恐怖劇場の幕が開きます。背を押しつけ、ひじ掛けはしっかり握りますぜ!
- ★★★ Excellent!!!
いったい、だれが、いつ見ている夢なのでしょか。
読み始めには気づきません。
妖しげな霧が、足元から緩やかに這い上がってきていることに。
物語の中盤にあたりで、ようやく気づきます。
この物語からたちこめてくる灰色の霧に。
動くのは両目だけ。そして灰色であったはずの霧に、赤色が湧きだしグラデーションを描きだします。
いよいよ物語は、終盤に差し掛かってきます。
そして、ラストシーン!
いったい、だれが語っている物語なのでしょうか。
「わたし」ですか?
でも「わたし」って……
もう一度読み返してください。ほら、そうでしょう。
「わたし」って――怖い!