ほんまにいけず。憎たらしいほど好いたらしいお話

新撰組の最前線から退かざるを得なかった頃の剣の達人、沖田宗司と、その身を案じるひとりの京女の織りなす「美味しい話」です。

病魔すら意に介さずに、ひょうひょうとやつれていく沖田と、やきもきしながらそれを案じる花乃の関係がとてもぐっときます。
何を作っても口にしてくれない沖田を案じて、花乃が作った料理とは。

地に着いた設定から紡がれる2人のものがたりを、確かな知識を元にした、幕末の空気を自然に感じさせる文章が心地よく包みます。


……なんて行儀良いレビューはここまで! 新撰組に誠実というだけで★3つなのに、関東風の出汁の軍鶏鍋まで出てきたらもう★100個付けるしかないじゃないですか!五鉄の魂が新撰組に!ごぼうが煮えきるまで手を出しちゃ駄目なんです!
冬に読んでたら近所のスーパーのごぼうと鶏肉が売り切れるレベルのいけずなお話。控えめに言って最高なので是非ご一読を。

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