死を演じ、死を哲学し、死を追求し、恋に生きる

”「死」という文字が47回出てくる短編”――何事かと思いますが。死体役を演じる青年と主人公「私」の恋愛模様を描いた、ラブコメディです。

青年・信二(シンジ)君は、いかに死体らしく役を演じるかに情熱をかけ、死について悩み、いろいろと試みるわけですが、そこはコメディ。軽快に、さっくり甘く纏めて下さっています。



――毎日のように死と相対している いち医療従事者としましては。「死に至る心理」はともかく、「死を追求する姿勢」は理解を超えるわけですが……。そうか、大多数の人々にとって、「死」は人生にそう多く遭遇する経験ではないのだと、改めて納得させて頂きました。

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