概要
・このテキストでは「例のアレ」界隈を中心に解説します(作者が例のアレ出身であり外部の様子をあまり知らないので)。
・この資料は、筆者が東京国民大学で「ネット史Ⅰ」の授業に使用した資料を、AA視聴環境が整っていない人のために抜粋したものです。
・2ちゃんねるの書き込みは当時の規定(転載禁止規定)を重視し、引用はせず書き直しています
・当時の団体やウェブサイト等に関して詳説はしません。
・HTTPプロトコルを使ったURLは、北東アジア同盟通信委員会第53条指令より規制されているため、"<HTTPURL>"という文字列に全て変更しています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!これは夢なのか現実なのか 進化したAIはついに危険な領域へと突入する
この作品は架空のインターネット社会史を記述するモキュメンタリーですが、この作品の中で記述されている事件は実在する事物とフィクションの部分が巧妙に絡み合っていて、どこまでが本当でどこまでが嘘なのか、境界線が曖昧です。実在する部分もgoogleやwikipediaなどのメジャーなものと、恒心教や淫夢などのネットのディープな部分が混ざり合っています。真面目なノンフィクション文体の中に、唐突に「ホモコースト」が登場する、そのギャップは本作独自のものです。実在人物も、現在生存している人物を勝手に殺していたりと、フリー素材のような扱いを受けていて、読者に倫理観への挑戦を仕掛けているのではないかと思うほ…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!現代の科学技術およびその理論の延長線上にある例のアレ
およそ下等で下品な、とされるネットの掃きだめ……2ch、アスキーアート、ニコニコ発の例のアレ、やる夫、ハセカラ……そしてそれに関わる、あるいは関わりたくないと忌避する人々……
それらが一つのif技術の分岐により今から想定可能な、また不可能な方向へとカタストロフへの道を突き進む、現代の科学技術および理論の延長線上にある例のアレ、を描いたSFです。
原作読者としても改めてレビューを書かせていただきました。
もとになった「下等な」世界を知るものが不幸か幸福かは読者に委ねます。
2020.7.3追記
ちょっと突っ込んだネタバレレビューを近況ノートの方に書きました。
https://kakuyom…続きを読む - ★ Good!5chがあって、淫夢民がいる、異世界。
グーグルがあり、ウィキペディアがあり、淫夢民やハセカラ民すらいる世界。我々が知っている通りのネット。
それが、「2017年、AIが実用化」というイフ要素の導入により、異形のパラレルワールドへと変貌する。でも変貌した後の世界も、グーグルがあって5chがあって、明らかに地続きで、現実味にあふれた世界……
じゃあ、我々が生きている現実も、どこか別の時代、別の世界の人にとってはSFそのものかも? 我々はすごい世界に生きているな?
……と感じさせてくれる、世界の見え方が変わる小説。
赤野工作「ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム」は、知っての通りの傑作SFですが、この作品は、ある意味ア…続きを読む