激動の時代に生きた強くて哀しい男たちの物語

新選組の歴史をモチーフにファンタジー要素を絡めて描いた骨太長編です。
特筆すべきは、硬質で時代性を取り入れた語り口ながらも、実に読みやすく書かれた文章。
登場人物の心情に寄り添いながら、容赦なく流れる時代の流れに翻弄され、それでも自分の信じる道を歩み続ける男たちの心情が胸に迫ります。このストーリー展開がまさに骨太、作者がこの物語にかける思いまで伝わってくるようです。

物語は沖田と斎藤の二人の視点から描かれ、それぞれの戦いや苦悩、歴史に翻弄される様が活き活きと語られていきます。
そこに妖退治の要素が加わり、新選組の他のキャラクターとの絡みと相まって、怒涛の展開を見せていきます。
そして最後に訪れるなんとも美しいエンディング!

私は歴史ものや新選組などはあまり読んでいないのですが、そういった予備知識なしに十分楽しむことが出来ました。
むしろ知っていればもっと楽しめたのに!と思いました。
ということでまずは読んでみてください!

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