マチカツ!

作者 乙島紅

110

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★★★ Excellent!!!

器用貧乏の大学生・伊佐美渓が、ひょんなことから寂れた商店街の地域活性化にのめり込み、そして巣立っていくまでの物語。

共感しやすい等身大のキャラクターと、身近な問題を扱った分かりやすいストーリーで非常に感情移入しやすいストーリーになっています!

個人的な見どころは商店街の賑やかなキャラクターたち、基本ツンデレで構成されたおじさんやじーさんたちに萌えます。ヒロインもじーさんと同じくツンデレです。随所にリーダビリティを発揮させるための謎や伏線も仕込まれていて、なかでも作中に登場する『居座り烏』と呼ばれるバンドの正体は見どころの一つです。果たして、わかった人はいるのだろうか?

自分には何も取り得がないと思っている方に読んでもらいたらい、自分の居場所を見つけたくなる物語です!!

★★★ Excellent!!!

大学が地域活性化のために奔走するお話。
フリーペーパーを作ったり店舗で起業したりと、他の方が書いている働くヒトコンテストとは少し色味が違っていて、だからこそ青春の眩しさが大きな特徴になっています。

実際に会った事がなくても「いるいる」と思わせる商店街の面々が秀逸。
三人称視点で彼らの心の動きが見え、徐々に一丸となって町おこしをしていく様子は見ていて気持ちが良いですね。
とはいえ、学生が「活性化」と謳ったところですぐに受け入れるはずもなく、そのあたりの葛藤や折衝がリアルに描かれています。

ほのかな色恋、部活仲間とのチームワーク、将来への悩み。
様々な青春の欠片が散らばるこの作品、「あの頃」を思い出したい方へオススメです。

★★★ Excellent!!!

静かになりつつある商店街を活気づかせるべく奮闘する大学生の物語。しかしながら、本当の主役は商店街とそこに住む人々と歴史なのかもしれない。
今は多くの人が利便と家計を優先した生活にシフトしてしまったが、それでも消費者とそれを提供する者の間にしかない人情や積み重ねの日々をどこかで求めているのではないだろうか。
そんな出会いと居場所を見つけられると信じて、地元の商店街に足を運びたくなる。

★★★ Excellent!!!

最終話まで読了しました!

タイトルの通り、まさに若者達の試行と失敗、そして情熱の物語です。とはいえ、本作は若者達を主軸に据えつつも、彼らを囲む様々な大人達の立ち位置も見事。真っ直ぐで背負うものが少ない若者達に比べ、すでに多くの経験を積み、背負うものが大きくなっている大人達の対比と、それぞれの主義主張がとてもわかりやすく描かれていたと思います。

魅力的なキャラクターによって彩られる、商店街再生――ひいては、人と人との触れ合いの再生物語。

本作を読了した後、彼らが蘇らせたのは、街そのものであると同時に、人同士の触れ合いだったのではないかと気づき、とても熱いものを感じずにはいられませんでした。

お美事です。

★★★ Excellent!!!

転勤族故に、故郷や居場所の概念が薄かった伊佐見渓。

そんな彼は最初は腐っていた。それは奇しくも住んでいる古巣市――うずら通り商店街の寂しさと同じようで、どこか暗い物になっていた。
しかし彼は、商店街は変わった。商店街の活気を取り戻そうとするマチカツ部、地域の人々、そして彼らの絆。彼らのしてきた事は、ラストで大きな意味となって帰ってくる。

商店街の未来が輝かしい物になったと同時に、その場所が渓にとっての『居場所』になった。だからこそラストの台詞が重く感じられる。

これ程熱く、切なく、そして輝いている物語を色んな人に知ってもらいたい。そんな想いをしてくれる、素敵な物語です。

★★★ Excellent!!!

この物語を読んでいて、ふと、どこかで誰かから聞いた言葉を思い出した。

事業というものは単に金儲けをすれば良いというものではない。
その土地の役に立ち、経済を回し、地域貢献できてこそ存在する意義がある。

主人公がやったのはまさにその体現。
街のために何ができるか、本来部外者であるはずの彼が本気でそれを考える。
反発を受けることもある。理解されないこともある。上手くいかないこともある。

それでも彼らが諦めなかったのは、街を愛する心の賜物だろう。

★★★ Excellent!!!

大学に通うためだけに、この街にきた主人公。
その彼は、ちょっとしたきっかけで、そこのシャッター街になりつつある商店街を盛り上げようと企画する学生たちの「マチカツ」に参加することになる。

しかし。
怪訝な目でみる商店街の店主たち。
露骨に邪険にする人たちもいるなかで、彼らは何度も壁にぶつかり、もがき、しかし彼らの一生懸命な姿に支えてくれる人たちも徐々に増え、様々なアイデアを実現していく。

その姿は、とても地に足がついていて、何が大切なのか迷いながら探る姿にはとても共感がもてました。

そして。
その裏にある、マチカツとは違うもう一つのテーマ。
自分の居場所づくり。
これは、多くの大人にとって誰もが抱える共通のテーマなのではないでしょうか。
それに真っ向から取り組み、その真摯な姿勢に周りが次第に変わっていく様子。
その姿に何より心強さを感じたし、人の温かさを感じました。

文章もとても読みやすくて、お仕事小説は硬いのが多くてちょっと難しいな……と思っている方、特に現役大学生やこれから大学生になるであろう中高生、さらにとっくに大学生時代なんて過去のものになった大人も、お薦めできる作品です。

★★ Very Good!!

 ここちよい青春群像劇! 学生が苦労しながら商店街のために力を尽くす姿が鮮やかに描かれています。
 こんなサークル活動ができるのがうらやましいぐらい。
 悩んだ先に、自分の求めるものが何であったかに気づく主人公もよかったですね。
 読んで気分がよくなることは請け合いなので、ぜひどうぞ。

 蛇足ですが、カフェ・ニューネストははやっているようで、何よりです。こっちもうらやましいぐらい!

★★★ Excellent!!!

社会経験のない若い人に仕事を作らせるとどうしてもいろいろな不備が出てくるもので、選ぶ業種も教育や販売といった、見覚えのあるものに偏りがちになるのが普通かと思います。

市場を調べる、客層を決めるといった、企画に関わる会社員であれば誰もが思いつくようなアイデアも、大学生であればなかなかピンとこない。なので、そこをどう描いてくるかな、というのが今回期待していた大きなポイントでした。

働くヒトコンテストの他の作品はある程度までは仕事を知っていて、これからプロとしてどうやっていくか、を描くものが多いのですが、ズブの素人が一から仕事を作るのはこの作品以外あまりないのではと思います。
乙島さんの腕の見せ所だなあと思いました。

私の感想としては、スモールステップがとてもうまくできていたなという印象です。商店街の人と出会い、関係を作り、意見が衝突し、失敗する。人を集め、経験を積み、意外な驚きがあり、恋も芽生える。そうした細やかな変化を段階的に表現し、主人公の成長と職業に関する情報を織り交ぜるという描きかたが、テーマにあっていてとても良かったです。

それと、後半に登場する仮面の方、詳細は伏せますが、この役がとてもインパクトがあり、飽きさせない工夫も見事でした。

スポーツや勉強だけじゃない、初めて社会に立ち向かい、苦境をのりこえ成長する若者たちの姿が眩しいです。今回も良い作品を読ませていただきました。

★★★ Excellent!!!

古巣市のうずら通り商店街で地域活性化のボランティア活動をすることになった大学生、イサミンこと伊佐見渓くんが主人公のお話。

とても読みやすいです。
奮闘するイサミンたちを応援しているうちに、いつの間にか読み終わっていました。

決して薄っぺらい内容というわけではなく、人と人の関わりの大切さや、主人公を始めとしたキャラクターたちの成長など、きっちりぎっしり詰め込まれているのでご安心を。

大学生が廃れた商店街の復活に挑戦するわけですが、色々な問題にぶつかります。
その都度、迷って考えて、時には大人に頼りながら、彼ら彼女らは成長していきます。

キャラクターも素晴らしいです。
主人公のイサミン。最近の若者向け小説にありがち(?)な巻き込まれ型の男子大学生です。でもやるときはやるんです!
彼の活躍をぜひ見ていただきたい!
そりゃあもう感動すること間違いなし!

頼れる先輩の花笑さんや慶隆さん、オタクな後輩の理人くん。
みんないい子かよ!
私もこのサークル入りたい!

そして私の推しメン、美耶ちゃん!
かなり初期から好きだったのですが、まさかあんなことになるとは……。
ふふふふふふふふ。

商店街のみっちゃんや城山さん、居座り鴉のレイヴンさんなど、脇を固めるキャラクターも個性的で楽しいです。

ここまでこのレビューを読んだ人なら、私がどれだけこの作品を楽しめたかわかると思います。
というわけで、あなたもうずら通り商店街へ来ちゃいましょう!

★★★ Excellent!!!

将来特にやりたいこともなく、代わり映えのない毎日をただ何の気なしに生きる大学生の主人公・渓。
そんなある日、大学近くの寂れた商店街に足を踏み入れた途端、彼の人生は一変する──

1話1話が読みやすく掛け合いも軽やか、そして優しさの滲む文体から読んでいてほっこりさせられます。
しかし、上げるところは上げ、落とすところは落とす……と、非常にメリハリのある作品だと思われます。

寂れた商店街を巡るある出来事。
その商店街で生き、働く人々。
そしてそんな商店街や彼らと触れ合うことで、少しずつ変わっていく主人公。
あなたも読めば、きっとお気に入りの商店街の住人が見つかり、そして主人公・渓を応援したくなるはず!

そんな柔らかな印象の物語であっても、働く人の思い、そして「働くとは何か」について考えさせられるのもまた魅力のひとつかと思います。

ぜひあなたの故郷を想いながら読んでください。
そしてあなたも、マチカツ部のメンバーになっちゃいましょう!

★★★ Excellent!!!

これまで親の転勤のおかげで、ひとつの街に落ち着くことがなかった主人公・伊佐見渓(いさみけい)。
大学生となって一人暮らしを始めた街でも、きっと四年間のひとときを過ごすだけだと思っていた。
が、ひょんなことからマチカツ部に誘われた時から、彼の意識は変わり始める。
果たして渓とマチカツ部員たちはシャッター街の危機を救うことができるのか?

今、きっとこの瞬間にも日本中のあちこちの地方都市で頭を抱えているであろうシャッター街問題。
それを根本的に解決するには画期的なアイデアなどではなく、人と人との触れ合い、繋がりなんだということを、今作はこれまで親友らしい友人を作れず、住んでいる街にも愛着が持てなかった主人公を通して語られます。

そしてそれと同時に商売とは本来こういうものだということを教えられたような気がしました。
今の世の中、いくら外面では奇麗ごとを謳っても一番重要視されるのは会社の利益ではないかと思います。
今これが売れるから、これが流行っているから、お店を出す。
だけどそれは本当にその街の人たちに必要とされているのでしょうか?
渓たちはシャッター街を救うため、新たなお店を出そうとあれこれ考えます。その過程の中で彼らが気付いたもの。それは商売をする上で当たり前だったのに、最近ではなんだかすっかり忘れられている大切なものであるように感じられて、思わずハッとしました。

カクヨムの利用者には社会人の方も多くおられると思いますが、自分の仕事に何か虚しさを感じるという方は今作を一度目を通してみてください。大学生たちの青臭いけれども、だからこそ自分たちが仕事をしている中で忘れつつある何かを彼らの姿に見つけることが出来るかもしれません。

★★ Very Good!!

私の住んでいる街にもある、シャッター街の商店街を舞台に、大学生が町おこしをするお話。
頭の中で映像化するようなコミカルで臨場感あふれる文章。商店街の人々が最初無関心だったり、すぐに結果が出ないのも妙にリアルで臨場感がありました。
町おこしの方法も、新しいものを新たに作るというよりは、街の埋もれた魅力を掘り起こすといった感じで好感が持てます。
町おこしだけでなく、自分の居場所や故郷を考えるきっかけにもなる作品だと思います。

★★ Very Good!!

様々な地域で問題になっている、古き良き店の後継者不足。
長年の営業に幕を閉じる店舗を見るたびに心が痛むかたも多いのではないでしょうか。
この作品では、大学生達が商店街を活性化させようと奮闘します。
その姿は、営業職やプロジェクトチームのよう。彼らは社会人への階段をのぼっています。

欲を申し上げますと、「『働くヒト』小説コンテスト」の作品としては「働く」要素が弱いです。「学生の活動」の域を出ていないように思えます。

しかし、ひとつの作品としては、とても面白いです。
今後の展開に期待します。

★★★ Excellent!!!

 境遇も性格もバラバラな学生たちが、思いを一つにして逆境に立ち向かう物語です。商店街の頑固な大人たちをアイディアで説得したり、企画や手伝いなどを通して、主人公も成長していきます。
 「マチカツ」という仕事を通して、シャッター街と化した商店街を救おうと奮闘する青年たちの姿がまぶしいです。
 外からの目が入ることで、変わるものがある。そして、外からの手が入ることで変わってしまうものがある。変化を望まない商店街の住人達と、変化をもたらそうとする主人公たちのコントラストが表現されている作品です。

★★ Very Good!!

ちっぽけな自分に気付かされ、傷つき自分の居場所が見つからない多くの人にお薦めです。外に出てみれば偶然の出会いから予期もしてなかった充実感が得られる居場所が見つかるかも。
社会問題となっている商店街の空洞化と満たされていない学生の組み合わせが現実的で商店街活性化実現への期待をいだかせます。