居場所は、いつだってそこにある……。

転勤族故に、故郷や居場所の概念が薄かった伊佐見渓。

そんな彼は最初は腐っていた。それは奇しくも住んでいる古巣市――うずら通り商店街の寂しさと同じようで、どこか暗い物になっていた。
しかし彼は、商店街は変わった。商店街の活気を取り戻そうとするマチカツ部、地域の人々、そして彼らの絆。彼らのしてきた事は、ラストで大きな意味となって帰ってくる。

商店街の未来が輝かしい物になったと同時に、その場所が渓にとっての『居場所』になった。だからこそラストの台詞が重く感じられる。

これ程熱く、切なく、そして輝いている物語を色んな人に知ってもらいたい。そんな想いをしてくれる、素敵な物語です。

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