描かれていない情景が浮かび上がる、巧みな描写

とても短いお話ながら、情景描写と心情描写が巧みで、印象的な作品です。

主人公の女性が「彼」との「停滞した関係」について、梅雨のある日、喫茶店で考える、そういうワンシーンなのですが、喫茶店や持ち物、通りの様子などの丁寧な描写から、ここに描かれていない「彼」との日々が浮かび上がってくるようです。

そして、この後どうなっていくのか?
それを想像する楽しみもある小品です。