色が識別できない画家と、旅の魔女、イレイナさんの物語。いつも通りの軽妙なやりとりが楽しい。まず塞ぐことから離れよう、というやりとりにグッジョブをさしあげたい。画家の話は、いい話でしたよ。
東洋の国で邂逅した、売れっ子画家と魔女のお話。魔女の少し突き放したような、独特の語り口が魅力的です。最初、彼女は町の人々や画家を見栄っ張りと呼び、冷めた目で見ています。しかし、画家の苦悩と挑戦を知った時、彼に優しく微笑みかける表情が、鮮やかに浮かびました。読了後には清々しい気持ちが残る、素敵な作品です。
主人公はサバサバとして女の子。とても大人びているが、まだそんなに大人ではないように感じました。彼女の反応はすごく自然で、何にも媚びていない所に好感が持てます。 この少女がとある事情の画家と出会うことで、少女は画家の苦悩を知るのです。初めは画家に対しても距離がありますが、最後の一文で彼女の優しさがあふれ出します。 確かに我々も緑の虫を「青虫」と言っているし、何より「大切な物は目には見えない」のです。 そんなことを考えさせてくれる、ほっこりするお話でした。
「魔女の旅々」シリーズのファンで追っかけているわけですけど、今回もまた一風変わった国での不思議な出会いがあり、その世界観に引き込まれてしまいました。先生の準備しているという書き下ろしもとても楽しみにしています。多くの人に読んでもらえるよう祈っています。
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