現代世界と異世界、両方に接する食堂を営むのは、底抜けに明るいおかん。しかし、ただのおかんではありません。彼女は、大阪弁を喋り大阪のおばちゃんのファッションに身を包む、正真正銘の大阪人。そのパワーには、関東人も異世界人もとても敵うものではありません。
そんなおかんが魔物に連れ去られてしまいます。おかんの息子は、「仕事が休みづらい」という現代世界の世知辛い事情を抱えつつ、おかん救出のために異世界へ向かうのですが…。
ひたすら面白いです。おかん最強です。といっても、おかんの強さは剣や魔法ではありません。おかんの強さの正体を、そして、おかんのパワーにひれ伏した者がどうなるのかを、ぜひぜひ見届けていただきたく存じます。読んで幸せな気持ちになれる素敵な物語です。
主婦・異世界食材の調達・食堂。
パワフルなオカンに固定概念はありません。
美味しい物を食べてもらいたい。
みんなの笑顔が見たい。
昔に取った杵柄は朽ちることなく発揮される、痛快オカンストーリーです。
パウバルマリ食堂の主・オカンがさらわれてしまう
所から始まってしまい、いきなりのピンチからの開幕にハラハラさせられます。
しかし。
前作を知る私は考えてしまいます。
天性の人柄と、サバイバルスキルが高すぎる、あのオカンに果たしてピンチが来るのか?
邪推です。天罰クラスの邪推です。
安心して下さい。
私の邪推など、オカンが巻き起こすストーリーと、
オカン救出に向かう面々のザワ付きは、読み出すと止まらなくなるテンポの良さは、
ああ、陽野様の作品を拝読している!
噛みしめるような満足感。爽やかな読後感に包まれました。
読み出したら止まらない。
素敵なオカンストーリーを、ありがとうございました。
【作者様が過去に発表した「おかんと俺とカクタウロスの葉包み焼き」の続編となっておりますが、作者様も仰っているように、この作品だけでも十分すぎるほどに楽しめます】
類型的な異世界テンプレの中に燦然と輝く『おかん』が主役の異世界食堂物。
そう、食堂を切り盛りするのは綺麗なおかみさんでも、萌えを喚起する少女などではなく『おかん』(天然パーマの大阪のおばちゃん系)なのです。
とは言っても『おかん』は早々に魔王軍に連れ去られて、主役の座を一時的に息子へとタッチしますが。
そして始まる息子たちによる『オカン救出ミッション』なのですが、現世界側の事情(有給が二日など)が異世界での行動に影響を与えるという、「制限付きのしばりプレイ」が読者に程よい緊張感を与えてくれてGoodですね。
そしてシリアスから一転、コメディへとなる後半……。やっぱり主役は『おかん』だよなという安心感に包まれながら、ハッピーエンドへ――。
これぞ『日帰りファンタジー』と誰にでもおススメできる本作。
皆さまも是非、『おかん』の経営する『パウバルマリ食堂』へいらして下さいね♪
おかんがヒロインでおかんが物語の象徴でおかんがおかんです。
最早ゲシュタルト崩壊がおこりそうなほどのおかん推しですが、おかんのパワフルなおかんっぷりが爽快そのものです。
主人公も、きちんと現実に生きています。
会社の評価を気にしながらの冒険は、笑いあり、涙あり(笑い泣き)。
ただ物語から伝わる、もしかしたら一番大事なのかもしれないことは、
みんなおかんが、大好きだということです。
これはきっと、母さんでも、母ちゃんでも、母上でも、ママでも、ママ上でもなく、
おかんだからこそいい味が出ているのだと感じました。
笑って笑って、ほっこりしましょう。
そして少しほぐれた心で、おかんとは言いませんが、誰か大切な方の肩でも揉んであげたり、一緒に美味いものでも食べましょう。
豪快でちょっとうっとうしいおかんのことを思い出している時、少しだけ素敵な時間となることでしょう。
おかんは、働き者で、異世界とこちらの世界を行き来できるパウバルマリ食堂を切り盛りしています。
食堂には、エリカさん、自宅に帰れば、長く連れ添ったおとんと息子のユウトくんがいます。
時間をこさえて異世界と自宅を行ったり来たりだったのですが。
食堂が荒らされて、おかんがいない。
一体、この急展開は、何だ。
誰も、丈夫なおかんは、元気だけど、さらわれたからには探さないとと、ユウトくんに奮いたって貰おうとします。
所がそこにも壁が。
次々と展開するシーン毎に、バトルにはバトルの魅力、食堂では、ほのぼのしたり美味しそうだったり、メリハリがあります。
おかんのお楽しみな落ちも待っています。
新しいファンタジー。
おすすめです。
異世界ファンタジーに眉をひそめる、そこのあなた。
ええ、いまご自身を指さされていらっしゃるあなたです。
お時間を少し、拝借できませんかしら?
いえ、何もいかがわしい勧誘ではございません。
この物語をご覧になりませんか?
ラブコメ界にこの人あり、の語り部が丹精こめて紡いだ抱腹絶倒の物語なのです。
笑いあり、涙あり(あ、なかったかも)の異世界人情ファンタジーです。よもや、あのおっかさんがこのようなお話で主役を張るだなんて、驚きとともにおおいなる期待を胸に拝読いたしました。
期待通り、いえ、期待以上の物語です。
ぜひご覧になってくださいな。
魔王って、案外このような経緯の持ち主かもしれません。
文句なしに楽しめる異世界ファンタジー!
主人公は、交通事故をきっかけに異世界転移した経験のあるユウトくんとそのおかん。その経験を生かし、異世界の食材を使って料理を出す定食屋を繁盛させていた逞しいおかんだったが、ある日そんなおかんが突然魔物に連れ去られ——。
おかん救出に乗り出すユウトとその仲間たち。彼らの前に立ちふさがるのは?そしておかんは一体どうなる!?
しっかりと笑わせてくれるギャグ、そしておかん救出に向かうユウト達の手に汗握る戦闘場面。全てのシーンが読み手の心をぐいぐい惹きつけ、ページをめくる手が止まりません。
そして、この作品の大きな特徴は、全体に漂うほのぼのとした親しみやすさや幸福感。がっつりした異世界ファンタジーとは違うホッとする空気も、またたまらなく魅力的です。
誰が読んでも、きっと「面白かった!」と呟かずにはいられない、スカッと心地よい楽しさに溢れた物語です。
ティータイムに一気読み出来る手軽さと、充分に読者を惹きつける要素が見事にコラボしたコメディー作品。
作中の要所々々に見られる気の利いた言い回しや独特の感性は、意識高い系読者にとっては堪らない御褒美となるでしょう。
私も意識高い系の一人として魅了されましたので、
今後の展開などを予想してみました。
コミットメントしていますが、ドラッカーの理論的に言うとこれは「おかん編」とアウトバウンドするべきバズ・マーケティング。
将来的には「オーナー(おとん)編」「ビジネスパートナー(恋人)編」「クライアント(お客様)編」等のSSが展開されるクリエイティブなパッケージなのだと確信しています。
パウバルマリ食堂は、異世界とつながった定食屋。異世界で仕入れた食材をつかったモンスター料理を提供する。そしてその店を切り盛りするのが、おかん。
定食屋は、現世界の住人と異世界の住人が常連として訪れる、ボーダレスな空間。
本作の秀逸な設定は、異世界ではモンスターの肉を食べる習慣がない、というかその技術がないこと。そこに目を付けたおかんが、異世界から仕入れたモンスターの肉を調理して提供するため、現世界人も異世界人も、その「ここでしか味わえない料理」を求めてやってくること。
ところが大事件が起こる。なんとおかんがモンスターにさらわれる!
もちろん息子のユウトはおかん救出に動き出すのだが……、有給が……。
とにかく世界観のずれっぷりが素晴らしい。
強烈なキャラクターおかん、ブラック企業に就職してしまった息子のユウト、異世界の戦士エリカ、意識高い系の魔法使いや、居るんだか居ないんだかわからないおとん(笑)。この各人それぞれに、ちょっとズレた役回りを大真面目に演じてくれる。
ハラハラドキドキしつつ、なぜか安心して見守れるストーリー。特にタイムリミットのある魔王討伐の「これ間に合うのか?」は半端ない。そのくせ、タイムリミットの理由もくすくすと笑えてしまう。
とにかく、突っ込みどころが多い。一歩踏み出すごとに爆発する地雷原を歩くように、突っ込みどころがつぎつぎと用意されている。ここは突っ込んだら負けだ。「突っ込んじゃダメだ、突っ込んじゃダメだ」と唱えながら読もう。
登場シーンは少ないのに半端ないです――おかんの存在感。
それは非日常さえも日常に変えてしまいます――有無を言わせず(笑)
何と言っても、カウンターで魔王が世間話をしながらランチを食べているのですから。魔王さえも小物に見えてしまう、カリスマ的風格。
さらに「おふくろの味」という言葉が妙に印象に残りました。強いだけじゃなく温かさも兼ね備えています。ここが魅力なのでしょうね。月並な言葉ですが「スゴイ」の一言です。
次なるエピソードを期待せずにいられないのは、ボクだけじゃないはず――きっと作者はやってくれます。まだコンテスト期間は始まったばかりですから時間はありますよね?(おいおい)