真っ青い夏空と真っ白い雲の下で

 自分のことが誰よりも嫌いで、クラスでも「いいひと」として振る舞うことでなんとか自分の居場所を作っている高校生の倉橋。友達という友達もおらず、家族ともあまり上手くいっていない彼女が、中学校で密かに思いを寄せていた竹内と再会したことをきっかけに、自分を塞いでいる殻を破る一歩を踏み出します。

 自分のことが嫌いで、誰にも迷惑をかけたくないし、誰にも気を使ってほしくない。そんな気持ちに心当たりがあって、主人公の気持ちに共感していました。また、心の状態を描写する時の「きゅうっと」「ふわふわして」といったような言葉の使い方が上手くて、心地よいリズムを生み出していると思います。

 色とか空の描写とか、竹内との掛け合いとか、素敵だった点は他にもたくさんあるのですが、自分は最後の電話のやりとりで少し泣きそうになりました。素敵なお話をありがとうございます。

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