終始語り口調で進む物語でした。それゆえに目の前にその人物がいて実際に話をしているような感覚で読み進めました。話を聞いていると不思議な世界にどんどん引き込まれていきます。迷いこんだ感覚です。その土地特有の方言がまた現実味を帯びさせると言えばいいのでしょうか?迷いの先で出会ったものはなんなのだろう?抜け出せない怖さに息を飲みました。本当にあるのではないかと錯覚させる物語、面白かったです。
テンポよく、シンプルにまとめられたお話でした。こうした怪奇譚を街そのものとして取り上げることができるのも、正に遠野ならではなのかなと。物語が口承の形態をとっているからこそ感じられる、得体の知れぬゾクゾクとした感覚がたまりません。たった1,000文字程度の短い作品ですが、一読の価値のある作品だと思います。オススメです。
親から子、子から孫へ語り継がれる独特な口調。 朝廷の方角から見て鬼門、東北は丑寅の方角に住まう者。かつて夷族、夷敵と呼ばれた者の末裔たちは何を語らい合い、無聊を慰めるのか。 その妙に馴染む訛りで綴られた文は、座敷の畳のひんやりした感じ。梁がときたまきしむかすかな音。 そこに潜む『なにか』を感じさせます。 こりは、もっしぇごど。はやぐつづぎ読ませでくなんせ。
ゆっくり丁寧に読ませてもらった。馴染みのない方言に、吸い寄せられる。物語もまた、不思議な引力を持っていて、何とも言えず、背筋がぞわぞわする。どうやったって私には書けない、描けない作品にここで出会って、圧倒されている。ウェブ小説で、こうした作品を読めるとは想像してなかった。風情というより、風格。単純にもう、私も精進しようと思いました。ありがとうございました。すごく好きです。
もともと作者様は文才が緻密な方なのですが、これはもう言うことなし。方言の文体がこの地方近辺(と言うには少し離れていたけれど)居住していた僕としては、どことなく懐かしさを感じるところもあったのですが、本質はそこではなく。口語文で書かれた世界の中で、読み解く話し相手そのものが「あなた」だからこそ、唾も飲み込めない。本来、妖とは良き隣人であり、影なのです。侘び寂びの中で、ヒトなんて街から抜け出たらチッポケだと教えてくれている気がする本作。夜には読まない方がいいか……も?
これ、フィクションですよね?実話怪談じゃないですよねと、確認したくなるほどの鬼気迫る妖気を感じました。これも日本という国の一面をつまびらかにした物語だと思います。
知らない言葉ばかりwでも、なんとなくリズムに乗って読んじゃいますね。遠野などは、こんな感じでおばあちゃんが民話を語ってくれるのでしょうか?生で聞いてみたいなあ。
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