020年からはピッチャーの故障者リスト入り期間が最低15日間に延長される。また、25人枠は26人枠に拡大される。詳しくはコチラ(↓)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054889477422


 60日間の故障者リストに入った選手は、60日間はメジャーリーグの試合に出られず、計算の上では40人枠から外れる。


 いずれも、リハビリや調整のためにマイナーの試合に出場出来る。計算上は25人枠もしくは40人枠から外れるので、外れた人数の分だけ補充が可能になる。


※25人枠や40人枠については、下記URLの「ロースター」の部分で解説。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884389707


 故障者は、試合には出られないが、ベンチにいるのは大丈夫。チームに帯同しながら、メジャーのトレーナーにマッサージしてもらって体を治す事も多い。

(復帰出来そうになれば、マイナーで実戦感覚を取り戻してからメジャーに復帰するのが普通)


 故障者リスト入りした選手が多いチームは、故障者の代わりで昇格した選手が多くなるため、ベンチにいる人間も多くなりがち。



●誤審

 大なり小なり誤審は起こる。審判だって人間だもの。


 ビデオ判定の導入で判定が覆る事も多くなったが、2018年時点では、ストライク・ボールの判定はビデオ判定の対象外。


 ストライク・ボールの誤審は、ほぼ毎試合起きていると思う。人間だもの。


※事実上、ストライクゾーンは「ルールブック」ではなく「球審」によって決められている。球審がストライクと判定すればストライクになり、ボールと判定すればボールになる。


 なお、他の審判の誤審に気付いても、審判は「今のは誤審ですよ」と指摘する事は出来ないというルールがある。

(意見を求められた時は例外)



●こちら向き

 実況がよく使う言葉で、打球を追う野手がホーム側を向いた状態の事。


 スタンド側を向いた状態は「あちら向き」や「向こう向き」と言う。



●コッキング期

 投球の動作は、主に以下のような段階を踏む。


(1)ワインドアップ期:両足で立ち、利き手とグラブでボールを持つ。

(2)コッキング期:片足を上げ、ボールを利き手だけで持つ。

(3)加速期(アクセラレーション期):上げた足を下ろし、腕の振りを加速させてボールを投げる。

(4)フォロースルー期:ボールが手から離れ、腕を振りきる。



●コック(コッキング)

 手首を親指側に傾ける事。バットであれば、コックするとバッターの背中側に傾く。


 小指側に傾ける(バットがバッターのお腹側に傾く)のは「アンコック」と言う。



●5人目の内野手

 ピッチャーの事。「ボールを投げたらピッチャーは5人目の内野手」と言われる。


 日本では広く深く浸透している考え方で、ピッチャーをやっている野球少年は「ボールを投げたら、打球処理が出来る体勢になりなさい」と指導される事が多い……と思う。



 外国人投手には、投げる時に体が横(右投げなら一塁側)に大きく倒れるピッチングフォームが多い。


 このフォームは、ボールを捕る体勢に移行しにくい。つまり、打球を捕りにくいフォームである。



 海外では「ピッチャーの仕事は投げる事だ。守備の事を考えてピッチングに悪影響が出るくらいなら、守備を無視してでもピッチングを優先した方がいい」という意識が強いようだ。


 そのため、日本ほど「5人目の内野手」は意識されていない。

(もちろん、守備が上手いピッチャーもいる)


 日本と海外で考え方の違いはあるが、優劣の差があるという事ではない。

 どちらかと言えば、好みの違いだと思う。



●コミッショナー

 MLBやNPBのトップの役職。


 MLBでコミッショナーが置かれるようになったのは、ブラックソックス事件(ワールドシリーズでの八百長事件)がキッカケ。正常なリーグ運営にコミッショナーが必要とされた。



●ゴメンナサイ

 バッターが狙うコースなり球種なりを絞っている時、狙っていないコースや球種のボールが来る事を「ゴメンナサイ」という言葉を使う。


 例えば、インコースのボールを待つなら「アウトコースに来たらゴメンナサイ」でインコース待ち。カーブ待ちなら「カーブ以外が来たらゴメンナサイ」になる。


 味方に対してゴメンナサイする訳だが、ある程度は狙いを絞らないと打てない相手もいるので、そこは腹をくくるしかない。待ってるのが来なかったらゴメンナサイ。



●コマンド

 制球力(コントロール)の事。



●コリジョンルール(衝突ルール)

 ホーム付近での衝突(コリジョン)を防止するためのルール。「ホームに向かうランナーによる体当たり」や「ボールを持っていないキャッチャーによるブロック」を禁止している。


 このルールが導入されるキッカケとなったのは、メジャーリーグを代表するキャッチャーであるバスター・ポージーが大ケガをした事。


 彼はランナーと接触して足を負傷し、若くして引退を余儀なくされるか……というほどの大ケガだった。幸いにも選手を続ける事が出来、翌年、ケガから復帰してオールスターゲームにも出場した。


 アメリカだけではなく、日本においても、かつては「得点したいランナーが体当たりをするのは当然だ」という考えが少なからずあった。そのためか、他のラフプレーが禁止されていっても、体当たりは長らく容認されていたのである。



●ゴロ

 英語では「ground ball」や「grounder」と言う。


※一説には、ゴロはゴロゴロと転がるからゴロと言う。この説では、和製英語どころか普通に日本語。


 ボールの下側(地面側)を打つとフライになりやすく、上側(空側)を打つとゴロになりやすい。

(※かなり簡略化して考えてます)


 ボールの下側を打つ時は、バットの上側に当たっている……はず。反対に、ボールの上側を打つ時は、バットの下側に当たっている……と思う。


 高めのボールは「ボールの下側」を「バットの上側」で打ちやすいのでフライになりやすく、低めのボールは「ボールの上側」を「バットの下側」で打ちやすいのでゴロになりやすい。



●ゴロゴー(ゴロGO)

 ギャンブルスタートは「打球が飛んだら、とにかくGO!」だが、ゴロゴーは「打球を見て、ゴロだったらGO!」になる。ゴロじゃなかったらスタートしない。



●怖い(恐い)バッター

 強打者の事。「スラッガー」と同じような意味で使う。「顔が怖いバッター」という意味ではない。


 顔が怖くなくても、強打者なら怖いバッターである。顔が怖くても、打撃がヘッポコならバッターとしては怖くない。顔が怖い上にメチャクチャ打ちまくるバッターは超怖い。



●小技

「バント・バスター」「エンドラン」「右方向(一二塁間)に進塁打を打つ」「ファールを打って粘る(相手に多く投げさせて甘い球を待つ)」などの技の事。


 長打を打って点を取るのは大技の部類。特に、ホームランを連発して点を取るのは大技の中の大技。


 小技を搦めて点を取りに行く野球は「スモールベースボール」と呼ばれ、大技主体の野球は「ビッグベースボール」と呼ばれる。



●コンコース

 観客席の後ろにある通路の事。球場によっては、コンコースの脇に売店やトイレなどがある。



●混セ/混パ

「混戦のセ・リーグ/パ・リーグ」という意味の言葉。1位争いが混戦状態になる事もあれば、2位以下が混戦状態になる事もある。


 CS(クライマックスシリーズ)導入で3位までがCSに進出する事になり、CSを勝ち進んだチームが日本シリーズに進む事になった。つまり、リーグ3位でも日本一になる可能性がある。


 CSがなかった時代は、1位にならないと日本シリーズに行けなかったため、2位以下の混戦には大した意味がなかった。

(3位争い(Aクラス争い)には、1位にならないと全国大会に行けない大会の3位決定戦くらいの意味はあった)


 CS導入により、2位争いや3位争いの混戦が大きな意味を持つように。順位が上であるほどCSでアドバンテージを得られるので、上を目指すのに越した事はない。


 リーグを運営する偉い人にとっては、シーズン最終盤まで全チームが1位争いをするくらいの大混戦が理想かもしれない。

(混戦になった方が観客が増えると思う)


 反対に、早々と1位・2位・3位が確定してしまうと、残りの試合は消化試合(勝敗が大した意味を持たない試合)になってしまう。

(消化試合は観客が減るので収入も減る)



●コンタクトヒッター

 コンタクトする(当てる)のが上手いバッターの事。



●コンダラ

 整地ローラー(=グラウンド整備に使うローラー)の俗称。


 リアカーのように引いて使うのは間違った使い方で、押して使うのが正しい。引いて使うと、転んだ時にローラーに潰されてしまう危険性がある。……のだが、押して使うには重くて動かしにくく、引いた方が使いやすいという事情もある。


※引いて使うのは危険なので注意してください。数人で押した方がいいかもしれません。


 ある野球アニメで整地ローラーを引くシーンがあり、そのアニメの主題歌の歌詞にある「思いこんだら」が「重いコンダラ」と勘違いされ、なんやかんやで「あのローラーはコンダラと言うのか~」と誤解が広まった。


 ローラーを引くのはアニメでは定番のトレーニングとなっているが、押して使うアニメはあまりないと思う。


 あるアイドルアニメでも、アイドルの女子中学生がローラーを引いてトレーニングをする回が何度もあった。巨大なコンダラとルームランナーを組み合わせたマシーンも登場した。



●コンバート(転向)

 本職の守備位置を変更する事。


「ピッチャーでプロ入りして野手に転向する選手」は、日本でもアメリカでも普通にいる。世界のホームラン王もまた、ピッチャーからファーストにコンバートした人。


「野手でプロ入りしてピッチャーに転向する選手」は、日本には滅多にいない。しかし、アメリカでは普通にいる。


「ピッチャーにコンバート」の他にも「キャッチャーにコンバート」や「ショートにコンバート」も少ない。「過去にキャッチャーやショートをやっていた選手が、かつてのポジションに戻る」くらいならある。


 コンバートの傾向については「守備関係のあれこれ」で解説。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884198528/episodes/1177354054884251383



●コンプリートプレーヤー

 走攻守のあらゆる能力をコンプリートしているプレーヤーの事。代表的なのはウィリー・メイズで、彼は「史上最高のコンプリートプレーヤー」と称される。

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