出会う、男と男。

ラゴと、烏翠。その灰色の交流には「黒」の部分が非常に多かったようである。族長代理、すなわちタフラ・マージャ(反則だろこのかっこええ用語!)たるサウレリは、「翠浪の白馬、蒼穹の真珠」本編では暖かくも優しい兄であったが、この物語では雄々しき武人の顔をみせる。戦う相手は、烏翠軍。

驚いた。
一体何が起こってしまっているのか、と。

結論から言えば、過去の物語であった。あのサウレリに、このような過去があったのか、と。物語の中で描かれるサウレリの心境は、穏やかに風に波打つ草原のようでいて、また荒れ狂う海原のようでもある。

サウレリの前に、一人の男が現れる。大いに烏翠という荒波に翻弄されながらも、進むべき先を見失うまいぞとする、とある烏翠の公達。その志に打たれつつも、タフラ・マージャとしての判断を重んじなければならないサウレリ。

二人は国際情勢という、いかんともし難い環境の中、それでもお互いのことを認めずにおれない。その過程を見守るのは喜ばしくも、切なくもある。

見てくれ!
これがブロマンスだ!

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