人と自然。人と、人。

新石器時代のシベリアという、大変珍しい舞台設定の物語です。
その厳しくも豊かな自然と共に暮らす「森の民」と、そこに新しくやって来た人々との争いと友情、そして別れ。
スッと入り込んでくる、わかりやすく美しい文章で、それらが丁寧に綴られます。
作者さんの様々な知識の深さにもどひゃー!となるのですが、なにより「人」と「自然」をみずみずしく生き生きと、時に虚しく苦しいほどにくっきりと描き出すその筆力に、舌を巻きます。
彼らの選んだ道、生き方、その姿。
読了後も、脳裏に焼き付いて離れません。

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