主人公の青年は、奇病を患っている。
それは、会う人会う人、老若男女が食材に見えるという……そしてそれを妄想の中で食さずにはいられないという旺盛な食欲という奇病。
そんな学校一の問題児の前に、現れた別の問題児の少女。
彼女は青年の福音となる。なぜなら、その子は青年にとって唯一、奇病が発現しない相手だったからだ。
彼女と出会ったことで、青年の世界は少しずつ広がっていく。
とにかく、この物語の中に出てくる登場人物たちは、誰もが個性的。独創的。
そんなユニークな友人たちの中にいても、燦然と輝く独特さを放って止まない青年の奇病『妄想料理』をぜひ貴方にも、味わってほしい!!!
主人公のキャラクター造形は大変良いです。
非常に魅力的です。
彼一人で物語をぐいぐい引っ張って行けるだけの力を持った、ユニークで面白いキャラクターです。
詳しくは読んでみてください。
ただ、主人公の極めて強いキャラクターに対して、他のキャラクターたちの個性が負けてしまっているのが残念でなりません。
これはおそらく、ミツルの視点を主として書かれているからです。
三話以降は寧々の視点を主体にして書かれてあったならば、ミツルの異質さやその苦悩、発言や神秘性といった彼の魅力を、より際立たせる事が出来たと思います。
最新話読了の追記。
やはりミツルのキャラクター性が薄まってきています。ミツルのキャラクターとしての爆発力はこんなものではないはずです。もっともっと、ミツルの思いや苦悩を中心にお話を組み立て、ミツルが他のキャラクターに翻弄される以上に、ミツルの発言や行動によって他のキャラクターたちが深く心の奥まで影響されていく場面を描かねば……!
ミツルという珠玉のキャラクターが、あまりにも勿体ないです。
孤独な性癖を持つ少年と不良になりきれない不良少女の物語。
主人公・矢吹ミツルは『食材』(という妄想)のない少女に出会う。
少年にとって恋愛は性欲と直結する。少女にとって友情は食事から始まることも多い。
この、本来少年の立場で語られるはずの「性欲=恋愛」を「食欲=友情」と捉えるために生じる、両者のすれ違いが面白い。
この着想を物語に落とし込むために紡がれる作者の視線はとても優しい。物語中盤で、日常と化した逢瀬が欠落し、
彼女との邂逅がいつのまにか非日常となっていた事実に気付くミツル。
二人が寄り添い合っていく過程が、実に丁寧に描かれています。大変楽しく読ませて頂きました。
個人的ベストヒット台詞は、「寧々、お前の顔だけガン見して下校していいか?」大切な一作になりそうです。
第15皿目まで読んでの感想です。
かなり異色かつ、斬新な作品ではあります、ありますが読み進めるとこれが間違いなくラブコメになっている、というなんとも不思議な作品。
人ならば誰でも食べ物として見てしまう異常感覚の持ち主ミツル。彼はその特異さゆえにいつも孤立しています。そこで出会うのが不良にあこがれる後輩の寧々。二人の出会いと交流がコメディたっぷりに描かれていきます。とあらすじを書いてもなんのことやら、でしょう。
とにかく強烈な設定、唯一無二ともいえるオリジナリティー、それを時にはコメディたっぷりに、ちょっと情感たっぷりに、そしてあくまでラブコメとして突き進むよう、巧みに料理された物語なのです。
文章は読みやすいし、キャラも生き生きとしています、もちろん物語もいろいろと楽しめます!
ぜひ味見してみてください!