レインドロップ*ティアドロップ

作者 六月雨音

85

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★★★ Excellent!!!

暗い気分で、字を読むことも苦痛な状態でした。菜摘さんの文章には逢いたいと思って、優しそうなこの話を選びました。

たくさん出てくるドロップに、九藤が慰められているようで。

ほんの少しの切なさが配合された、素敵なラブストーリー。
露花という名前も素敵。
露の花。

水に祝福された人なんでしょうね。

★★★ Excellent!!!

 雨と飴、そして涙。水滴状のかたまりが場面毎の心情とリンクしてその輝きの色彩を変える。その表現にとても感心した作品です。

 この作品を恋愛モノとしての評価は他の方がたくさんされてるのかもしれませんが、私は表現の面で評価したいと感じました。
 (偉そうですみません)

 

★★★ Excellent!!!

日常から解放され、異国にいるような気分に。
今の彼女には、必要な癒しであり、自分の気持ちと向き合うのに必要な時間だった。そして、彼にも——

物語を彩るブルーとグリーンを、すぐそばに感じながら、ラベンダーの香り、ハーブティー、ハーブや花びら入りの涙玉を想像の中で味わい、物語の世界観に浸ることが出来ました。
詩のような独自の表現で、美しい色彩と、香り、味まで感じることの出来る物語は、とても印象的です。

星也くんは、本当に天使だったのかも。

★★★ Excellent!!!

 夜の星よ、どうか伝えておくれ。
 きらいな雨を乗り越えて、わたしの元へ。
 そうしたら、きっと・・・・・・

 逃避行先で過ごす人、触れ合い、伝う雨、含む飴。
 急いで噛み砕くことなど出来ない、必要な時間だけをかけて、流れていく作中の時間を、しっとりとしっかりと読ませてもらった。

 心の傷跡を掻き消すティアドロップ。
 わだかまりを洗い流すレインドロップ。

 雨に涙にも濡れてしまおう。
 そうしたら、きっと綺麗になれる。

★★★ Excellent!!!

雨をきっかけにすれ違った男女、1人出かける女性。そこで出会う美味しいもの、綺麗なもの、香るもの、そして天使のような男の子。

これをもっと「小説」らしくするなら、幾らでも作者様の手で形にすることができると思います。鍵括弧を使い、順序を入れ替え、感嘆詞を減らして……。

でも、そうしないことが、作品の大きな魅力になっている。目に映ること、感じたこと、思ったこと、何の順序も躊躇もなく綴って、詩のような世界観が出来上がっています。

急いで読むこともできる作品ですけど、そんなのもったいない。好きな曲や紅茶と一緒に、ゆったりどうぞ。

★★★ Excellent!!!

花の色をぼかす雨のヴェール
ハーブを揺らす雨粒
窓をつたう雨の滴
彼女の心に降る涙

そんなシズクはドロップとなり彼女の心に溶けてゆく。
ハーブティーは彼女の心を温める。

できれば雨の降る午後に読んでみてください。
ううん、いつでも大丈夫。
この物語の扉を開ければ雨の世界
ここは菜摘の世界

★★★ Excellent!!!

愛する男性と、心がすれ違ったと思った瞬間。
言葉を持たないはずの雨が心を癒し——孤独の中にいた主人公と、きらめくような人や物とを結びつける。

主人公を待っていたのは、色とりどりにきらめくハーブティー、ドロップたち。そして、優しい雨のように彼女を包み込む、天使のように美しく、悲しげな青年。
現実ではないかのような透明感に満ちた、静かな時間。
そんな宝物のような出会いに、彼女の心は少しずつ柔らかさを取り戻す。
そして——。

ひとを愛する思いは、ひとりひとり違う。そんな、それぞれの心の形が、愛おしむように優しく描かれます。
愛することの悲しみや切なさ、喜び。様々な感情を丁寧に織り込んだ、宝石のようにきらめく物語です。

★★★ Excellent!!!

 作者が紡ぎだす魔法のような言葉たちで織りなされる文章は、ジョーゼットのように繊細で柔らかく、読者を透明な独特の世界の中に誘います。

 天使の様な不思議な青年がくれるカラフルなセロファンで包んだ飴や、しっとりと心を落ち着かせてくれるハーブたちが、揺れる彼女の心を癒やしてくれる。
 
 煌めく言葉に溢れた六月ワールドをぜひ堪能してみてください。

★★★ Excellent!!!

雨は時に優しいリズムを刻み、大地を潤し、私たちの恵みとなる。

けれど一方で、私たちを苛立たせ、災難となり、涙をよぶこともある。

何事にも陰陽がある。人との関係においてはなおさらのこと……。一つの面だけを見ているわけにはいかないのだ。

この作品を読んで、そんなことを考えた。

ちょっと疲れてしまった時、この丁寧に描かれた一文一文を味わって心を癒したいと思わせる、しっとりと優しい作品です。

★★★ Excellent!!!

瑞々しさが溢れ出す、それがこの物語を読んだぼくの正直な感想です。物語を動かすキーパーソンが雨の中にいるシーンではショパンの雨だれを思い浮かべながら読んでしまいました。
切ないのに、優しく心に届く文章で、とてもしっとり落ちてくるんです、そう、雨粒のように言葉がね。
細部に散りばめられた演出も心憎い。女性ならではの柔さに触れた気がします。
来る雨を思い、雨空を見上げ、読みたい作品。どうぞゆったりとした気持ちで手に取ってみてください

★★★ Excellent!!!

主人公は、雨に愛されてしまった女の子。
彼氏と上手くいかず、誕生日に一人きりで宿を取る。
大事な日は、やっぱり雨。
心は遠くの大事な人を想いながら、刹那の雨に濡れて恋にも似た気持ちに揺れる。

『雨』と『雨玉』と『涙玉』が織りなす、切ない想いの行方は?

★★★ Excellent!!!

始まりを書いた恋愛でも、終わりからの再動を書いた物でもなく現在形の物語。スタイリッシュな文章で綴られた大人の雰囲気に、ただただ目を奪われてしまう。オチに向かってぐんぐん収束していくコンテスト作品の中にあって、異彩とも呼べる情景を書き出したこの作品には心からの称賛を贈りたいと思います。素敵な素敵な作品でした。
オススメです。

★★★ Excellent!!!

しとしとと降る雨と涙の冷たさ、心細さ、寂しさが伝わってくる。
どこか抽象的でありながら、揺れ動く心の描写はひどくリアルだ。

彼の些細な言葉が、甘えが、わがままが不意に悲しくなって、
彼女は誕生日間近の週末にただ一人、高原のホテルを訪れた。

彼女を迎えたのは、天使のように美しく不思議な青年と、
彼が育てるハーブの香り、彼が手渡してくれる透明な滴と雫。

詩的な言葉遣いが織り成す世界観は独特であり、繊細であり、
淡くにじんでいるようで、まるで水彩画みたいだと感じた。

雨の滴りとともに語られる恋の話。
優しい切なさを求める人に、ぜひ。