『たとえ君がべつの人でも』

　ある日曜の朝、棚橋蓮の元にリオナという身長三十センチの宇宙人が現れた。彼女は地球から数万光年離れた、惑星トスクからの調査委員。任務は地球の文化調査と、ある異星人の監視だった。蓮は彼女の容姿が初恋の人と瓜二つだった為、すぐに恋心を抱いた。
　リオナはタキオン通信転送機で、母星から訪れていたが、目の前にいる彼女自身は母星にいる本体のコピーだった。二日後リオナのロードである、トスク人が現れる。蓮は彼から監視する異星人の詳細を教えられた。その異星人は他の生命体の遺伝子を選択的に獲得し、それを肉体へとフィードバックできる能力の持ち主であり、大虐殺者であった。
　地球の特異な遺伝子を手に入れるため、その異星人が蓮の住む街にやってきていたのだ。異星人を捕らえる任務は危険だが、リオナへの思いとヒーロー願望…続きを読む