友情は築かれた

 弦朗君の潔さ、サウレリの男気、どちらも抱える大事なものがありながらも、一人の男としての生き様を見せてくれる。
 一族の頭領として、家族の長として、彼らは引けぬモノを抱いている。しかし、目前の相手に対して男として対峙し、双方の胸には情が宿る。

 政治は情だけで動かしてはいけない。
 しかし同時に情の無い政治には人々がついてこない。
 理想の政治を体現するには様々な障壁がある。

 弦朗君とサウレリの二人には、その理想の政治を体現しうる資質がある。とはいえ、双方の現状では政治に活かせそうもない。

 いつか二人が表舞台で力を発揮しうる時が来て欲しい。
 男の生き様を見せた二人の先行きを祈る。

 そう感じさせてくれた熱い作品でした。

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